AIと会話ができるチャットサービスがビジネスで活用され始めています。
「情報探索」「顧客対応」「FAQ」など、さまざまな利用用途に用いられてきているため、上手く活用していきましょう。
今回はAIチャットについてわかりやすく解説します。
この記事を読めば、ビジネスにおけるAIチャットサービスの使い方がわかるようになるため、参考にしてみてください。
AIチャットとは
AIチャットとは、ユーザーが話しかけると自動的に回答してくれるサービスです。
2022年11月に米国のOpenAI社が公開したChatGPTが有名ですが、さまざまなサービスが登場しています。質問の回答の根拠となるURLまで提示してくれる便利なサービスや、顧客対応を自動化するためのサービスがあります。
チャットにAIが搭載されているため、「冷蔵庫にある豚ひき肉とキャベツ、しいたけで作れるレシピを教えて」などのような複雑な質問に対しても回答してもらえることが魅力です。
AIチャットのメリット
AIチャットをビジネスに活用すると以下のようなメリットがあります。
- 24時間365日お問い合わせに対応できる
- 複数の人の質問に同時に対応できる
- 対応業務のリソースを削減できる
- 対応品質のムラをなくすことができる
- 業務効率化が実現できる
AIチャットのデメリット
AIチャットをビジネスに活用すると、以下のようなデメリットがあるため注意してください。
- AIが誤情報を出すこともある
- ミスした場合の責任の所在が不明瞭になる
- AIチャットサービスの導入費用がかかる
AIチャットの種類
AIチャットは大きく4つに分類できます。
業務効率化タイプ
業務効率化タイプとは、Bing、Bard、AIチャットくんなどの生成AI(ジェネレーティブAI)が該当します。知りたいことを質問すれば教えてもらえます。
また、生成AIを上手く使えば、以下の業務が効率化できます。
- メール作成
- 業務マニュアルの作成
- 文章の要約
- 企画リサーチ
- プログラミングコードのバグチェック
- SEO記事の作成
- 新サービスのアイデア出し
カスタマーサポートタイプ
カスタマーサポートタイプとは、Zendeskやチャットプラスなどのカスタマーサポート対応ができるチャットが該当します。
カスタマーサポートタイプのAIチャットを導入すれば、24時間365日のカスタマーサポートセンターが作れます。また、一次対応をAIにお任せすれば、オペレーターの業務負担を削減することが可能です。
Web接客タイプ
Web接客タイプとは、sincloやGENIEE CHATなど自社サイトを訪問してきたユーザーに対してアプローチできるチャットが該当します。
サイト訪問者に対して店頭スタッフのような接客ができ、サイトには掲載していない商品資料やカタログ、個別の提案書や見積書なども渡せます。
FAQタイプ
FAQタイプとは、HiTTOやPEPなどの管理部門に届くお問い合わせ対応を自動化できるAIチャットが該当します。社内ポータル、グループウェアにAIチャットを導入すれば、問い合わせ工数を削減することが可能です。
CRM、勤怠管理、経費精算ツールとAPI連携でき、社内問い合わせ業務を効率化できます。
AIチャットの選び方
AIチャットを導入するために選び方を覚えておきましょう。
利用目的
AIチャットは4種類に分類できると説明しましたが、利用目的に見合うものを選びましょう。
AIチャットのタイプ | 利用目的 |
業務効率化タイプ | 書類やメール作成、アイデア出しなどの場合におすすめ
例:Bing AI、AIチャットくん、Google Bard |
カスタマーサポートタイプ | 顧客からのお問い合わせの対応を自動化したい場合におすすめ
例:Zendesk、KARAKURI chatbot、チャットプラス |
Web接客タイプ | ECサイト上で接客したい場合におすすめ
例:Sinclo、BOTCHAN AI、Tebot |
FAQタイプ | 社内の問い合わせ対応を効率化したい場合におすすめ
例:OfficeBot、HiTTO、PEP |
料金体系
AIチャットサービスにより料金体系が異なります。
サービスは従量課金タイプと定額課金タイプがあるため、利用頻度に見合うものを選びましょう。例えば、チャット頻度が高い場合は定額課金タイプの方が予算内に収まりやすいです。
その一方でチャット頻度が少ない場合は従量課金タイプの方がお得になるでしょう。
操作性
AIチャットサービスを導入するときは操作性が重要です。
ChatGPTは便利ですが、英語表記で会員登録をしなければ利用できません。
また、どのようなプロトタイプを入力するかで回答が変わってきます。
ITに関して抵抗がある従業員がいる場合は、日本語表記で操作しやすいサービスを選ぶようにしましょう。また、質問に対する応答速度が早いサービスを選べば、ストレスを感じずに済みます。
精度
質問による回答の精度が、各サービスで異なります。
AIは質問に対して回答できることが魅力ですが、間違った回答をすることも多いです。
そのため、回答の精度の高いサービスを選ぶようにしましょう。
サービスを利用しないと精度はわかりません。
そのため、無料トライアルでサービスを利用してみて精度を確かめてみましょう。
AIチャットおすすめアプリ・サービス12選
ここでは、AIチャットの種類別におすすめのアプリやサービスをご紹介します。
業務効率化タイプ
業務効率化タイプのおすすめAIチャットには、以下のようなサービスがあります。
Bing AI
Bing AIとはMicrosoft社の検索エンジン「Bing」にAIチャットを組み込んだサービスです。
ChatGPT-4とBingの検索エンジンを掛け合わせてサービスが開発されており、質問に対する回答のエビデンスのURLまで提示してくれることが魅力となっています。
テキストや画像の生成まで行うことができ、完全無料で利用できるサービスです。
Bing AIについて詳しく知りたい方は、下記の記事を読んでみてください。
AIチャットくん
AIチャットくんは、LINE上で利用できるサービスです。
2023年3月にリリースをされて、半年間で利用者数が250万人突破しました。
AIチャットくんを友だち追加するだけで利用できて、1日5回の質問であれば完全無料で利用できます。5回以上の質問がしたい場合は、有料プラン(月額980円)への登録が必要ですが、日本語対応で会員登録せずに利用でき、便利なサービスと人気を集めているサービスです。
Google Bard
Google Bardとは、Googleが開発したAIチャットサービスです。Googleアカウントを作成すれば、誰でも完全無料で利用できます。
Google Bardの大きな特徴は、Googleが開発した大規模言語モデルLaMDA(ラムダ)が使用されていることです。数多くのサービスが、OpenAIのChatGPTのAPIを活用する中で、自社独自の大規模言語モデルを使用しているため、他のサービスと異なる出力結果が楽しめます。
カスタマーサポートタイプ
カスタマーサポートタイプのおすすめAIチャットには、以下のようなサービスがあります。
Zendesk
Zendeskはカスタマサポート向けのシステムです。
顧客データを一元管理して、お問い合わせ業務を効率化していくことができます。
ZendeskではAIが利用でき、チャットボットの作成が可能です。
お客様からの質問内容が一般的なものであれば、AIチャットボットが一次対応してくれます。
40以上の言語にローカライズできることが魅力です。
さらに、対応漏れの顧客を通知してくれたり、顧客対応の優先度を表示してくれたりします。
月額69ドル(約10,000円)から利用できます。
KARAKURI chatbot
KARAKURI chatbotは、カスタマーサポートのチャットボット作成に特化したサービスです。
管理画面がシンプルでわかりやすく、簡単にチャットボットが作成できます。万が一、サービスの利用方法がわからなくなった場合はサポートが受けられます。
運用状況はデータで見ることができ、AIが回答を間違えた質問などを抽出し改善していくことができるため、精度の高いチャットボットが作れることが魅力です。
利用料金は要お問い合わせとなっています。
チャットプラス
チャットプラスは、10,000社以上に導入されているAIチャットサービスです。
多くの企業に導入されている理由は、月額1,500円でサービスが利用できるためです。
AI会話やシナリオ設計など基本的な機能が搭載されています。
Google calenderやZoomなど、さまざまなサービスと連携すれば多機能システムのような使い方もできます。
Web接客タイプ
Web接客タイプのおすすめAIチャットには、以下のようなサービスがあります。
Sinclo
SincloはWebサイト上で接客するためのサービスです。
サイトにタグを1行追加するだけでWebサイト上で接客ができるようになります。
複数のサイトに設置することも可能です。
Sincloの大きな特徴は、チャットと有人のハイブリッド型のチャットを立ち上げられることです。一般的な質問に対してはチャットで対応し、より高度な質問に対してはオペレーターが対応すると分けることができます。
そのため、有人も活用して店頭レベルの接客をオンラインで実現できます。
プランが「コスト重視プラン」「成果重視プラン」があり、月額9,440円から利用できることもサービスの魅力です。
BOTCHAN AI
BOTCHAN AIはChatGPTを活用してWebサイト上の接客を自動化できるサービスです。
サイトに設置したチャット上で質問を受けたら、ChatGPTが言語処理して回答します。
柔軟な回答を得意とするChatGPTを活用することで、さまざまなお問い合わせが一次対応で解決し、オペレーターの業務負担が減らせます。料金体系は要お問い合わせとなっています。
Tebot
Tebotは月額45,000円で利用できるリーズナブルな料金体系が魅力となっているAIチャットサービスです。
お客様からのお問い合わせに対する回答を登録しておけば、チャット上の質問に自動回答できるようになります。テキストだけでなく、画像やPDF資料の表示も可能です。
また、Web接客データを解析してチャットを改善していくことができます。
FAQタイプ
FAQタイプのおすすめAIチャットには、以下のようなサービスがあります。
OfficeBot
OfficeBotは、企業データとChatGPTを組み合わせられるサービスです。
オフィスに散らばるナレッジを集約して、24時間365日、社内問い合わせに対応できる体制を整備できます。
ナレッジを登録する必要はなく、文書をアップするだけでFAQが作成できることが魅力です。
就業規則や有給休暇のような社内ルールに関するお問い合わせ業務やナレッジ検索に関するお問い合わせ業務を自動化できます。
料金体系は要問い合わせとなっています。
HiTTO
HiTTOは、30万人に利用されているAIチャットサービスです。
多くの人に利用されている理由は、親しみのあるキャラクターHiTTOちゃんが質問に回答してくれること。そして、カテゴリ分けされた質問内容に回答を入力していくだけで済むためです。「人事」「労務」「総務」「営業」でよくある質問がテンプレートになっているため、誰でも簡単にFAQが作成できます。料金体系は要お問い合わせとなっています。
PEP
PEPは求めている情報を瞬時に取り出すことができるAIチャットサービスです。
FAQを立ち上げると「質問を入力してもヒット件数が0件」などの問題が出てきます。
このような問題をAIで解決できます。
PEPはFAQに含まれていない単語も検知して、ユーザーが求める回答を出すことができます。
FAQの作成はしなければいけませんが、専任チームがサポートしてくれるため安心です。
料金体系は要お問い合わせとなっています。
社内のDX推進したい方は、下記の記事を読んでください。
AIチャットについてまとめ
AIチャットを上手く活用すると業務効率化が図れますが、利用用途に見合ったものを選ぶことが大切です。
この記事ではAIチャットの種類別におすすめのサービスをご紹介しました。
気になるサービスを見つけた方は、これを機会に利用してみてください。