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【2024】AIの発展で奪われる仕事とは?理由や共通点について解説

AIの急速な発展により「仕事が奪われる」「仕事がなくなる」という言葉を耳にする方も多いのではないでしょうか?

実際に野村総研とオックスフォード大学の共同研究により2015年に発表されたレポートでは「AIの導入によって日本の労働人口の49%の仕事が10~20年以内になくなる」とされています。AIが発展を続けていけば本当に仕事は奪われていくのでしょうか?

本記事ではAIによってなぜ仕事がなくなるのか?代替される可能性に高い仕事と低い仕事について解説していきます。また、AIに仕事を奪われないための対策も紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

AIによってなぜ仕事はなくなるのか?

AIによってなぜ仕事は奪われるのでしょうか?ここではAIによって奪われる理由について3点紹介します。

  • 生産性の確保
  • コストの削減
  • 業務の大幅な効率化

生産性の確保

AIの強みとして業務の正確性と生産スピードが挙げられます。人間は経験や能力によって業務効率は異なり、業務をこなせばこなすほど疲労により正確性や生産性スピードが低下します。

しかし、AIは一定の生産スピードを維持することが可能であり機械学習により正確性も向上することが可能です。この機械学習は従来のロボットのように定型作業を単に自動化するだけでなく、柔軟に対応可能でもあります。

一定の生産性が確保できるAIは企業にとって売上や業績を予測しやすくあらゆるコストの削減が可能になります。

コストの削減

AIはこれまで人間が行なっていた作業をAIに任せることでコストの削減に寄与します。

導入・運用・保守などの費用がかかるものの人件費などのコストを削減できるのであれば費用対効果は高いといえます。

例えば、AI-OCRであれば製造業の業務である作業記録の入力を手作業で入力せずとも自動で読み取りができ、パソコンへ入力を行います。残業をしてまで手作業で入力を行なっていたのであれば、残業時間の削減が可能です。

業務の大幅な効率化

AIは業務の大幅な効率化を実現します。全ての業務をAIに任せることはできませんが、業務の対応範囲は増えています。人間が業務を行うとどうしても効率は落ちてしまうモノです。

働き手不足を抱えている現代のビジネスにおいて業務の効率化は課題と言えます。実際に「総務省 2021 情報通信白書」ではAIを導入した日本企業において約8割が業務改善の効果を実感していると回答しています。

AIによる代替の可能性が高い仕事

AIによる代替の可能性が高い仕事

AIによる代替可能性が高い仕事について紹介していきます。下記表をご覧ください。

仕事 特徴
金属加工・金属製品検査工 金属加工や金属製品検査工に対して高度な技術を誇っていた日本ですが、現在は海外市場でも同等の技術を機械でできるようになり、生産性や効率化で競争する市場になっており、AIによる代替可能性が高いと言えるでしょう。
一般事務職 パソコンを使用して事務処理作業を行う仕事。ルーチン化された業務も多くAIでも代替可能とされています。
銀行員 銀行員は窓口業務や入出金作業、審査業務などAIで代替可能とされています。ただし、銀行における営業職など人間にしかできない業務は代替の可能性は低いでしょう。
コンビニ店員 コンビニ店員はレジ打ち、品出しなどの業務はAIによる代替の可能性が高いとされています。一部では無人コンビニ営業の実証実験も進んでおり、今後も無人コンビニは増えていくでしょう。
警備員 24時間監視可能、カメラやセンサーの精度も向上しており警備員は代替の可能性は高いとされています。警備ロボットの導入も増えており、不審者や不審物の対処も安全に行えます。
バス・タクシーの運転手 AIによる自動運転の実証実験も進んでおり、一部の地域では無人バスやタクシーの走行が可能になっています。AIの機械学習により標識やルートを覚えることで活躍の場は広がるでしょう。
コールセンター業務 顧客からの問い合わせ業務や商品・サービスの営業業務があります。コールセンター業務の一部ではボイスボットやチャットボットが導入されており、今後もAI導入は広がるでしょう。
倉庫作業員 倉庫作業員は在庫の管理やピッキングが主な業務ですが、AIにより正確な在庫管理が可能になったため人間が受発注を行う必要がなくなります。荷物のピッキングに関してもAIを搭載したロボットが最短経路で無駄なく行えるため、人間が行うより業務効率が良いでしょう。
工場勤務者 製造や管理、検査といった工場での業務はマニュアルに沿った業務も多く、AIで代替される可能性も高いでしょう。工場現場ではすでに生産ラインの検査などAIによって代替されている企業も多いです。

AIによる代替の可能性が低い仕事

AIによる代替の可能性が高い仕事

AIによる代替可能性が高い仕事がある中で、AIによる代替の可能性が低い仕事もあります。

仕事 特徴
AIエンジニア AIエンジニアはAIを開発・運用・保守を行う職業です。一部ではAIエンジニアはAIによって代替されるとありますが、AIを生み出す職業でもありAIが完璧な状態になることは難しく、AIエンジニアの需要はなくなることはないでしょう。
医者 医者は人の病気や怪我を治すだけでなく、患者の意思を尊重して治療を行う必要があります。
特に精神的な病気は患者とのコミュニケーションが重要になるため、AIでの代替の可能性は低いでしょう。
介護職 介護職はロボットによる介護の導入も進んでいますが、医者と同様コミュニケーションが重要な仕事でもあり、すぐに代替されることはないでしょう。
コンサルタント コンサルタントはクライアントの問題を汲み取り、解決策を考えます。しかし、コミュニケーションが重要になる職種でもあり、AIに仕事を奪われる可能性は低いでしょう。
弁護士、裁判官など 弁護士や裁判官は明確な判断基準がなく、心情によって結果が異なることもあります。状況判断が必要な仕事は人間の方が適任といえます。
動物の飼育員、獣医など 動物の感情を読み取ることが必要であり、AIが動きや仕草を見て判断することは極めて難しいといえ、代替の可能性は低いでしょう。
モデル、俳優など AIにより様々な人物画像を生成できますが、生成できても魅力を感じない人も多くいます。
ドラマや映画など作り手の感性にファンがつくモノであり、AIでは難しいでしょう。

AIによって奪われる仕事の共通点

AIによって奪われる仕事の共通点

AIによって奪われる可能性の高い仕事には共通点があります。ここからは以下3点の共通点を解説します。

  • 単純作業やマニュアル化した業務
  • 危険・リスクが伴う業務
  • 要求される技術が高い業務

単純作業やマニュアル化した業務

単純化した作業やマニュアル化した業務はAIによって代替される可能性が高いです。現在はRPAなど定型作業を自動化するロボットが出ていますが、与えられた作業しかこなすことはできません。

しかし、AIが介入することでより効率のいい作業方法を見出すことが可能になります。単純作業などは人間が行うことで注意力が散漫になり、ヒューマンエラーを起こすこともあります。

危険・リスクが伴う業務

危険・リスクが伴う業務はAIによって代替される可能性が高いといえます。例えば、製造業では製品の加工や溶接による業務が発生しますが製造機器は扱い方を誤ると命に関わることもあります。

従来はロボットで危険な作業を代替していましたが、自身で考えて業務をこなすことはできません。AIの搭載により自律的な作業が可能であり、これからも活躍の場は広がるでしょう。

要求される技術が高い業務

製造業に限らずどんな業種でも商品やサービスの高品質化は求められており、年々要求されるレベルは高くなっています。例えば、AIエンジニアはAIの発展により高い技術を求められますが、人間の知能や技術力には限界があります。

しかし、AIはデータを蓄積するほど精度の向上が見込め技術力の向上も底なしです。今後人間の技術力では難しい業務はAIによって代替されるでしょう。

【2024】AIエンジニアは今後不要になる?役割や将来性について解説

AIに仕事を奪われないための対策

AIに仕事を奪われないための対策

AIに仕事を奪われないためには、AIでは代替できない仕事を選ぶかAIと協働体制を構築することが挙げられます。

AIは全ての業務をこなせるわけではありません。得意・不得意の分野を把握して活用することが大切です。人間よりAIの方が効率よくできる業務は存在し、対抗することは難しいでしょう。

しかし、協働体制を構築できれば膨大な時間かかっていた業務の負担が減り、生産性の向上が見込めるでしょう。どんな仕事でもAIをうまく活用することが仕事を奪われないための対策と言えます。

AIと協働体制を構築している企業事例3選

AIと協働体制を構築している企業事例3選

上記で解説した内容を基に、実際に協働体制を構築している企業事例を3点紹介します。

  • IKOWAロボテック株式会社
  • 株式会社テック長沢
  • 愛工業

株式会社南給

株式会社南給

引用:株式会社南給

株式会社南給は給食の原材料およびフードサービス機器の卸売サービスを提供しており、不動在庫がある事により倉庫料や賞味期限切れで無駄なコストが発生していることが課題となっていました。

そこでAIに「入出庫明細」「在庫管理表」などのデータを記憶させ需要予測をAIに行わせることで、在庫の廃棄量が減少し特にコストの削減に成功しました。
在庫管理は製造業に限らず予測が難しいものであり、廃棄ロスによるコスト増加や環境にも悪影響を及ぼします。

株式会社テック長沢

株式会社テック長沢

引用:株式会社テック長沢

株式会社テック長沢は幅広い業界の部品機械加工・組立を実施している会社であり、加工した金属部品の外観検査工程をAIによって精度の向上を実現しています。

製造業では製品検査を目視で行うことも多く、目視では確認できない傷はそのまま製品の組み立てに活用され最終的には品質の低下を招きます。しかし、AIロボットに良品画像や不良品画像を記憶させることで外観検査の精度を向上でき、品質の向上や省人化が可能になります。

愛工業株式会社

愛工業株式会社

引用:愛工業株式会社

愛工業株式会社はプラスチック部品成形及び組立などを行なっている企業であり、部品の輸送に最適なトラック台数をAIによって予測しています。

部品輸送に必要なトラックの台数は人間による予測でしたが、その差には不確定要素も多くトラックを契約するコストががかかっていました。そこでAIによるデータ分析・予測を行い、予測にかかる時間の工数を削減、複雑な知識がなくても引き継ぎが可能な属人化の解消を実現しました。

今まで予測を行なっていた人員のリソースを他の業務に従事することができ協働体制を構築しています。

引用:経済産業省

実際に協働体制を構築していきたいと考えている方は下記記事を合わせてご覧ください。

【2024】製造業でAIの活用を成功させるには?失敗の要因も解説

AIの発展や導入は今後も進む

AIの発展や導入は今後も進む

本記事ではAIの発展によって奪われる仕事や仕事を奪われないための対策について解説しました。

AIの発展や導入は今後も進むと予測されており、AI技術が発展することで代替できる業務も増えてくるでしょう。今後AIに仕事を奪われるかもと不安になるのではなく、協働体制でAIの不得意な業務を人間が行なっていくことが重要です。

自社の業務でもAIに任せられる業務はないか検討し、積極的に導入してみてはいかがでしょうか。

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