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【2024】CNC旋盤とは?NC旋盤との違いや使い方、メリットやデメリット、種類を紹介!

急速的なIT・IoTの進化に伴い、製造業の現場においてもITツール導入による自動化が進んでいます。特にCNC旋盤は加工作業の全ての自動化に成功した工作機械で、近年は生産性向上を目指す企業への導入が進んでいるのが現状です。

本記事ではCNC旋盤を詳しく解説してNC旋盤との違いや使い方、メリットやデメリット、種類を紹介します。

CNC旋盤とは?

回転する工作物に切削工具を接触させて製品の加工を行う旋盤に、コンピューター制御装置による自動生産機能を搭載した工作機械をCNC旋盤といいます。この工作機械では生産データを入力すれば、数値制御による自動運転が可能です。

切削工具の自動交換も可能で、交換によりさまざまな加工を行うことができます。CNC旋盤はマシニングセンタと似ていますが、マシニングセンタは工作物ではなく切削工具の回転・接触により加工を行う点が異なります。

現在はITやIoTなどの最新技術とコンピューター制御が可能なCNC旋盤を連動させ、スマートファクトリーによる工場自動化を進める企業も増加しているのが現状です。下記にスマートファクトリーを詳しく解説した記事を添付するので参考にして下さい。

【2024】スマートファクトリーとは?自動化のメリットと注意点

CNC旋盤とNC旋盤の違い

CNC旋盤とNC旋盤の違いとして、コンピューターによる自動化制御が可能かどうかという点が挙げられます。CNC旋盤もNC旋盤も数値制御で加工を行う点は同じですが、CNC旋盤はその機能に自動制御用のコンピューターが内蔵されました。

この機能により自動制御が可能な旋盤をCNC、従来の数値制御のみの旋盤をNCとして区別して現在に至っています。現在はコンピューターによる自動制御が可能なCNC旋盤が主流となり、多くの企業への導入が進んでいるのが現状です。

CNC旋盤の使い方を解説

CNC旋盤で加工を行う際には、下記の工程で作業が進行します。

  1. 3D CADで加工物の3Dデータを作成
  2. CAMによるNCプログラムデータ作成
  3. 必要な切削工具を固定
  4. 加工台に加工物をセット
  5. 作業開始

CNC旋盤での加工ではCADで3Dデータを作成し、そのデータをもとにしてCAMが切削工具の回転数や工具交換のタイミングなどの工程をデータ化したNCプログラムを作成します。CAMを使用すればプログラミングの専門的な知識がなくても効率的なNCプログラムの作成が可能です。

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CNC旋盤の種類

CNC旋盤は加工物の材質や種類により、主軸の構造や製品の固定方法が変わります。では加工する製品で変化する、CNC旋盤の種類を紹介します。

刃物台の構造による分類

CNC旋盤は切削工具を固定する、刃物台の構造によっても分類されます。刃物台は櫛刃型やタレット型、フラット型などに分類され、それぞれが切削できる工作物が異なります。

中でもタレット型は同時に多数の切削工具の同時取付が可能ですが、芯ずれによるブレが生じやすい点がデメリットです。このようにCNC旋盤は種類ごとで刃物台がそれぞれの特徴を有し、その特徴に適した加工方法を採用します。

主軸数による分類

CNC旋盤は、備えられている主軸数によっても分類されます。複数の主軸があるものは多軸自動旋盤、主軸が1つであれば単軸自動旋盤などに分類されます。

多軸自動旋盤は複数製品の同時加工が可能で、中ぐりや旋削、ねじ切りや面取りなど複数の加工を同時にできるのが特徴です。

機械構造による分類

正面型や立型など、CNC旋盤は機械構造によっても分類されます。主軸を縦向きに設置し、加工物設置時のたわみを失くすことで重量物の加工を可能にした立旋盤や、主に正面加工を行う正面旋盤などがあります。

正面旋盤はその名の通り正面からの加工により、大きめの工作物の加工を可能にしたCNC旋盤です。

移動方式による分類

CNC旋盤は移動方式によっても種類が異なります。機械の主軸台を動かして工作物を長手方向に移動する種類のCNC旋盤が主軸台移動型自動旋盤で、1本の長い材料からの大量生産に最適です。

一方材料を1つずつ固定して加工を行うCNC旋盤を主軸固定型といいます。

CNCで可能な加工を紹介

CNCで可能な加工を紹介

CNCは「Computerized Numerical Control」の略語で、数値制御という意味があります。そしてその機能を有した工作機械はさまざまな製造現場に導入されて多様な加工を実現しているのが現状です。

では実際にCNCで可能な加工を下記に表記してそれぞれを詳しく解説します。

機種 特徴
CNC研削盤 研削砥石の自動交換機能や、研削範囲の自動制御を可能にしたCNC工作機械
CNCフライス盤 固定した工作物に、切削工具を接触させて加工を行う工程を自動化
マシニングセンタ 自動交換機能(ATC)を有し、中ぐりやフライス削り、穴あけやねじ立て、リーマ仕上げなどの加工が可能
CNC旋盤 段付きの軸などの高精度な加工を実現
CNCレーザー加工機

CNCウォータージェット切断機

加工物を溶解して加工

水力による切断で加工

CNC研削盤

研削砥石の自動交換機能や、研削範囲の自動制御を可能にしたCNC工作機械がCNC研削盤です。機械により高速回転させた砥石を加工物に接触させて加工を進めます。

CNCフライス盤

CNCフライス盤は従来のフライス盤にCNC機能を追加搭載した工作機械です。この機械では固定した工作物に、切削工具を接触させて加工を行う工程を自動化しています。

マシニングセンタ

マシニングセンタは切削工具の自動交換機能(ATC)を有し、中ぐりやフライス削り、穴あけやねじ立て、リーマ仕上げなどの加工を可能にしたCNCの1つです。稼働可能な軸数によりさまざまな機種に分類されます。

CNC旋盤

固定した工作物に、切削工具を接触させる加工を自動化した工作機械をCNC旋盤といいます。この機械を使用すれば、段付きの軸などを高精度で加工できる点がメリットです。

その他の加工機

CNCの種類として光エネルギーを活用して加工物を溶解して加工するCNCレーザー加工機や、水力による切断で加工を行うCNCウォータージェット切断機なども挙げられます。

CNCレーザー加工機加工動画

 

CNCウオータージェット加工機加工動画

CNC旋盤導入のメリット

CNC旋盤は切削工程の自動化を実現した画期的な工作機械ですが、導入すれば具体的にどのようなメリットを得られるのでしょうか。ではCNC旋盤導入の具体的なメリットを紹介します。

大量生産によるコスト削減

CNC旋盤を導入すれば、大量生産によりコストを削減できるのもメリットの1つです。CNC旋盤では数値制御による自動生産が可能なので、動きのムラがないスピーディーな生産が実現されます。

流れ作業的に加工を進めるので、1つあたりの生産時間を大幅に短縮できるのもメリットです。またCNC旋盤は数値制御による自動加工が可能なので、一度データをセットすれば作業員はほかの作業に従事できるので生産性も向上します。

生産品質の安定化

生産品質の安定化に繋がるのも、CNC旋盤導入のメリットです。人間の手で加工を行えば熟練度の違いやヒューマンエラーにより、製品の制度に差が出るケースもあります。

一方のCNC旋盤は一度生産データを入力すれば後は機械が自動加工を行うので、データ入力を間違えなければ品質に差が出ることはありません。また現在は生産データをデジタル化し、そのデータをもとに業務改善を図る製造業DXの一端としてCNCが注目されています。

下記に製造業DXを詳しく解説した記事を添付するので参考して下さい。

【2024】製造業DXとは?実現できることとよくある課題

ATCとの連動による工具自動交換

CNC旋盤はATC(Automatic Tool Changer)との連動により工具を自動交換できるのもメリットです。従来の工作機械は切削工具を交換する際は一度機械を制止させ、人の手で交換しなければいけませんでした。

工具交換には時間がかかるうえに、鋭利な切削で怪我をしたりするケースも多く見受けられました。一方のCNC旋盤は自動的に切削工具を交換する機能であるATCを搭載しているので、切削工具の交換で怪我する心配もありません。

また従来は切削工具の交換にかかる時間も短縮されて、生産性が向上したのはいうまでもありません。

安全性の向上

安全性が向上するのも、CNC旋盤を導入するメリットの1つです。従来は職人が手作業で工作機械の操作を行い、その際に手や指を巻き込まれる災害が多発していました。

また前述のように、切削工具交換時に鋭利な工具により怪我するケースも多く見受けられました。一方のCNC旋盤は一度プログラミングを行えば機械が自動的に加工してくれるので、職人は直接的に作業しないので機械に巻き込まれる心配もありません。

またATCにより工具も自動交換してくれるので工具交換時の怪我の心配もなく、安心して作業できます。

CNC旋盤導入のデメリット

CNC旋盤導入のデメリット

CNC旋盤は工具自動交換や自動加工を可能にした優れた工作機械ですが、導入のメリットがあるようにデメリットも発生します。ではCNC旋盤導入のデメリットを紹介します。

段取りに手間がかかる

CNC旋盤を導入する際には、段取りに時間がかかる点もデメリットです。CNC旋盤の利用では単純に機械の操作だけでなく、操作のための基礎知識の取得や生産プログラム設定などの前準備が必要です。

そしてプログラム設定完了後には加工する材料の位置設定や、材料を試験的にカットするなどの事前準備も欠かせません。このようにCNC旋盤は一般的な工作機械よりも事前の段取りが大変で、実際の加工作業に入るまでに時間がかかります。

多額の導入コストがかかる

多額の導入コストがかかる点も、CNC旋盤を導入するメリットの1つです。CNC旋盤は数値制御が可能な精密機械で、機械内部には制御関連のコンピューターや各種ソフトウェアが搭載されています。

当然ながらそのような高性能の精密機械を搭載しているCNC旋盤の値段は高額で、導入時の初期投資に多額のコストがかかるのが現状です。またCNC旋盤の機種によっては別途CAMが必要なケースもあり、そのような場合にはさらに多額の導入コストがかかる点も把握しなければいけません。

CNC旋盤で自動化・生産性向上を進めよう!

本記事ではCNC旋盤を詳しく解説してNC旋盤との違いや使い方、メリットやデメリット、種類を紹介しました。CNC旋盤を活用すればコストを削減し、安全な生産を手掛けることができます。

さらに現在各業界で推進されているDXやスマートファクトリーと効率的に連携させれば、生産の自動化が推進されて生産性も向上するのでぜひ導入をご検討ください。

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