facebook

【2024】3DCADとは?人気のソフトやフリーソフトを紹介

設計やモデリングのために3DCADを導入してみたいと考える方も多いでしょう。
しかし、3DCADの特徴や導入するメリットがわからず、なかなか手を出せずにいる人も多いはずです。

そこでこの記事では、3DCADの概要や人気のソフトについてわかりやすくまとめました。
国内シェア率や3DCADを導入するメリットも解説しているので、3DCAD導入の参考にしてみてください。

3DCADとは?

3DCADとは、3次元の図面を作成できるソフトウェアのことです。
読み方を「スリーディーキャド」と言い、XYZ座標軸に図形を配置して建物や造形物を作成します。

これまで図面作成のCADといえば2DCADが主流でしたが、専門知識がなければ図面をチェックできないこと、人によって認識の齟齬が生まれてしまうという問題がよく起きていました。一方で3DCADを利用すれば、2DCADで発生していた問題を解決できます。

まず3Dで作成されているため、誰もが作成されたデータを瞬時に認識できるようになりました。また、完成形がわかることから、細かな意匠デザインを表現できるようになったのが特徴です。

近年では、3DCADのデータを用いて設計検討を実施する業務が増えています。
さらに、3Dプリンターで作成したデータをそのまま出力できるなど、3DCADソフトウェアの普及がすでに進行している状況です。

3DCADの国内シェア率

3DCADの普及状況
出典:経済産業省「3DCADの普及率」

2020年度に公開されたものづくり白書によると、普及率は次の通りです。

  • 製造業界における3DCADの普及率は17.0%
  • 2DCAD・3DCADを組み合わせて利用する業務の普及率が44.3%

上記の数値を合算すると、約6割以上の会社が3DCADを使って設計業務を実施しているのが現状です。すでに数多くの企業が3DCADを導入し、業務に活用していることから、今後さらに普及が加速すると予測されます。

詳しい国内シェアを知りたい方は、以下の記事もチェックしてみてください。

https://smart-factory-kenkyujo.com/3dcad-soft/

2DCADとの違い

3DCADと2DCADの2つには、製図作業におけるさまざまな違いがあります。
具体的な違いを下表にまとめました。

3DCAD 2DCAD
製図方法 3D(立体) 2D(面)
図面数 1つ 複数
情報の伝わりやすさ 低(専門知識が必要)

例えば、3DCADは1つのデータに3Dモデルを作り上げていきますが、2DCADは図面を細かく分けながら2Dデータを描写していきます。

また、2D図面だと平面図・横断図・断面図など、図面を見比べながら形状をイメージしなければなりませんでした。一方で3DCADは、データを完成させれば自由な視点でモデルを閲覧できるなど、作成方法・閲覧方法に大きな違いがあります。

BIMとの違い

3DCADとの違いがわかりづらいとよく言われているのが「BIM」です。

BIMとは、コンピューター上に形状・属性情報・数量をもつ立体モデルを作成して、設計検討を効率化する考え方のことです。3DCADによる作図方法がベースとなっていますが、次のような違いがあります。

3DCAD BIM
自動数量算出 不可 可能
属性情報の付与 不可(デザイン表現のみ可能) 可能
修正しやすさ 1から修正 自動修正

3DCADのおすすめ有料ソフト一覧

3DCADの導入を検討している方向けに、おすすめの有料ソフトを5製品まとめました。
機能や使いやすさの情報を整理しているので、ソフトウェア導入の参考にしてみてください。

AutoCAD Plus

有料ソフト「AutoCAD Plus」
出典:Autodesk公式サイト

AutoCAD Plusは、機械・建築・土木・エンジニアリング向けの業界特化ツールが導入された3DCADです。3Dモデルの作成に欠かせないソリッド・サーフェス・メッシュオブジェクトを作成できるのはもちろん、作成した3Dモデルの集計表を自動化できます。

また、AutoCAD PlusはWebを通じて利用できるSaaSサービスとしての側面があるのも魅力です。インターネット環境さえあれば、パソコン・スマホで気軽に3DCADにアクセスできます。

実践的に学べるAutoCAD講習 セミナー/講座/研修

SOLIDWORKS

有料ソフト「SOLIDWORKS」
出典:Dassault Systèmes公式サイト

SOLIDWORKSは、機械設計・製造設計に特化した作図機能が搭載された3DCADです。
図面作成機能はもちろん、コスト見積もりの自動生成、3Dモデルの動作シミュレーションを実施できます。

また、設計業務の強度確認にかかせない設計解析機能を利用できるのが魅力です。
造形したデータが現実でも耐えられるのか、コンピューター上で即座に確認できます。

実践的に学べるSOLIDWORKS講習 セミナー/講座/研修

Vectorworks

有料ソフト「Vectorworks」
出典:A&A公式サイト

Vectorworksは、2DCAD・3DCAD・BIMの機能がすべて備わっているソフトウェアです。
業種別にプランが分けられており、建築向け、土木・造園向け、エンタメ向けの機能の使い分けを実施できます。

また、すべての機能がまとまったプランが提供されているのも魅力のひとつです。
将来的にBIMソフトの導入を検討しているのなら、3DCADとしても利用できるVectorworksの導入をおすすめします。

IRONCAD

有料ソフト「IRONCAD」
出典:株式会社クリエイティブマシン公式サイト

IRONCADは、機械設計や造形設計として装置や治具の作成を得意とする3DCADです。
主に直線形状の多いFA(ファクトリー・オートメーション)設計に優れており、搭載ツールを使って、素早く形状を変更できます。

また、IRONCADで提供されているカタログを使い、手軽に既定のブロックを呼び起こせるのが3DCADとしての魅力です。規格の決まった製品制作を効率化でき、設備機械や治具のスケッチを不要とします。

iCAD SX

有料ソフト「iCAD SX」
出典:富士通株式会社公式サイト

iCAD SXは、機械や生産設備を3次元として作成できる3DCADです。
国内企業として有名な富士通株式会社が提供しており、構造効率化やスマートファクトリーの実現のために豊富な設計機能が搭載されています。

生産工程を3DCADで作成することによって、設備の干渉問題を未然に防止できます。
設計の手戻りを減らしつつ、効率的に動作する設備を構成できるため、図面作成工程のDX化を目指している方におすすめの3DCADです。

3DCADのおすすめフリーソフト一覧

高性能な3DCADは業務効率化に役立つ便利なソフトウェアですが、有料版を導入する予算を捻出できないとお悩みの方も多いでしょう。それなら、フリーソフトとして使える3DCADの導入を検討してみるのはいかがでしょうか。

参考として、手軽に導入できる3DCADのフリーソフトを表にまとめました。

フリーソフトの名称 提供元 無償利用の条件
Fusion360 Autodesk 個人利用のみ
SketchUp Free Trimble なし
FreeCAD オープンソース なし
Onshape PTC 個人利用のみ
Creo Elements DirectModeling Express PTC 主に学生向け
RS Design Spark Mechanical Ansys 機能制限あり

3DCADのフリーソフトについてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事がおすすめです。
各種フリーソフトの概要説明はもちろん、業種別のおすすめ3DCADを紹介しています。

https://smart-factory-kenkyujo.com/3dcad-free/

3DCADを導入するメリット

3DCADのメリット

2DCAD・3DCAD・BIMといったソフトウェアがある中で、3DCADを導入してよいのか気になっている方も多いはずです。

参考として、3DCAD導入のメリットを2つ整理しました。
業務効率化に役立つポイントですので、ぜひ参考にしてみてください。

2DCADで発生しやすい整合性のズレを防止できる

2DCADで図面を作成した場合、図面ひとつずつに寸法を旗揚げするほか、形状や配置のチェックが必要です。一方で3DCADなら、図面を分けずにひとつの3Dモデルを作成するため、整合性チェックの負担を削減できます。

図面の作り直しといったリスク発生を未然に防止できるため、ぜひ3DCADを導入してみてください。

干渉チェックに役立つ

2DCADで図面を作成した場合、建物や設備、製品が完成するまで部品同士が干渉していることに気が付かないことが多々ありました。一方、3DCADなら、図面作成と同時進行で干渉チェックできるのがメリットです。

360°好きな角度から3Dモデルを確認できるため、干渉した部位があれば、その場ですぐに気付けます。また、干渉チェック機能を搭載したソフトも提供されているため、ケアレスミスの少ない設計検討が可能です。

3DCADに関するよくある質問

3DCADについてよくある質問をまとめました。

3DCGと3DCADの違いは何?
3DCADは設計図面作成に用いる言葉ですが、3DCGは主にアニメーションやゲームのキャラクターを作成することに用いられています。それぞれ作成するソフトが異なっており、データ変換できないことがほとんどです。
3DCADは何に使われているの?
3DCADは、主に機械設備・建築物・構造物・製品の設計検討で用いられています。
3Dとしてモデルを作成できるため干渉チェックや整合性チェックがやりやすいのが魅力です。また、作成した3Dデータをそのまま3Dプリンターで出力する場合もあります。
建築向けのCADは3DCADならどれでもいいの?
建築向けの3DCADを探しているのなら「AutoCAD Plus」「Vectorworks」がおすすめです。3DCADには機械設備向けの機能だけを搭載したもの、生産設備設計に特化した物があるなど、建築向けではないソフトウェアも多数提供されています。

3DCADのおすすめソフトについてまとめ

図面の整合性チェックや干渉チェックの負担を減らしたいのなら、3DCADの導入がおすすめです。また、最終的な納品物として3Dデータを求められている場合には、3DCADが必要不可欠だといえます。

もし3DCADを導入してソフトの操作を学びたいのなら、セミナーに参加してみるのはいかがでしょうか。無料のオンラインセミナーも見つかるので、ぜひ気になるセミナーを見つけてみてください。

3DCADのアイキャッチ
最新情報をチェックしよう!