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【2024】おすすめCAEソフト5選!選び方・活用するメリットを解説。

コンピューターにおける技術の飛躍的な発展により製造業の機械設計などは開発スピードを格段に上げることができ、無駄なコストを削減した業務の効率化が実現しました。この背景には、開発や設計段階で何度もシュミレーションを行うことで高品質な機器の設計が可能になります。

こうした開発におけるシュミレーションのプロセスをコンピューター上で行うのが「CAE」です。しかし、CAEソフトには種類があり、最適に使用するためには自社の製品にあったソフトを選択する必要があります。

そこで本記事では、CAEソフトを導入するメリットやおすすめCAEソフト、選び方について詳しく解説します。

CAEとは?

CAE(Computer Aided Engineering)とは、物体の形状や構造を分析し設計段階で製品に問題がないかを解析するシステムです。

これまでは設計・開発した製品を実際に作るまでどのような製品が完成するのかわからず、設計段階で部品の強度などを把握することは非常に困難でした。また、製品が完成しても欠陥が見つかればこれまでの工程を1からやり直すことになります。
これには膨大な時間がかかる上に欠陥品はゴミとなるため、環境にも悪影響でした。

しかし、近年はコンピューター技術の発展によりCAEを導入することで、どのような製品が出来上がるのかを事前に把握することができます。そのため、開発にかかるあらゆるコストを削減し、高品質な製品を完成させることが可能になります。

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CAD・CAMとの違い

よく混同されるCAD・CAM・CAEですが、主な違いは下の表を参照ください。

利用目的 特徴
CAE シュミレーションや解析を行うツール 物理現象や不可視現象を可視化・把握し、設計の検証ができる
CAD 設計や製図を行うツール 2次元の平面図を作成する2D CAD、立体像のモデリングで曲面や複雑な形状も可視化できる3D CADがある
CAM 工作機械に用いるプログラムの作成ツール CADで作成した図面を基に、工作機械での加工に必要なNC(数値制御)プログラムなどを作成する

CAD・CAM・CAEの大きな違いは「利用目的」です。上の表を見てわかる通りそれぞれで用途は異なりますが、CAD・CAM・CAEを上手く活用することで、製品の精度を最大限まで向上させることができます。

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CAEソフトを導入するメリット

CAEソフトを導入するメリット

ここからはCAEソフトを導入することで得られるメリット下記3つを詳しく解説します。

  • コスト削減
  • 開発期間の短縮
  • 環境保全に役立つ

コスト削減

CAEソフトを導入することで、製品が完成するまでのあらゆるコストを削減できます。

これまでの製品は完成して試作品を制作して実験を繰り返すという工程でした。しかし、実験の中で不具合・欠陥が見つかった場合は1から工程をやり直します。これには無駄な労働時間、人件費などのコストが発生します。また、試作した製品もゴミとなれば材料費も更にかかります。

これらのコストはCAEソフトを導入することで試作品を制作せずともシュミレーションが可能なため、コストを最小限に抑えることが可能です。早い段階での問題発見に加えて、高品質な製品の設計・開発が可能です。

開発期間の短縮

これまで製品を製造する際は一度製品を完成させ、試作・実験を繰り返す必要がありました。しかし、CAEソフトを導入することでコンピューター上でシュミレーションが可能になるため、開発期間の短縮が可能です。

また、開発期間の短縮は競合他社との差別化を図ることも可能になります。

環境保全に役立つ

これまでは試作品を完成させ実験を行い、問題が発生すれば試作品を廃棄するため多くの材料コストがかかるだけでなく環境に悪影響です。現代では、SDGsなど世界で環境を保護する取り組みが広がっており、環境への配慮ができていない企業は決してイメージが良いとは言えません。

CAEであれば、製品を完成させなくてもコンピューター上でシュミレーションができるため環境負荷を最小限に抑えることが可能です。

CAEの解析手法

CAEの解析手法

CAEソフトを選ぶ際には解析手法が主なポイントとなります。本記事ではCAEの解析手法について下記5つを解説します。

  • 熱伝導解析
  • 構造解析
  • 機構解析
  • 流体解析
  • 樹脂流動解析

熱伝導解析

物体に熱が加わった時の変化を解析する手法です。物体の内部や部品へどのように熱が伝導しているのか、熱の耐性などを解析することができます。また、熱伝導解析の種類は「定常熱伝導解析」と「非定常熱伝導解析」となっています。

定常熱伝導解析は時間経過による熱の温度変化がないことを仮定するため、解析は1回のみです。一方で非定常熱伝導解析は、時間経過によって温度変化することを前提にしているため、解析に時間がかかるでしょう。

構造解析

製品に荷重がかかることで、物体全体や部品ごとに変形や応力がどのように変化するのかを解析できます。設計の段階で製品がどのくらいの重さに耐えれるのかなどを解析することができるため完成後のリスクを大幅に削減することが可能です。

機構解析

機構解析は部品同士がどのように干渉しているのかを解析することができます。物体内部の機構を運動方程式を用いて予測・評価し、主にロボットなどの業界で活用される解析手法です。

流体解析

製造業などで使用される流体解析は空気や熱・水などがどのように移動していくのかを解析できます。
例えば、飛行機や自動車などは走行中に空気抵抗を受けますが、この空気の流れを解析することで走行時に空気抵抗を減少するボディの製作が可能になります。

樹脂流動解析

樹脂流動解析は外観からは確認が難しい射出成形機から金型内に流れる樹脂の流れ方や圧力などを数値化し、成型時に問題が発生しないか解析します。解析導入の中では解析ソフトが高価であり、扱えるエンジニアも少ないのが特徴です。

おすすめCAEソフト5選

おすすめCAEソフト5選

ここからはおすすめのCAEソフトを5つ紹介します。

特徴 価格
Fusion 360 個人利用や非商用、一部の条件を満たしたスタートアップ企業は無料で利用可能 月額費用:8,800円~
初期費用:要問い合わせ
ANSYS Mechanical Pro さまざまな解析手法を実装したAnsys Mechanicalのエントリーモデル 要問い合わせ
PHOTO-THERMO 有限要素法による2次元・軸対称及び3次元熱伝導解析ツールに加えて非線形解析、動磁場解析・電場解析などとの連成解析 要問い合わせ
Ansys Fluent Ansys Fluentは比較的簡単な条件設定だけで解析できるため専門的な知識は不要 要問い合わせ
RecurDyn アニメーションやグラフで視覚的に解析を把握することが可能 要問い合わせ

Fusion 360

Fusion 360

引用:AUTODESK

オートデスク株式会社が提供する「Fusion 360」はあらゆる3Dモデルを設計することができるクラウド型の3DCAEソフトです。実際に製品が完成した際の耐久性や安全性などをシュミレーションできます。

ANSYS Mechanical Pro

ANSYS Mechanical Pro

引用:Ansys

アンシス・ジャパン株式会社が提供する「ANSYS Mechanical Pro」は応力、伝熱、振動、構造解析といったさまざまな解析を実行・実装したAnsys Mechanicalのエントリーモデルです。

PHOTO-THERMO

PHOTO-THERMO

引用:株式会社フォトン

株式会社フォトンが提供する「PHOTO-THERMO」は有限要素法による2次元・軸対称及び3次元熱伝導解析ツールに加えて非線形解析、動磁場解析・電場解析などとの連成解析が特徴です。

Ansys Fluent

Ansys Fluent

引用:Ansys

Ansys Fluentは株式会社計算力学研究センターが提供しており、流体解析がメインのソフトウェアです。流体解析はハードルが高いと思われがちですが、Ansys Fluentは比較的簡単な条件設定だけで解析できるため専門的な知識は不要です。

RecurDyn

RecurDyn

引用:FunctionBay K.K.

RecurDynはファンクションベイ株式会社が提供する機構解析(運動解析)ソフトウェアです。機構解析に様々な機能が搭載されており、アニメーションやグラフで視覚的に解析を把握することができます。

CAEソフトの選び方

CAEソフトの選び方

CAEのソフトを選ぶ際には下記3つのポイントを重視して選びましょう。

  • どのような解析手法に対応しているのか
  • 買取かレンタルか
  • 実績はあるのか

どのような解析手法に対応しているのか

CAEソフトは解析する項目の得意・不得意があり、自社が求めている解析手法かを見極める必要があります。例えば、流動解析を行いたいのに、人気のソフトだからといって熱伝導解析に強いソフトを選んでも解析ができない、解析はできるが思ったような結果が出ない可能性が高いでしょう。

CAEソフトを導入する際は事前に自社がどのような解析手法が欲しいのかを明確にしておきましょう。

買取かレンタルか

CAEソフトウェアは買取かレンタルかで選ぶ必要があり、高価なものであるため慎重に検討しなければいけません。買取とレンタルの料金体系は以下の通りです。

買取 ソフトウェア買取価格+年間保守費用(保守費用は買取価格の25%が相場)
レンタル 買取価格の30%〜50%/年

一概にどちらが良いとは言えませんが、長期的に使用する場合は買取の方がお得ではあります。しかし、レンタルに比べて初期投資が大きく、買取をしてしまうと自社に合わないソフトの場合は無駄なお金が発生します。

買取かレンタルかは自社の利用期間を目安に選ぶと良いでしょう。

実績はあるのか

CAEソフトは実績の有無で選択するのも1つです。実績はないが「値段が安い」という理由からCAEソフトを購入して使いづらいということもあります。また、故障やトラブルがおきたい際のサポートが不十分ということもあります。

実績はあくまでも選択する際のポイントの1つですが、重要な要素であり金額や性能だけで選ばないようにしましょう。

費用対効果の高いCAEソフトを選ぼう

費用対効果の高いCAEソフトを選ぼう

本記事ではおすすめのCAEソフト・選び方など詳しく解説しました。CAEソフトはコスト削減、環境保護にも効果があり予算に余裕があり、運用ができるのであれば導入をおすすめします。

また、CAEソフトを選ぶ際はそれぞれに得意な解析手法があるため、自社が求めている解析手法に強いソフトを選びましょう。

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