3DCADを使った職種として、CADオペレーターがあります。CADオペレーターは、ものづくりの世界では高い需要があります。
ここでは3DCADのオペレーターがどのような業界で活躍できるのか、具体的な仕事内容について詳しく見ていきます。
3DCADオペレーターの基本的な仕事内容
CADオペレーターの役割は、設計者やデザイナーの指示を受けてCADにて図面を作成することです。このように言われるとアシスタント的な立場で仕事をするイメージがあるかもしれません。しかし中にはCADオペレーターが自分で設計やデザインを考えて、CADにて制作する案件も見られます。こちらはかつての製図工やドラフターのような職種です。
3DCADについては下記記事で詳しく解説しています。
3DCADを使った仕事の特徴やメリット
引用：AUTODESK
3DCADを使ったオペレーターの仕事ですが、主に設計やデザインの分野になります。3DCADを使って図面を作成する作業がメインとなるでしょう。
ここではもっと3DCADオペレーターの仕事についてやメリットについて解説していきます。
2DCADと3DCADの違い
| CADの種類 | 特徴 |
| 2DCAD |
|
| 3DCAD |
|
CADには2Dと3Dの2種類があります。2DCADの場合、正面図や平面図、側面図などを2次元で製図するソフトなどを指します。投影することで立体感を出して設計やデザインのイメージを具現化します。平面での表現となるので、単体では形状などをうまく伝えられないかもしれません。そこで複数の図面を作成して、読み手に正しく仕上がりをイメージさせる必要があります。
一方3DCADの場合、バーチャルの3D空間で設計やデザインを立体的に表現できるのが2DCADとの大きな違いです。読み手は自由な視点から、モデルを確認できます。読み手の能力は関係なく、仕上がりのイメージを正しく共有できるわけです。日本ではまだ2D図面を用いるケースが多いです。一方で3DCADの需要も高まりつつある状況です。
多岐にわたる分野で活躍できる
3DCADを使った仕事は、いろいろな業界で活躍できる可能性があります。ざっと見ても建築や土木、インテリア、自動車、航空、福祉の世界で活躍できるでしょう。もし3DCADオペレーターとして活躍したければ、どの分野でキャリアアップしたいのかまずは決めておくといいでしょう。CADソフトやクラウドサービスも普及しているので、リモートや在宅勤務で活躍しているオペレーターも少なくありません。また経験を積んだら、フリーランスとして複数のクライアントから案件を受注して勤務するスタイルもあります。
未経験者でも挑戦できる？
3DCADオペレーターの仕事ですが、未経験者でいきなり採用されるのは難しいでしょう。まずは2DCADオペレーターとして仕事について、CADソフトを使いこなせるほどのキャリアを身につけましょう。2DCADに慣れたら、3DCADの勉強を進めていくのがおすすめです。また業界ごとの専門知識もマスターしておく必要があります。専門性の高い知識やスキルも要求されるので、CADだけでなく自分が進出したい業界のことも勉強しておきましょう。
3DCADの仕事内容
引用：AUTODESK
3DCADオペレーターは、さまざまな業界で活躍できる可能性があります。ここでは3DCADオペレーターの具体的な仕事内容について紹介しますので、自分はどんな業務を行うのか参考にしてください。
製図作業
3DCADオペレーターのメインの仕事と思ってください。CADソフトを使って製図します。設計者やデザイナーがおおよそのイメージをラフ図のような形で作成します。ラフ図をトレースして、コンピューターでより具体的かつ正確に描き写すわけです。3DCADオペレーターの作成した図面を使って、現場スタッフが製造していきます。ちょっとしたミスでも製品の欠陥などにつながりかねないので、正確に図面を作成する精密さが要求されます。CADソフトを使いこなすほかにも、高い集中力や忍耐力の求められる職種だと思ってください。
修正・変更作業
3DCADオペレーターの中には、設計者やデザイナーを兼務するケースも少なくありません。この場合、提出した製図に問題があって修正や変更を求められることもあるでしょう。指示に従って原図を修正して、製図データを完成させます。一回の提出で納品できずに、細かな修正を何度も繰り返すこともあり得ます。
また設計のブラッシュアップ作業を求められることもあります。そのたびに製図データを修正しなければなりません。また修正指示は1か所だけでも、そこを変えるとほかのデータも狂うことも珍しくありません。結果的に1か所を変更するために、全体的を修正しなければならない場合も出てきます。
データ管理
製図データの管理も、3DCADオペレーターの仕事内容の一つです。現在はソフトなどを使って制作するので、データは簡単に保管できます。もしデータ保管を怠ると、その製図を再度使用する際に、全く同じ図面を最初から作り直さなければならなくなります
保存先はコンピューターやサーバー、近年ではクラウドを活用する場合もあります。保管場所がわかっていれば、オペレーター以外の現場スタッフも直接アクセスして製図を確認できます。
その他の仕事を任される場合も
小さなオフィスの場合、CADオペレーター以外の仕事を任されることもあります。具体的には、先方に提出する見積書の作成や顧客データの管理などの事務作業を任される場合もあります。顧客との打ち合わせに参加したり、製図に関する説明をしたりする場合もあります。一般事務の業務を任される場合もあるので、パソコンスキルやコミュニケーションスキルが求められるかもしれません。求人に応募する際には、自分の役割がどこからどこまでかを、募集要項でしっかり確認しておきましょう。
3DCADオペレーターに求められる能力
引用：ptc
他の職種同様、3DCADオペレーターも人によって向き・不向きがあります。これから3DCADオペレーターとしてキャリアを積んでいきたいと思っているのであれば、以下のスキルを有しているかチェックしておきましょう。
地道な作業が得意
3DCADオペレーターの仕事は、基本的にパソコンに向かってコツコツ取り組むものです。試行錯誤を繰り返しながら、製図をブラッシュアップしていく仕事なので、一つのことに集中して取り組むことのできる人が向いています。逆に常に新しい作業をしていたい、飽きっぽい性格の人には向いていないかもしれません。一日中パソコンにずっと向かって格闘することも多いので、辛抱強い人の方が向いています。
コミュニケーションスキル
一日中パソコンの画面に向かっている仕事なので、コミュニケーション能力はあまり必要ないのではないかと思っている人もいるでしょう。しかし実際のところ、コミュニケーションスキルは、3DCADオペレーターとして働くためには欠かせないスキルと考えてください。たとえば設計者のアシスタントとして、ラフ図を製図していく作業があります。このとき設計者の意図や完成したときのイメージが共有できていなければなりません。そのためには打ち合わせを繰り返して、イメージをすり合わせなければなりません。もし作業途中でわからないことがあれば、細かなことでも設計者に確認を取る必要があります。相手の答えを聞き、どう製図に反映させるかというコミュニケーション能力が求められるでしょう。
向上心
CADソフトそのものではなく、設計やデザインに関して興味を持っている人の方が活躍できるでしょう。CADソフトはあくまでも設計やデザインを進めるための手段にすぎません。設計やデザインに関する新しい技術をマスターし、専門知識を学習する意欲がないとキャリアアップするのは難しくなります。設計やデザインに興味を持ち、自主的に学習できれば、3DCADオペレーターだけでなく、将来的には設計者やデザイナーとしてキャリアアップの芽も出てきます。
CADオペレーターのキャリアアップとして、「BIM」へキャリアチェンジする人も増えてきています。BIMとは「Building Information Modeling」の頭文字をとったものです。コンピューター上で建物の3次元モデルを構築するツールです。幅・奥行き・高さのほかにも使用する素材や単価、肯定などいろいろな情報を入力できます。設計だけでなく、施工までワンストップで対応できるので需要が高まっています。向上心を持っていれば、BIMオペレーターへのキャリアアップを目指すのもいいでしょう。
使える3DCADソフトの幅広さ
3DCADオペレーターと言っても、会社によって使っているソフトが違います。
3DCAD系の仕事に就きたいと思ったら、ある程度有名なソフトは一通り使っておくと良いでしょう。
有名なソフトにはAutodesk FusionやSOLIDWORKSなどがありますが、その他のソフトについてはこちらの記事でも紹介しています。
面接時でも、色んな3DCADソフトが使えるとアピールできるのでおすすめです。
3DCADの仕事についてまとめ
引用：ptc
3DCADオペレーターは、CADソフトを使って立体的に設計図やデザインをまとめていくのが主な役割です。パソコンの画面に向かって地味ではありますが、コツコツと忍耐強く試行錯誤を繰り返し、形にしていく力が求められます。より具体的に完成形がイメージできるので、今後は2DCADよりも3DCADに対する需要が高まってくるとみられています。
ぜひこの機会に3DCADの仕事について、設計や製品開発にチャレンジしてみてください。
