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【2024】3Dプリンターのフィラメント5選!特徴の比較や選び方

3Dプリンターに興味を持っているけれど、知識がなくて何から始めればいいかが分からないという人もいるのではないでしょうか。

そこで今回は「3Dプリンターフィラメントとは何か」という話や「フィラメントの選び方」、「フィラメントを3Dプリンターで使用する手順」などを紹介していきます。

3Dプリンターのフィラメントとは

3Dプリンターのフィラメントとは

3Dプリンターフィラメントを使うためには、その基礎知識を知っておくのが大切だと考えられます。初めて3Dプリンターフィラメントという言葉を見聞きしたという人は、「そもそも3Dプリンターフィラメントとは何か」という部分を理解するところから始めましょう。

3Dプリンターの基本についてはこちらで解説しています。

【2023】3Dプリンターとは?できることや使い方・おすすめ3Dプリンター

そもそも3Dプリンターフィラメントとは何を指す言葉か

3Dプリンターのフィラメントは、3Dプリンターで使われるプラスチック素材を指す言葉です。フィラメントと呼ばれるプラスチック素材を溶かした後、何層にも積み重ねていくことで立体的な物体を作り上げるのが3Dプリンターの仕組みになります。通常のプリンターで「インク」と言われている部分が、3Dプリンターの「フィラメント」に該当します。フィラメントには様々な種類があります。フィラメントごとに特性は異なってくるため、用途やシチュエーションに応じたフィラメント選びが重要になってくるでしょう。

フィラメントの主な特徴

フィラメントは合成樹脂の中の「熱可塑性樹脂」と呼ばれるもので作られています。そのため加熱することでフィラメントは柔らかくなっていくでしょう。フィラメントを固めたい場合は、冷やすことで固まっていきます。フィラメントは一度冷やすと二度と柔らかくできないというものではありません。再加熱を行うことで再び柔らかくなるという特徴を持っています。一度失敗しても再加熱によって柔らかくできるため、物を作り直したい人には魅力的な物質だと言えます。

3Dプリンターのフィラメント5選!

フィラメントとは何かが分かっていても、どんなものがあるかが分からなければ選べないでしょう。それぞれに特徴があるので、フィラメントごとの性質を覚えておくのが大切です。

フィラメントの素材名 原料 特徴
PLAフィラメント 農作物 エコなフィラメント
ABSフィラメント アクリロニトリル
ブタジエン
ポリスチレン
比較的安め
ASAフィラメント アクリルゴム
スチレン
アクリロニトリル
紫外線に対する耐久度や天候の変化による耐久度が優れている
PETGフィラメント ペットボトルの材料 耐熱性や衛生面も良い
PCフィラメント 一酸化炭素
塩素
耐衝撃性や耐熱性が高い

PLAフィラメント

「PLAフィラメント」は植物由来の素材であるため、地球環境に優しい素材と言われています。このフィラメントは様々な3Dプリンターに対応していて、使用用途も広いのが特徴です。扱いやすいという魅力も持っているため、「PLAフィラメント」は初心者の入門編として紹介されることもあるでしょう。「表面が硬く、丈夫な素材」というのも、このフィラメントの良いポイントです。この表面の硬さと頑丈な性質があることで、作り上げたものに傷が付きにくいというメリットも得られます。

ABSフィラメント

「ABSフィラメント」は強度が高く、耐久性に優れているのが特徴の素材です。衝撃に対する耐性が高いだけでなく、耐熱性や耐摩耗性の部分でも優れた能力を持っています。そのため耐久性に特化した製品を生み出したいときに活用されるケースが多いでしょう。印刷するときには高温が必要になってくるので、高温を出せる環境が求められます。「ABSフィラメント」は縮みやすく、反りやすいという側面を持っているので、それを考慮した成形が重要になるかもしれません。

ASAフィラメント

「ASAフィラメント」は紫外線に対する耐久度や天候の変化による耐久度が優れている素材だと言えます。この特徴から屋外で使われることの多いフィラメントです。ABSフィラメントに似た耐久性と強度を持っている素材ですが、さらに反りが少ないという利点も持っています。ABSフィラメントの反りやすさで悩んでいる場合は、「ASAフィラメント」を使ってみると良いでしょう。

PETGフィラメント

「PETGフィラメント」は強度が高く、耐水性にも優れているのが魅力の素材です。汎用性が高いフィラメントであるため、様々な分野で利用されています。例えば食品の容器を作るのに使われることもあれば、医療器具を作るのに活用されるケースもあります。印刷したときの反りや伸び縮みが少ないので、プリントが行いやすいでしょう。印刷速度は遅い傾向にあるので、高速印刷を求めている人は別のフィラメントを探した方がいいかもしれません。

PCフィラメント

「PCフィラメント」は耐衝撃性や耐熱性が高い素材です。高温の場所で利用するような製品を作り上げたい場合には、「PCフィラメント」が役立ちます。透明性が高いのも、このフィラメントの魅力的なポイントだと言えます。透明性が高いことで光沢のある製品を生み出しやすいでしょう。頑丈なだけでなく見た目の美しさも重視したい場合に好まれやすいフィラメントだと考えられます。

3Dプリンターのフィラメントの選び方

3Dプリンターのフィラメントの選び方

フィラメントに関する知識を深めたら、次は実際にフィラメントを選ぶ作業に入る人が多いでしょう。しかし、初心者はどんな選び方が良いのかが分からないケースも多いです。選ぶときのポイントを知っておけば、フィラメントを選ぶときに悩みにくくなるかもしれません。

ブランドを重視する必要はない

フィラメントは様々な企業が開発や販売に注力しています。例えばPLAフィラメントを探しているときには「A社が開発している製品」と「B社の開発している製品」が売り出されている場合があります。「3DプリンターはA社のものを買っているから、絶対にA社のフィラメントを選ばなければならない」という決まりはありません。ブランドを重視するのではなく、どちらのPLAフィラメントが「自分の作りたい製品に適しているか」を意識しておくのが大切だと言えます。

複数のフィラメントを使ってみる

それぞれのフィラメントの性質を知っていたとしても、実際に使ってみなければ使い心地は分かりにくいでしょう。複数のフィラメントを実際に使うことで、「どのフィラメントが自分の作りたい製品に合うのか」が分かりやすくなるという利点もあります。複数のフィラメントを持っておけば、生み出したい製品の方向性が変わった場合にも柔軟に対応できるというメリットも得られます。複数のフィラメントを使う場合には3Dプリンターの選び方も重要になります。「Raise3D」と呼ばれる3Dプリンターであれば様々なフィラメントを使用できます。使用用途が広い人は、「Raise3D」の購入を検討しておくのが良いでしょう。

フィラメントを3Dプリンターに使う手順

フィラメントや3Dプリンターを購入する前にフィラメントと3Dプリンターの使い方を学んでおきましょう。事前に知っておくことで実際に使うときに落ち着いて作業を進められます。

3Dプリンターの使用に必要なものを用意する

まずは3Dプリンターに必要なものを用意するところからです。「3Dプリンター」や「フィラメント」が必要なものであることは、既に理解しているでしょう。それ以外には「パソコン」、「3Dデータ」、「3DCADソフト」、「スライサーソフト」といったものが必須になります。

3Dデータの作成を行う

3Dプリンターで製品を作り出すには、3Dデータを使う必要があります。「データを何もない状態から作成するか」、「既存のデータをダウンロードするか」を選択してデータ作成を進めていきます。自作したい場合は初期状態からデータ作成を行うのが良いでしょう。初心者の場合は自作は難易度が高いので、既存のデータをダウンロードする方法を選ぶ方が良いと考えられます。

データの変換を行おう

3Dデータを作成したら、スライサーソフトを使って3Dプリンターが認識できるようなコードへと変換していきます。これによってスライスデータが作成されるので、そのスライスデータをUSBメモリーに保存します。そのUSBメモリーを3Dプリンターに挿し込んでデータを読み込ませます。

フィラメントをセッティングしよう

ここまで準備を済ませたら、フィラメントをセッティングする作業に入ります。フィラメントを3Dプリンターにセットして、エクストルーダーの中へと押し込みます。セッティングは、これで終了ではありません。次にノズルとプラットフォームの距離を調節します。この距離は近すぎても遠すぎても造形が上手くいかないので、丁寧に調節しておきましょう。傾きの調節もセッティングにおける重要なポイントです。例えば造形スペースでプラットフォームの傾きが見られる場合は水平調整も行っておく方が良いと言えます。

仕上げの作業

3Dプリンターが働いている間は特別な作業はありません。直接見るか、遠隔で状態をチェックしながらプリントの完了を待ちます。3Dプリントが終わったら、仕上げの作業を行います。仕上げ作業は除去作業と表面加工の2つです。除去作業は形状保持のためのサポート材を除去する工程を指します。手や工具で除去するのが基本ですが、専用の溶解液を使うこともあります。表面加工とは着色やコーティングを行う工程です。製品の完成度を上げるために色を付ける作業を行います。コーティングを行って強度を高める場合もあるでしょう。これらの作業が終われば製品は完成です。

3Dプリンター自体の詳しい使い方はこちらで解説しています。

【2023】3Dプリンターの使い方と高度なテクニック!3Dプリンターの種類や特徴も解説

3Dプリンターのフィラメントについてまとめ

フィラメントは種類が多く、それぞれに持っている特徴が異なります。まずは複数のフィラメントを実際に使ってみるのが良いと考えられます。複数のフィラメントを使いたい場合はRaise3Dの購入も検討しておきましょう。最初は簡単なものから作るのが良いかもしれません。慣れてきたら、高度な造形にも挑戦してみましょう。

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