DX推進に取り組む企業が増えていて、話題に上がるOpen AIが公開しているAPIをビジネスに活用できないのだろうか…と考えていませんか?
今回はOpen AIについて詳しく解説します。
この記事を読めば、Open AIがどのような機関なのかを理解できて、公開されているAPIを上手く活用できるようになるため参考にしてみてください。
Open AIとは

Open AIとは米国のサンフランシスコを拠点に持つAI(人工知能)に関する非営利研究機関です。
2015年12月にイーロン・マスク氏やサム・アルトマン氏が設立しました。
同年3月には営利目的のAI開発会社であるOpenAI LPを設立しました。
2018年3月に2人の代表者の確執が表面化し、イーロン・マスク氏がOpenAIの取締役を辞任しています。
同社はテキストや画像、音声を生み出すジェネレーティブAIを研究・開発しており、高性能な言語モデル「GPT-N」を誕生させました。
2022年11月に公開したChatGPT、2023年3月に公開したChatGPT-4により、世界的な注目を浴びており企業価値は4兆円にもなります。
Open AIが注目される理由
Open AIが注目される理由は3つあります。
世界の有力者が研究をしているため
OpenAIは、Tesla Motors社のCEOであるイーロン・マスク氏とY Combinator社のプレジデントを務めるサム・アルトマン氏によって設立された機関です。
代表者も優れた人ばかりですが、世界の有力者が研究者として参画しています。
例えば、AI研究にはGoogleのBrain Teakでキーメンバーを務めたイリヤ・サツキーバー氏、Stripe社の元CTOのグレッグ・ブロークマン氏が参画しています。
世界の有力者が集結した研究機関のため大きな注目を集めました。
AI(人工知能)のオープンソースを提供しているため
OpenAIは非営利研究機関のため、AI(人工知能)のソフトウェアソースコードを無償で提供しています。資金不足や人材不足でAIを開発できなかった人にオープンソースを提供しています。
つまり、ChatGPTやEmbeddings、WhisperなどのOpen AI APIを活用して、高品質なサービスを開発することが可能です。
またAI(人工知能)の精度を上げるための機会学習を研究するプラットフォーム「OpenAI Gym」などを公開しています。このように、AI(人工知能)のオープンソースを提供しているため、あらゆる人から注目を集めています。
Microsoft社がOpenAIに約1.3兆円投資したため
Microsoft社はOpenAIに何度も投資をしています。
2019年にOpenAIが非営利団体から制限付きの営利団体になった直後、Microsoft社はOpenAIと提携したと同時に10億ドル(1,100億円)の投資を行いました。
Microsoft社は検索エンジンのBingにChatGPTやDALL-E2を組み込むことで、検索エンジンのシェア率を奪う計画を考えており、2023年にOpenAIに100億ドルを投資しました。
Microsoft社がOpen AI社に投資をしていることからも注目を集めています。
Open AIが公開するAPI
モデル | 特徴 | 利用用途 |
ChatGPT | 自然言語やコードの理解 |
|
Embeddings | テキストを数値形式に変換 |
|
DALL | プロンプトから画像を生成 |
|
Whisper | 音声をテキストに変換 |
|
Moderation | センシティブなテキストを検出 |
|
OpenAIはAPIを公開しています。APIとはソフトウェアやプログラム、Webサービス間をつなぐインターフェースです。つまり、Open AIと自社サービスをAPI連携させれば、画期的なサービスを開発できます。ここでは、APIで連携できる5種類のモデルについて解説します。
ChatGPT
ChatGPTは自然言語を理解、生成できるモデルです。
人間のように自然な対話ができ、回答精度の高さが話題で利用者が増加しています。
複雑な語彙・表現が理解できると評判です。モデル改良され続けており、2023年2月にChatGPT-3.5、翌月2023年3月にはChatGPT-4が開発されました。
Embeddings
Embeddingsは、テキストを数値形式に変換できるモデルです。
コンピュータが処理できるように数値形式に変換したいときに使います。Embeddingsは、テキスト分析や感情分析、文書分類などに活用されています。
DALL-E
DALL-Eは、入力した言語から画像を生成できるモデルです。
難しい要望をリクエストでき、クリエイティブの高い画像が生成できます。プロンプトから新規の画像を生成するだけでなく、既存の画像を編集したり、ラフ画をブラッシュアップしてくれたりします。
Whisper
Whisperは音声をテキストに変換するモデルです。会議の議事録などができます。
音声の大規模データセットを学習しており、日本語や英語、中国語の識別ができ、複数の言語を活用する会議の議事録にも利用できます。
また、リアルタイム翻訳などにも利用されることが多いです。
Moderation
Moderationとは、センシティブなテキストを検出するモデルです。サイト運営ポリシーに反しているテキストが掲載されているか判断してもらえます。
今後、Moderationを活用したサイトやアプリが増えるのではと予測されています。
Open AI APIの使い方
Open AI APIの使い方は以下の通りです。
1.Open AIの公式サイトにアクセスして、名前と誕生日を入力して「Continue」を押す

2.電話番号を入力して「Send code」を押す

3.スマートフォンに送られてきたコードを入力する

4.内容を読んで「Continue」を押す

5.プライバシーポリシーに同意して「Connect with Google account」を押す

6.Open AI APIのサイトにアクセスする

7.「Vier API keys」を押す

8.「+Create new secret key」を押す

9.「Create secret key」を押す

10.APIキーを取得する

11.PyhtonやGoogle Apps ScriptでAPIキーを使用してモデルに実装する
Open AI APIを連携させたビジネス活用事例
Zホールディングス株式会社は、Open AIが提供する全てのAPIに関する利用契約を締結し、自社サービスやビジネスに活用し始めています。
どのように活用しているのか活用事例から学びましょう。
ChatGPTとの会話で飲食店を探せる「PayPayグルメ」

Zホールディングス株式会社が運営する飲食店予約サービス「PayPayグルメ」に、ChatGPTのAPI連携がされて、飲食店探しがより楽になりました。
ChatGPTに会話形式で好み、利用人数、日時、予算、場所を入力すれば、候補を上げてもらえます。
店舗の情報だけでなく、総合評価やクチコミ件数も確認できます。
WhisperとChatGPTを活用した「CLOVA Note」
CLOVA Noteは、WhisperとChatGPTを活用した文字起こしアプリです。
音声を文字に変換できるため、会議の議事録作成やセミナーや講座受講時のノート作成の手間を省け、会話に集中することができます。完全無料で利用できる便利なサービスとして注目を集めています。
従業員にツールを提供「AIアシスタントサービス」
Zホールディングス株式会社は従業員に「AIアシスタントサービス」を提供しています。
AIアシスタントサービスを利用すれば、以下のようなことができます。
- 文書作成
- 文章の修正
- 文章の分類
- 文章の翻訳
- メールの作成
- 調査
- アイデア出し
あらゆる部門にAIアシスタントサービスを提供して業務効率化やイノベーションを起こしていくと発表しています。
Zホールディングス株式会社が取り組んでいるDX推進の重要性、他の企業の事例を見たい方は下記の記事をお読みください。
関連記事:『【2023】DXの導入事例とは?成功事例から学ぶDXのメリット』
関連記事:『【2023】DX推進とは?注目されている理由とDX推進の課題』
Open AIに関してよくある質問
最後にOpen AIに関してよくある質問をご紹介します。
課金が心配な方は利用上限を定めておくことをおすすめします。
(※1000枚の画像を生成する場合は約2,600円程度。こちらを目安にしてください。)
Open AIについてまとめ
Open AIとは米国のサンフランシスコを拠点に持つAI(人工知能)に関する非営利研究機関です。Open AIはAPIを公開しているため、サービスと連携させられます。
- ChatGPT:自然言語やコードの理解
- Embeddings:テキストを数値形式に変換
- DALL-E:プロンプトから画像を生成
- Whisper:音声をテキストに変換
- Moderation:センシティブなテキストを検出
これらを活用すれば、業務効率化や画期的なサービスが生み出せたりします。
ぜひ、これを機会にOpen AIを活用してみてください。
