「AutoCADを使えるようになりたいけれど、独学で本当に習得できるのか不安」と悩みを抱える方もいるでしょう。
AutoCADは設計・製図の分野で広く使われているソフトですが、専門的な知識が求められるため、独学では何から手をつければよいのかわからない方も少なくありません。しかし、適切な学習方法で進めれば、初心者でも独学でスキルを身につけることは可能です。
本記事では、AutoCADを独学で習得するための具体的な方法を解説し、効率よく学ぶためのおすすめの参考書やサイトもご紹介します。AutoCADのスキルを身につけたい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
AutoCADを独学で身につけることは可能?
結論から言うと、AutoCADは独学でも習得可能です。近年は参考本やオンライン教材が充実しており、初心者でも基礎から体系的に学べます。独学のメリットとしては、自分のペースで学習を進められることや、学習コストを抑えられる点が挙げられます。
特に、実務で必要なスキルを重点的に学びたい場合、独学なら必要な部分だけを効率よく習得できるのもメリットです。また、オンラインの講座を活用すれば、実際の操作を視覚的に理解しやすくなります。
ただし、独学では学習の進め方が分からず挫折しやすいという課題もあるため、目標を明確にし、体系的に学べる教材を活用することが重要です。
初心者向けのAutoCADが身につく3つのステップ
初心者がいきなり作図に取り組んでも知識が身についていないと、自分が何をしているかわからないでしょう。そこで、3つのステップをもとに進めていきましょう。
- 学習教材や備品を用意する
- 参考本で知識を身につける
- 作図を行う
ステップ①学習教材や備品を用意する
AutoCADを独学で学ぶためには、まず基本となる学習教材や必要な備品をそろえることが大切です。揃えるべきものは以下の通りです。
- パソコン
- AutoCADソフト
- プリンター
- 教材
AutoCADのソフトウェアは無料体験版が提供されているため、最初は無料版を利用して練習するとよいでしょう。また、AutoCADは推奨されるパソコンのスペックがあるため、推奨スペックを確認しておきましょう。
また、最も重要なのがプリンターです。AutoCADで作図を行う際は、作図が完了したら都度プリントをして実際に自分が作図したものを確認する必要があります。プリンターははじめに用意しておきましょう。
ステップ②参考本で知識を身につける
作図をする前にはまずは基礎的な知識を身につけておきましょう。特に初心者の場合、作図をしていく中で専門用語が出てくるため、その都度言葉の意味を調べるのは効率が良くありません。
最初に学ぶべきポイントは、画面の構成、基本的なコマンドの使い方、作図・修正の基本操作などです。参考書を選ぶ際は、イラストや操作手順が詳しく解説されているものを選ぶと、視覚的に理解しやすくなります。
ステップ③作図を行う
基礎を学んだ後は、実際にソフトを操作しながら参考書の内容を実践し、操作に慣れていきます。この際も参考本は活用し、基本的な図形を作成していきます。操作に慣れてきたら徐々に複雑な図面に挑戦しましょう。また、無料で提供されている練習用のCADデータを活用するのもおすすめです。
学習の途中でつまずいた場合は、YoutubeやWebサイトを活用して疑問を解決しながら進めるとよいでしょう。作図を繰り返すことで、コマンドの使い方や作業効率が向上し、実務レベルのスキルを身につけることができます。
画像付き|独学でまず覚えるべきAutoCAD操作
ここからは初心者が覚えるべきAutoCADの操作方法について画像付きで解説します。まずはAutoCADを立ち上げて、新規作成をクリックすると以下の作業画面になります。
この作業画面を通して作図や3Dモデリングを行っていきます。初期画面の説明をすると、画面左がコマンドです。正方形や円などさまざまな図形を作成できます。
画面右は「画層」と呼ばれる作図を行う際に活用します。画層を活用するのは、一つの画層上にすべてのオブジェクトを描いてしまうと、見た目が複雑になってしまい、管理が難しくなるためです。必ず覚えておきましょう。
ここからは簡単に円を描いていきます。円の描き方は、画面右にある円コマンドをクリックします。
すると、円を描けるようになるためカーソルまたは数値を入力して円を描きます。
初心者の方は、まずどのような機能があるのか一通り試して、機能を覚えながら実際に図形を描いていきましょう。以下の記事でAutoCADの操作について詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
AutoCADを独学する際のおすすめ学習サイト
AutoCADを独学する際に活用できるおすすめの学習サイトを2つ紹介します。
- 工場DX研究所
- キャド研
サイト①工場DX研究所
まずは当サイト「工場DX研究所」です。AutoCADの基礎的な知識から資格、参考本、スクールの紹介などAutoCADに関連するコンテンツが多数投稿されています。
さまざまなAutoCAD技術者が作成しているコンテンツので、執筆者によって学習スタイルも異なります。そのため、自分に合った学習スタイルを見つけられるでしょう。すべて無料で見られるコンテンツですので、活用したいサイトの1つです。
サイト②キャド研
キャド研は、AutoCAD以外のさまざまなソフトの解説を行っているサイトです。AutoCADの基礎的な内容から中・上級者に向けた内容も取り扱っています。工場DX研究所と同様に執筆者はCAD業界に精通した方が解説しているので、信頼性も高く、丁寧に解説されています。
AutoCADを学習できるコンテンツの本数も多いため、1つのサイトでAutoCADに関する知識やスキルを実務レベルまで身につけることができるでしょう。
AutoCADを独学する際のおすすめ参考本
AutoCADを独学する際のおすすめ参考本を2つ紹介します。とりあえず持っておきたい2冊を厳選していますので、参考にしてください。
価格 | 発売日 | 特徴 | |
はじめて学ぶAutoCAD 2025 作図・操作ガイド | 2,728円(税込) | 2024/6/7 |
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今すぐ使えるかんたん AutoCAD 完全ガイドブック | 3,278円(税込) | 2022/9/24 |
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参考本①はじめて学ぶAutoCAD 2025 作図・操作ガイド
引用:Amazon
本書は、AutoCADをこれから学ぶ初心者向けに設計された定番の入門書で、基本操作を無理なく習得できるように構成されています。1本の線や円の作図方法から始め、編集方法やオブジェクトスナップ、画層管理、ズーム機能といった補助機能まで、段階的に学べる内容となっています。
また、練習問題が豊富に収録されており、実際に手を動かしながら学習できる点が特徴です。AutoCADの基礎をしっかりと身につけたい方に最適で、初心者がつまずきやすい部分も丁寧に解説されています。AutoCAD 2025以外のバージョンにも対応しており、学校や専門学校でも採用されているため、初心者が確実にスキルを習得できる一冊です。
参考本②今すぐ使えるかんたん AutoCAD 完全ガイドブック
引用:Amazon
本書は、AutoCADの初心者から実務で使いたい人まで幅広く対応した解説書で、基本操作から便利な機能、トラブル解決まで丁寧に解説されています。「こんな場合はどうしたらいいのか?」「この操作を効率よく行うには?」といった疑問にすぐに答えられる実践的な構成になっており、日常的にAutoCADを活用する方にもおすすめ。
また、付属のCD-ROMには紙面の操作に使う練習ファイルが収録されており、購入後すぐに実践的な練習を始められるのも魅力です。AutoCAD2023/2022対応版で、基本操作だけでなく、図形の作成や編集、注釈の入力、レイアウトや印刷設定など、実務で役立つスキルも身につけられるため、初心者から中級者まで幅広いニーズに対応した一冊です。
AutoCADのおすすめ参考本は以下の記事でも紹介していますので、本記事と併せて参考にしてください。
AutoCADを短期間で学ぶならセミナーの受講がおすすめ
AutoCADの独学は時間もかかる上に継続的な学習が必要です。しかし、中には「短期間で効率よく習得したい」という方もいるでしょう。そこでおすすめするのは「AutoCAD基礎セミナー講習」です。
初心者でも短期間でAutoCADの基礎から応用操作までを効率的に学べるAutodesk公認セミナーです。複数の受講形式があり、自分のスタイルに合わせて選択可能です。
講義内容は、画面操作や基本的な作図から、注釈・ハッチング・レイアウト設定まで実務で役立つスキルを網羅しています。受講者には228ページのオリジナル教材が提供され、復習やスキルアップにも活用できます。
- AutoCADの画面操作と初期設定
- オブジェクトの作成(線分/円/円弧/ポリライン/長方形/中心線など)
- オブジェクトの選択(基本/クイック選択/類似選択)
- 作図補助機能の使い方(グリッドとスナップ、オブジェクトスナップトラッキングなど)
- オブジェクトの編集(移動/オフセット/回転/トリム/フィレット/ストレッチなど)
- 画層とプロパティ(画層の設定/オブジェクトのプロパティ)
- コンテンツ(図形)の再利用(ブロック定義/配置/編集/属性定義)
- 図面への注釈:文字(文字記入/マルチテキスト/編集/スタイル設定)
- 図面への注釈:寸法(寸法記入/マルチ引出線記入/編集/スタイル設定)
- 図面への注釈:ハッチング(作成/編集)
- レイアウトの使い方(ページ設定/ビューポートの作成/コントロール)
- 異尺度対応注釈(注釈尺度の設定)
- 図面比較機能
- テンプレート(図面テンプレートの作成)
- データ管理・活用(外部参照・DWGファイルのリンク)
未経験者でも短期間でAutoCADをマスターできるおすすめの講習です。
セミナー名 | AutoCAD基礎セミナー講習 |
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運営元 | ProSkilll(プロスキル) |
価格(税込) | 27,500円〜 |
開催期間 | 2日間 |
受講形式 | 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング |
AutoCADの独学についてのまとめ
AutoCADを独学で習得することは可能ですが、効率的に学ぶには自分に合った教材や学習方法の選定が重要です。基本操作を学び、作図に挑戦することで、実務でも活用できるスキルを身につけられます。
また、本記事で紹介した学習サイトや参考本を活用して学習を効率化させましょう。短期間で効率よく習得したい方はProskilllが運営する「AutoCAD基礎セミナー講習」の利用も検討してみてください。

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