AutoCADは、設計や製図に欠かせないツールです。しかし、その多機能性ゆえに習得には時間がかかります。そのため、効率的に学ぶには、適切な学習方法を実践する必要があります。その学習方法の1つが本を活用することです。
本記事では、AutoCADの学習に本を活用するメリットやおすすめの書籍、効果的な学習ポイントを紹介します。また、本以外の学習方法についても紹介するので、これからAutoCADを勉強したい方やさらなるスキルアップを目指したい方は、ぜひ参考にしてください。
AutoCADを学ぶときに本を活用するメリット
AutoCADを学ぶ際に本を活用するメリットとして以下の3点が挙げられます。
- 体系的な学習ができる
- オフラインでいつでも学習できる
- 詳細な解説と豊富な図解で理解できる
これらのメリットを活かすことで、AutoCADの知識習得がスムーズになるでしょう。
体系的な学習ができる
AutoCADの本は、基礎から応用まで段階的に学べるよう構成されています。そのため、初心者でも無理なく学習を進められ、徐々に高度な機能や技術を習得できます。体系的な学習により、AutoCADの全体像を把握しやすくなるでしょう。
オフラインでいつでも学習できる
本はインターネット接続不要で、いつでもどこでも学習できます。通勤時間や休憩時間を有効活用でき、学習の継続性が高まります。また、気になる箇所を何度も読み返せるため、理解を深めることも可能です。
詳細な解説と豊富な図解で理解できる
AutoCADの本には、詳細な解説と豊富な図解が含まれています。そのため、複雑な操作手順も視覚的に理解しやすく、実際の作業をイメージしながら学習できます。図解を見ながら操作することで、効率的にスキルアップできるでしょう。
初心者におすすめのAutoCAD本【3選】
AutoCADを初めて学ぶ方には、適切な入門書を選ぶことが大切です。以下の3冊は、初心者の方におすすめのAutoCAD本です。それぞれ特徴が異なるため、自分の学習スタイルに合わせて選びましょう。
- はじめて学ぶAutoCAD 2025 作図・操作ガイド
- 今すぐ使えるかんたん AutoCAD [改訂2版]
- はじめてのAutoCAD 2025/2024 作図と修正の操作がわかる本
これらの本を活用することで、AutoCADの基本操作を効率的に習得できるでしょう。
なお、AutoCADの基本操作については、次の記事でも詳しく解説しています。本の購入前に基本操作を知りたい場合は、ぜひご覧ください。
①はじめて学ぶAutoCAD 2025 作図・操作ガイド
引用:Amazon
この本はAutoCAD初心者のための定番入門書です。基本操作から応用技術まで段階的に学べる構成が特徴です。練習問題や平面図作成例を通じて実践力を身につけられます。
最新バージョンに対応しているため、新しい機能も学べるでしょう。ただし、情報量が多いため、自分のペースで無理なく学習を進めることが大切です。
②今すぐ使えるかんたん AutoCAD [改訂2版]
引用:Amazon
YouTubeの動画と連動した入門書で、AutoCADを視覚的に学びたい方に最適な本です。基本操作から図面作成まで、わかりやすく解説されています。
また、付属の練習用ファイルで実際に操作を体験できるのも特徴です。動画を見ながら学習するため、インターネット環境が必要な点には注意してください。
③はじめてのAutoCAD 2025/2024 作図と修正の操作がわかる本
引用:Amazon
AutoCAD歴20年以上のインストラクターが執筆した本で、実務で使う操作に焦点を当てています。基本操作から応用問題まで、段階的に学習できる構成が特徴です。
そのため、総合演習では実践的なスキルが身につくでしょう。ただし、初心者は情報量の多さを感じることがあるため、図解を中心に理解しやすい部分から学習してみてください。
中級者・上級者におすすめのAutoCAD本【3選】
中級者・上級者にとって、AutoCADのスキルを更に向上させるには適切な参考書が不可欠です。以下の3冊は、高度な機能や効率的な作業方法を学ぶのにおすすめです。
- AutoCADで3Dを使いこなすための97の方法
- Autodesk AutoCAD 2025公式トレーニングガイド
- AutoCAD自動化攻略読本
これらの書籍はそれぞれ異なる特徴を持ち、さまざまな学習ニーズに対応しています。
①AutoCADで3Dを使いこなすための97の方法
引用:Amazon
こちらの本はAutoCADの3D機能に特化した解説書です。2Dからステップアップしたい中級者や3D機能をより深く活用したい方におすすめです。
97の具体的なテクニックを通じて、基本操作からサーフェス・ソリッド作成、モデル配置・表示、図面作成まで実践的に学べます。豊富な図解と操作手順で視覚的に理解しやすく、トラブル解決のヒントも充実しています。
一方でAutoCADの3D機能に特化しているため、2D機能や基本的な操作方法については詳しく解説されていない点に注意が必要です。
②Autodesk AutoCAD 2025公式トレーニングガイド
引用:Amazon
この本は、最新バージョンの機能を徹底的に学びたい方に最適です。新機能のスマートブロックなど、最新のテクニックを習得できます。豊富な実習問題と動画解説により、深い理解が得られるでしょう。
ただし、公式ガイドであるため、Autodesk 社の推奨する使用方法に限定されている点に注意が必要です。業界特有の手法については、別の方法で補完する必要があるでしょう。
③AutoCAD自動化攻略読本
引用:Amazon
作業効率の向上を目指す中上級者ににおすすめの本です。さまざまな自動化手法を学べるため、大規模プロジェクトや反復作業の多い業務に携わる方に特に向いています。
注意したいのは、プログラミングの基礎知識がない場合、理解に時間がかかる点です。また、自動化に過度に依存すると、柔軟性を失う恐れがあるため、適切な使用が求められます。
AutoCADの本の選び方
AutoCADの本を選ぶ際は、自分に最適な一冊を見つけることが大切です。効果的な学習のために、以下の3つのポイントを押さえましょう。
- まずは自分のスキルレベルを確認する
- 学習目的を明確にする
- 最新バージョンに対応しているか確認する
これらのポイントを意識することで自分に合った本を選び、効率的にAutoCADのスキルを向上させられます。
まずは自分のスキルレベルを確認する
AutoCADの本は、初心者向けから上級者向けまで幅広く存在します。そのため、自分のスキルレベルに合った本を選ぶことが、効果的な学習につながります。
たとえば、基本操作に不安がある場合は、初心者向けの入門書が適しています。一方で既に基本を押さえている方は、特定の機能に特化した本を選ぶと良いでしょう。
学習目的を明確にする
AutoCADを学ぶ目的は人それぞれです。「業務で使用するため」「資格取得のため」「趣味で3Dモデリングを楽しむため」など、目的によって適した本は異なります。
そこで、たとえば建築設計が目的なら建築向けのAutoCAD本を、機械設計が目的なら機械CAD向けの本を選びましょう。目的に合った本を選ぶことで、必要なスキルを効率的に習得できます。
最新バージョンに対応しているか確認する
AutoCADは定期的にアップデートされるため、本を選ぶ際は最新バージョンに対応しているか確認が必要です。最新版の機能や操作方法を学べる本を選ぶことで、実務に活かせるスキルを身につけられます。
ただし、使用するバージョンが決まっている場合は、そのバージョンに対応した本を選びましょう。それから、バージョン間の主な違いを理解しておくこともポイントです。
バージョン間の主な違いを理解すると、異なるバージョンのAutoCADを使用する場面でも柔軟に対応でき、効率的な作業が可能になるからです。
AutoCADの本を活用して学習するポイント
AutoCADの本を効果的に活用するには、単に読むだけでなく、実践的なアプローチがポイントです。以下の6つのポイントを意識しながら学習を進めることで、AutoCADのスキルを確実に向上させられます。
- ハンズオン演習を重視する
- 補足資料を活用する
- 定期的に復習する
- 実際のプロジェクトに応用する
- 業界標準や規格を意識する
これらのポイントを押さえることで、より効率的かつ実践的な学習が可能になるでしょう。
ハンズオン演習を重視する
AutoCADの習得には、実際に手を動かすこと(ハンズオン)が不可欠です。そこで、本に記載されている演習問題や例題を積極的に実践しましょう。
単に読むだけでなく、AutoCADソフトウェアを起動し、一つ一つのコマンドを試してみてください。この過程で、コマンドの使い方や図面作成のコツを体得できます。また、演習を通じて疑問点が明確になり、より深い理解につながります。
なお、AutoCADの基本的な使い方については、次の記事でも解説しているのであわせてご覧ください。
補足資料を活用する
多くのAutoCAD本には補足資料が付属しているので、有効活用しましょう。たとえば、付属のDVDやオンラインリソースには、詳細な解説動画や追加の練習問題が含まれていることがあります。
視覚的な学習材料は、複雑な操作手順の理解に役立つでしょう。また、サンプルファイルを活用することで、実際の図面データを扱う経験を積むことが可能です。
定期的に復習する
AutoCADの機能を効果的に習得するには、定期的な復習が欠かせません。以下のポイントを意識して復習を行いましょう。
- 重要なコマンドとショートカットキーの確認
- 新しく学んだ機能の再練習
- 苦手だった操作の見直し
- 過去の演習問題の再挑戦
これらのポイントを押さえることで、知識の定着と技術の向上が期待できます。また、復習を通じて自身の成長を実感できるでしょう。
忘れかけていた知識を思い出すだけでなく、新たな気づきを得られることもあります。定期的な復習を習慣化し、AutoCADスキルを着実に磨いてください。
実際のプロジェクトに応用する
学んだ知識を実際のプロジェクトに応用することで、より実践的なスキルが身につきます。たとえば、自宅の間取り図や架空の製品設計図を作成してみるのも良いでしょう。
実際のプロジェクトに応用すれば、本では触れられていない課題に直面することもあります。これらの課題を解決していく過程で、AutoCADの実力が養われていきます。
業界標準や規格を意識する
AutoCADはさまざまな業界で使用されており、各業界には独自の標準や規格があります。たとえば、建築業界ではJIS規格に基づいた図面作成が求められます。
そのため、本で基本を学んだ後は自身の業界で求められる標準や規格を意識しながら図面を作成する練習をしましょう。そうすることで、実務で即戦力となるスキルを身につけられます。
AutoCADを本以外で学習する方法
AutoCADを効率的に学ぶには、本以外にも様々な方法があります。以下の表で、主な学習方法とその特徴をまとめました。
学習方法 | 特徴 | メリット | デメリット | おすすめな人 |
動画 | オンデマンドで視聴可能 | ・自分のペースで学習できる ・繰り返し視聴できる ・視覚的に理解しやすい |
・質問できない ・最新情報が反映されにくい ・実践的な演習が難しい |
・視覚的に学びたい人 ・時間に制約がある人 ・基本操作を学びたい人 |
ブログ記事 | 無料で豊富な情報 | ・コストがかからない ・最新情報を得やすい ・特定のトピックを深く学べる |
・体系的に学びにくい ・信頼性にばらつきがある ・実践的なスキルが身につきにくい |
・特定のトピックを調べたい人 ・コストを抑えたい人 ・最新情報を知りたい人 |
セミナー受講 | 専門家から直接学べる | ・質問できる ・実践的なスキルが身につく ・最新情報を得られる |
・時間と場所の制約あり ・割高な費用の場合あり ・一度きりの学習機会 |
・短期間で集中して学びたい人 ・実践的なスキルを身につけたい人 ・他の受講者と交流したい人 |
これらのなかでも、セミナー受講は効率的に学べる方法としておすすめです。「AutoCAD基礎セミナー講習」は、初心者でも2日間で基本操作から応用まで学べる点が特徴です。会場受講やライブウェビナーでは、講師に直接質問できるため、理解が深まります。
また、eラーニングでの復習も可能であり、繰り返しの演習にも便利です。短期間でAutoCADのスキルを身につけたい方には、「AutoCAD基礎セミナー講習」を受講してみてはどうでしょうか。
AutoCADの本のまとめ
AutoCADの学習において、本を活用すると体系的に勉強できたり自分のペース済められた利します。また、セミナーや動画など、本以外の学習方法も組み合わせることで、より効果的にスキルアップできるでしょう。
自分に合った学習方法を選び、継続的に学習することが、AutoCADをマスターするポイントです。ぜひ、この記事を参考に効率的な学習を始めてください。
