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【2025】CADデータとは何?特徴や軽くするための方法について解説

CADとはコンピューターで設計を行うツールと何となくイメージしている人は多いかもしれません。しかし「CADとは何か?」と聞かれて、きちんと答えられる人はあまり多くないでしょう。

ここではCADデータの基本的なことデータが重たくなって操作しにくくなった際に軽くする方法について解説します。

CADの基礎知識について解説

CADの基礎知識

CADとはどのようなものか、いまいちイメージできていない人のために基礎知識についてまずは見ていきます。またCADは大きく分けて2Dと3Dに分類できるので、この点についてもあわせて見ていきましょう。

CADとは

CADとは「Computer Aided Design」の頭文字をとったものです。日本語に訳すと「コンピューター支援設計」となり、コンピューターを用いて設計するツールのことを指します。

従来設計するためには、紙やペンを用いて人力によって行われてきました。しかしCADの開発によって、設計や製図はコンピューターで完結でき、作業効率性が飛躍的に向上しました。

2DCADと3DCAD

CADは2Dと3Dとに分類できます。2Dとは平面上のデータの製図を行うツールで、3Dとは立体的なデータの作成が目的のCADです。平面で良ければ2D、立体的に詳細なデータが欲しければ3Dになるわけです。

3DCADの方が立体的に設計できるので、完成のイメージが具体的にしやすくなります。このため、3DCADへの需要が高まってきています。

では2DCADは必要ないかと言えば、そうとも言い切れません。平面だと従来の紙図面と同じような感覚で設計できるので扱いやすいという声もあります。また電気用CADの場合、3Dで表現する必要がそもそもありません。

このように分野によっては、2DCADが主流というケースも少なくありません。どちらが一概に優位とは言えず、用途によって使い分けられているのが現状です。

CAMやCAEとの違い

CAMやCAEとの違い

CADについて語るうえでよく混同されがちなのがCAMとCAEです。お互い使い道に違いがあるので、勘違いのないように注意してください。

まずCAMは日本語で「コンピューター支援製造」と訳されます。CADで設計や製図した図面をもとにして、工作機械のプログラミングするためのシステムです。担当する工程が異なります。

CADシステムで設計データを作成すれば、CAMシステムに出力され加工をおこなえるツールも少なくありません。CADとCAMがセットになったツールを利用すれば作業効率が高まりますし、同じシステムで情報共有するのでデータの整合性も高まります。

CAEとは日本語に訳すと「コンピューター支援エンジニアリング」です。機械などのプロダクトを製作するにあたって、各種機能が適切か確認するためのツールです。

CAEで適切な特性や動きについてシミュレーションして、そのデータに基づきCADにて製図を行うのが一般的な流れです。こうすることで、製図前に不具合を防止できるので試作品製造のサイクルの短縮化が可能です。

CADの用途

CADはさまざまな業界で活用されているツールです。まず設計や製図のためのツールなので、建設業界では必要不可欠なツールと言えます。建物だけでなく道路やダム、トンネルなど構造物一般の図面を描くためのツールとして活躍しています。

また内装の世界でもCADはしばしば用いられるツールです。インテリアの設計やコーディネートするために用いられます。リフォームするためにも活用されるツールです。

その他にも機械や自動車、家電などを設計する際にCADツールは使われています。こうしてみると、私たちの日常生活に欠かせないアイテムの多くがCADによって作り出されているといっても良いでしょう。

CADデータの種類について解説

CADデータの種類

CADデータと言いますが、その種類はいろいろとあります。その中でも主要な種類と主な特徴について解説するので、作業する際の参考にしてください。

CADデータの種類 特徴
DXF・DWG CADデータの中で一番王道な種類
JWW・JWC Jw_CADというソフトでよく使われる種類
SFC・P21 日本で開発された種類

DXF・DWG

DXFやDWGはデータ拡張子の中でもCADでは、比較的ポピュラーな種類です。というのもCADツールの中でもトップシェアを誇るメーカーであるAutodesk社が定めるファイル形式だからです。

DWGは標準の形式ですが、AUTODESK社の開発しているAutoCADがバージョンアップするにつれ、DXFが開発されました。互換性を保つ必要性が生じたためです。

DXFの使用は公開されているので、AutoCAD以外にもこの拡張子に対応したツールも他に数多くあります。よってCADの中でも標準的な拡張子と考えてください。

JWW・JWC

日本で比較的ポピュラーな拡張子として、JWWとJWCがあります。Jw_CADという日本で高いシェアを誇るツールで用いられるファイル形式だからです。JWWはWindowsの基本形式バージョンです。一方JWCはWindowsの中でもDOS版で用いられる拡張子になります。

SFC・P21

日本でCADデータを取り扱う際に、SFCやP21もしばしば見かける拡張子かもしれません。こちらは日本の国土交通省が主導になって開発されました。国際規格にも準拠しているので、海外向けにやり取りする際にも問題なく使用できます。

官公庁など行政に納品する際にはSFC形式で求められることも少なくありません。SFCはP21と比較してファイルサイズが小さいので、取り扱いやすいためです。

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CADデータの活用法を解説

CADデータの活用法

CADデータを用いた用途として、どのようなことがあるのでしょうか?図面作成は何となくイメージできるかもしれませんが、それ以外にもいくつかの用途で活用可能です。

図面の作成

まずCADと言えば図面の作成を真っ先に連想する方も多いでしょう。図面作成は建築や製造、アパレルといったように多種多様な業種で利用されています。

たとえば建築業界では構造物の設計図をはじめとして、さまざまな図面を作成するのに用いられています。ほかにも物件の間取り図や3Dモデルのサンプルといったように、身近な図面でもCADデータで作成することは可能です。

ソフトの中には図面だけでなく、ポスターや企画書を作成できるようなものもあります。企画書の場合、図面も入れられるのでビジュアル的に説得力があり、わかりやすい書類が作成できるでしょう。

プロダクトデザインの作成

プロダクトデザインとは、製品のデザインのことを指します。CADを使用すれば、手書きで作成されたデザインをパソコンに取り入れて、3Dデータ化することも可能です。

3Dで立体化できれば、いろいろなアングルからデザインをチェックできます。3Dのデザインにすることで、第三者にデザインの全体像だけでなく、なぜそのようなデザインになったのか、その狙いも理解してもらえるでしょう。

プロダクトデザインの対象になるのは自動車や家電、さらには生活必需品と多岐にわたります。だからこそ、CADのスキルを持った人材は多種多様な業界で重宝されるわけです。

3Dプリンター用のデータ作成

CADには立体的なデザインの描ける3DCADのあることは、別項で紹介しました。こちらを利用すれば、3DプリンターのSTLやOBJといった拡張子のデータ作成も可能です。

まず3DCADでデータ作成し、3Dプリンターに取り込むことで3Dプリント品を簡単に作成できます。しかも精度の高いデータを作成できますし、質量や強度に関する計算も自動的に行えます。安全性や剛性に関する確認もあらかじめ行えます。

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CADデータが重たくなった場合の対処法

CADで作図などを手掛けると、徐々にデータが重たくなって動作が鈍くなる恐れがあります。この場合、不要なデータを削除するのが一般的ですが、いくつか確認すべき項目があるのでここで紹介します。

PURGEを行う

PURGEとは名前削除のことです。「名前削除可能な項目」と「ネストされた項目も名前削除」、「名前のないオブジェクトを名前削除」にそれぞれチェックを入れることで削除できます。

画像フィルターを削除する

画像フィルターをまとめて削除することで容量に空きができ、動作が改善する可能性もあります。

まず、画像プロパティ画面を開きます。するとフィルターリストが左側に表示されるので「すべての使用中の画像」を選択してください。そして「フィルタを反転」というメニュにチェックを入れましょう。未使用の画像が表示されるので、削除してください。

尺度の削除

尺度の削除

不要になっている尺度を削除することで、データを軽くできます。

「SCALELISTEDIT」というコマンドを入力してください。すると「図面尺度を編集」と呼ばれるダイアログが表示されるはずです。尺度リストが表示されるので、その中で不要なものがあれば、削除を進めましょう

新規図面を作成する

新規図面を作成して、その中に挿入することでデータ圧縮する方法もあります。データを軽くしたいけれども削除できるものがなかなかない場合におすすめの手法です。容量の大きな図面を積極的に挿入して保存すると良いでしょう。

CADデータのまとめ

CADは現代社会ではモノづくりの世界において欠かせないツールになっています。さまざまな製品のデザインの設計や製図が可能なので、多種多様な業界で活用されていることがわかります。CADツールの基本的な操作方法やCADデータの取り扱いをマスターできれば、さまざまな業界でキャリアアップできるでしょう。

CADソフトは、さまざまなメーカーから配布されています。その中には体験版もあり、無料で利用できるようなツールも見受けられます。無料ですから気軽に導入できるでしょう。CAD初心者であれば、どのようなソフトなのか、お試し版から利用してみると良いでしょう。

CADデータは決して容量が少なくないので、不要なものはこまめに削除して重たくならないように運用することも大事です。

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