CADを使いこなせるようになれば、各種製品や建造物の設計をコンピューターで行えます。2Dだけでなく3Dモデリング、設計の変更など多彩な使い方が可能です。
ここではCAD初心者が覚えておくべき使い方について解説するので、独学の参考にしてください。
CAD初心者でも独学は可能?
CADに興味を持ってこれから勉強しようと思っている人で「独学でマスターできるもの?」と気になっている人もいるでしょう。結論から言うと、CADは初心者でも独学で十分学習できます。
作図スキルを持っていれば十分可能
もし作図スキルをマスターしているのであれば、CADの使い方はそこまで難しいものではありません。CADの場合、基本的な技術がある程度固まっているので、新しく学習することはそれほど多くないからです。
初心者でも時間をじっくりかけて、着実に学習していけば、就職や転職できるレベルにまで使いこなせるようになるでしょう。
難易度について
CADの難易度は人それぞれかもしれません。しかしパソコンの基本的な操作を知っている人であれば、3カ月しっかり勉強すると基本的な使い方は十分マスターできるでしょう。
ただしCADソフトも多種多様です。CADソフトごとに対応している機能も異なるので、ソフトによっては扱いにくいと感じることもあるでしょう。CADの使い方を効率的にマスターするためには、平面図の2DCADから学んで、徐々に立体的な3DCADに手を付けてみると良いでしょう。
初心者でも使いやすいCADソフト
初心者がCADソフトを使うのであれば、おすすめなのがJw_CADもしくはAR_CADです。いずれも無料でダウンロードできるので、初心者が使い方をマスターするために導入しやすいでしょう。直感性に優れているので、初心者でもすぐに使い方のコツがつかめるはずです。
CADの基本的な使い方
CAD初心者のために、基本的なソフトの使い方の手順について紹介します。CADソフトによって細かな使い方について、若干違いがあるかもしれません。しかし基本的には以下の流れで進めていくものだと考えてください。
新規作成を選択する
まずはほかのソフト同様で、CADソフトを起動させましょう。すると機能一覧が画面上に立ち上がるので、必要な選択を進めてください。
「2Dと3D、いずれを作成するのか?」「既存部品をもとに組み立てるか」「図面作成をするか」などの選択を行ってください。CAM機能もついているソフトもあるので、CADとCAMいずれを使うのかも、この段階で選択します。
すべての選択が終わったところで、「新規作成」を選択しましょう。2DであればYZ、3Dの場合XYZの座標軸が表示されます。
正面の形状を作成する
画面が立ち上がったところで、まずは正面の形状を作成しましょう。YZ表面を基準にして作成するのが初心者におすすめのやり方です。
3Dの立体を作成する場合には、正面形状に厚みをつけて立体感を出しましょう。「パッド」と呼ばれるコマンドがあるはずです。こちらを活用すると良いでしょう。
厚みをどうするかはマウスを使って、引き伸ばして調整する方法があります。具体的な数値が決まっているのであれば、「500mm」などと数値を入力して設定してしまう方法もあります。
もし不要な個所があれば「ポケット」を利用しましょう。ポケットは指定の場所をくりぬくことができる機能です。基準となる形状を作り、これらを組み合わせることでベースになるフォルムが固まっていきます。
保存する
基本となる形状の決まったところで、部品の形状の微調整を進めていきます。CADソフトには抜きテーパーや面取り、「フィレット」と呼ばれるR面取りなどを追加することで詳細な形状を整備できるはずです。
部品の形状が完成したところで、忘れずに保存してください。その他のソフト同様で、任意の名前を付けて保存しましょう。
あとはこれまでの手順を繰り返していって、必要な分の部品を作成していきます。3DCADソフトであれば、これら作成した部品を組み立てることで立体的に仕上げられます。まず製品の限定を設定して、これをベースにして必要な部品のレイアウトを決めていきましょう。
配置する場所が決まったところで、部品のデータをまとめて開きます。あとは位置合わせなどの微調整を進めていくと、立体的な設計や作図が完成するはずです。
Jw_CADの基本的な使い方について紹介
当ページでは初心者向けのCADソフトとして、Jw_CADがおすすめであると紹介しました。平面の2DACDのフリーソフトで、無料で使用できるので気軽な気持ちで導入できるでしょう。建築に特化した機能が充実しているので、建造物の設計を希望する人は押さえてほしいソフトです。
そこでここではJw_CADの基本的な使い方について解説するので、参考にしてください。
基本画面を理解しよう
Jw_CADをインストールして、ソフトを起動すると基本画面が立ち上がるはずです。
まず上部には「ファイル」や「編集」などの項目が表示されているでしょう。これをメニューバーと言います。該当する項目をクリックするなり、Altキーを押しながら該当するキーを押すと関連するメニューが表示されます。たとえば「Alt+F」キーを同時押しすれば、「ファイル」に関するメニューが表示されるはずです。
背景や線の色、種類などをカスタマイズすることは可能です。メニューバーの中でも「設定」→「基本設定」の順番で設定すれば、自分の好きなように設定ができます。
コントロールバーのカスタマイズ
メニューバーの下に表示されているのが、コントロールバーです。作図コマンドに関する詳細設定するための個所です。コントロールバーは、自由にレイアウトできます。項目以外の部分を左ドラッグすれば、任意の位置に移動できます。数値を入力すると、長さや傾きなどを調整できます。
左側に「文字」や「寸法」などのボタンが設置されている領域があるでしょう。こちらをツールバーと言います。作図のために必要なコマンドがレイアウトされています。ツールバーのカスタムも可能で、あまり使用しないコマンドは外すこともできます。そうすれば、希望するコマンドを探すのに手間取る必要もなくなります。
マウスの使い方について
Jw_CADの場合、マウスの使い方が一つキーポイントになります。一般的なソフトの場合、ほとんどが左クリックでしょう。しかしJw_CADの場合、左だけでなく右クリックもしばしば用います。両者を混同しないように注意してください。
任意点を指示するときには左クリックを使用します。このとき対象はカーソルのある位置です。端点や交点を指定するときに、ずれが生じる可能性があります。
一方端点や交点などの読み取り店を支持する際には、右クリックを使用します。もし近くに読み取り点のない場合には「点がありません」というメッセージが表示され、エラー扱いになるので注意しましょう。
基準線を変更したければ、左もしくは右をダブルクリックしてください。左右両ボタンをクリックすると、画面中央に移動します。
Jw_CADの場合、始点と終点をクリックで指定したうえで描画するスタイルを取っています。よってドラッグして線を引いたり、範囲を指定したりすることはありません。
Jw_CADの場合、両ボタンをドラッグすると拡大縮小が可能です。簡単に大きさ調整できるので、このドラッグ操作は早期にマスターしておきたいところです。
ショートカットキーをマスターしておこう
ほかのソフト同様、Jw_CADにはいろいろなショートカットキーがあります。ショートカットキーを覚えておくと、作業効率性がかなり向上します。作図する際に覚えておきたいショートカットキーとして、線属性が「F2」、縁が「E」、中心線「l」、文字は「A」を押せば機能します。
また「Y」で範囲指定ができますし、「D」で消去、「M」でも移動がコマンドできます。一つのキーだけで命令できるので、ほかのソフトと比較しても使い勝手の良いソフトと言えます。
Jw_CADの特徴として、ショートカットキーを自分の好きなようにカスタマイズできる点にも注目です。アルファベットキーのほかにもF2~F9やスペースキーを対象にできます。
メニューバーにある「設定」から「基本設定」を選択してください。その中に「KEY」があるので、こちらで自由にカスタマイズできます。良く使用するコマンドを自分の使いやすいキーに設定するのがおすすめです。
クロックメニューを活用しよう
Jw_CADの特徴として、クロックメニューがある点も着目しましょう。「クロック」すなわち時計を意味するメニューで、メニューバーを時計の表記のように表示できるモードです。時計の1~12時のように12方向にコマンドをレイアウトできます。
実際の使い方は、マウスで時計の針を回転させ、該当するメニューを選択する方式です。
クロックメニューの特徴として、左と右、どちらの方向でドラッグするかで選択できるメニューが違ってくる点が挙げられます。よって従来スタイルで12×2=24種類のメニューを表示させる計算です。
さらに設定次第でクロックメニューは「AM/PM」に切り替えることもできます。AMとPMそれぞれ24種類のコマンドを設定できるので、最高48種類のメニューをクロックメニューの中で選択できるわけです。このクロックメニューの配置を覚えられれば、Jw_CADもさらに使いやすくなるでしょう。
CADの使い方のまとめ
CADはさまざまな業界で使われている、汎用性の高いソフトです。従来の手書きではなく、コンピューターで製図や設計が簡単にできるようになります。
これからCADを本格的に使用するのであれば、無料で導入できるJw_CADがおすすめです。Jw_CADでできることは多岐にわたるので、まずはJw_CADの使い方をマスターするところから始めませんか?