CADを導入すれば多様な設計・製図作業が可能になって業務の幅も広がりますが、現在はいろいろな種類のCADが開発・販売されているので、どのソフトを選べば良いか分からない方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事ではCADの種類を紹介し、メリットや選び方、種類別CADソフト5選も紹介するので導入時の参考にしてください。
CADとは
CADとは英語の(Computer Aided Design)の略称で、日本語に略すと「コンピューター支援設計」いう意味を持ちます。その名の通り専用のソフトウェアを使用してコンピューター上での設計・製図を行うなど、従来のような手描きの設計や製図よりも効率・精度の高い製図・設計が可能です。
CADは主に平面的設計・製図が可能な2DCADと、立体的な投影が可能な3DCADとに分類されます。下記にCADやその学習方法などを詳しく解説した記事を掲載するので参考にしてください。
CADの種類
CADは高精度な設計・製図用のソフトウェアで、幅広い業界で使用されていますが、実際にどんな種類のCADが開発・販売されているのでしょうか。ここからはCADの種類を詳しく解説します。
専用CAD
特定の分野に特化している機能を有し、その分野のみの使用に強みを持つCADを専用CADといいます。幅広い用途に使用可能な汎用CADに、追加機能を付け加えることで専用CADとして利用できる場合もあります。
汎用CADに追加機能を加えて専用CADとして使用すれば、使用感そのままに幅広い用途でも使用できて便利です。
汎用CAD
汎用CADとは呼んで字のごとく、幅広い分野に応用可能なCADのことを指します。価格も専用CADよりも低いうえに、設計・製図に必要な基本的な機能を有しているため簡易的な図面作成や編集などの業務に対応可能です。
したがって複雑な部品の設計や、設計に専門的な機能が必要でなければ汎用CADで十分対応できます。
建築・設備CAD
建築・設備CADはそれぞれの業種に特化したCADソフトのことを指します。例えば建築用CADは住宅やビル、マンションなどの建物の構造などの設計・製図を行う際に使用するCADソフトです。
一方の設備CADは建物内に設置される電気や空調、ガスや給排水などの設計・製図に使用されます。下記に建築設計で使用される3DCADを詳しく解説した記事を掲載するので参考にしてください。
機械用CAD
航空機や自動車などの大きな機械構造物や、ボルトなどの小さな機械部品の設計・製図まで幅広く対応可能なCADソフトを機械用CADといいます。一般的な機械用CADは車や家電などの設計・製図に利用され、航空機などのサイズが大きく精度が必要な場合はハイエンドCADと呼ばれる機械用CADを使用しなければいけません。
機械用CADは機械設おける部品干渉チェックなども可能な点から、早い段階で3次元用ソフトとして使用されてきました。
BIM
建築業界における画期的なCADソフトとして、さまざまな業界で使用されているソフトがBIMです。以前のCADソフトでは、2次元で構成されている設計図をもとにして3Dへの投影を行っていました。
一方のBIMでは最初から3次元での設計が可能で、3次元で構成された図面から2次元図面の取り出しにも成功しています。
システムCAD
2次元の平面図や3次元の構造物の投影まで、幅広い設計・製図業務が可能なソフトをシステムCADといいます。例えば住宅設計用のシステムCADでは複雑な操作は不要で、単純にブロックを積み重ねるような方法での設計・製図が可能です。
自動的2次元のデータ作成から3Dへの自動変換機能も付いており、高い操作性もメリットといえます。
CADのメリット
CADを導入すれば従来の紙での設計などに比べて効率的な設計・製図が可能ですが、導入により具体的にどのようなメリットを取得できるのでしょうか。CADのメリットには、
- データ共有が可能
- 作業効率向上
- 修正がしやすい
などの点が挙げられます。ではそれぞれのメリットを詳しく解説するので、導入時の参考にしてください。
データ共有が可能
データ共有が可能な点も、CADのメリットの1つです。従来の紙での設計では、完成した図面を関係者と共有するために完成した図面をコピーして郵送するなど、大変な手間がかかっていました。
一方CADで設計・製図された図面はデータとしての保管が可能で、データのコピーや他部署への転送なども効率的に行えます。また設計・製図データを残しておけば、Web上での共有なども可能です。
作業効率向上
CADのメリットの1つとして、設計・製図効率が向上する点も挙げられます。従来の手描きの設計・製図では、設計者による線の太さの相違を避けるための練習などが必要でした。
一方のCADはコンピューターによる入力のみで設計・製図が可能なので、設計者による図面の線の太さの相違もなく、効率的な設計・製図作業が可能です。
修正がしやすい
修正がしやすい点も、CADのメリットの1つに挙げられます。従来の紙での設計・製図では、図面の線1本を消す際にもほかの線も一緒に消したり、紙を破らないかなどの注意が必要でした。
一方のCADでは、動作1つで線や文字を簡単に修正できるので便利です。
CADの種類の選び方
CADの種類の選び方として一番に挙げられるのが、機能的な面で選ぶという点です。CADはさまざまな種類のものがあり、それぞれが独自の機能を有しています。
したがって自分が行う業務の特徴を踏まえ、業務を行うにあたって必要な機能を有しているCADを選択しましょう。またCADは無料で使用できるものから、年間使用料が数百万円するCADまでさまざまです。
近年は無料CADの精度も向上しており、中には有料版と劣らない機能を持つソフトもあるので、単純な作業であれば無料版を使用するなど費用対効果を得られる使用方法を徹底しましょう。一方で精密な製品を多品種・大量生産する場合などは、高額な多機能CADソフトの利用がおすすめです。
種類別のおすすめのCADソフト5選
ここからはおすすめのCADソフト5選を下記に表記し、それぞれの特徴を詳しく解説します。ソフトごとに細かく紹介するので導入時の参考にしてください。
CADソフト | 特徴 |
AutoCAD | 土木や建築、機械分野の設計・製図で頻繁に私用されるほか、3D図面の作成も可能 |
Jw_cad | 建築における実務的な機能が多数搭載される観点から建築汎用CADと呼ばれ、建築業界において活用 |
Revit | 建築分野だけでなく、各種設備の配管や土木分野の3Dへの投影も可能 |
SOLIDWORKS | 主に製造業を中心に導入され、そのほかにも医療や建築、プラント建造など幅広い分野に活用 |
Fusion 360 | 3Dモデリング機能や解析、レンダリングや2次元図面作成など、多彩な機能を搭載 |
AutoCAD
アメリカのAutodesk社が開発し、世界的なシェアを誇るCADソフトがAutoCADです。1982年に開発されて以来、さまざまな業界で使用されています。
このソフトは主に土木や建築、機械分野の設計・製図で頻繁に私用されるほか、3D図面の作成も可能な高機能ソフトです。さらにAutoCADはAutodesk社が開発しているさまざまなソフトとの連携も可能で、幅広い用途に使用できるのもメリットといえます。
AutoCADに関する高いスキルを短期間で取得したい方は、2日間のセミナーで高度な図面作成までのスキルを取得できる、AutoCAD基礎セミナー講習の受講がおすすめです。
Jw_cad
Windowsでの使用が可能な平面図の設計が可能な2D汎用ソフトを、Jw_cadといいます。ソフト構築で建築士が監修しているため、建築における実務的な機能が多数搭載される観点から建築汎用CADと呼ばれ、建築業界において頻繁に私用されています。
Jw_cadは無料で商用利用も可能な数少ないCADソフトで、コストパフォーマンスに優れている観点から多くの企業に導入されているのが現状です。2日間の会場受講やウェビナー、eラーニングにて開催されるJw_cad基礎セミナーを受講すれば、優れたコストパフォーマンスを誇るJw_cadに関する知見を深めて応用操作までのスキルを取得できます。
Revit
アメリカのソフトウェア会社、Autodesk社が開発・販売している、高精度なBIMソフトウェアがRevitです。建築分野だけでなく、各種設備の配管や土木分野の3Dへの投影もできます。
またAutodesk社の多様なソフトウェアとの連携も可能で、他ソフトとの連携により効率的なデータ共有・運用を図ることも可能です。BIM・建築 3DCAD Revitセミナー講習を利用すれば、2日間でマテリアル設定や2LDK住戸の作成までのスキルを取得できるので、ぜひご利用ください。
SOLIDWORKS
フランスのソフトウェア会社、Dassault Systemesにより開発・販売されている高精度な機械設計用ソフトウェア、SOLIDWORKS。開発会社は以前戦闘機を開発していた企業として有名で、その技術を活かして世界的なシェアを誇るCADソフトであるSOLIDWORKSを開発しました。
このソフトは主に製造業を中心に導入され、そのほかにも医療や建築、プラント建造など幅広い分野に活用されています。高機能なCADソフトのスキルを高めたい方は、2日間の会場受講やウェビナー、eラーニングで高度なモデリングや応用解析までのスキルを取得できる、SOLIDWORKSセミナー講習をご利用ください。
Fusion 360
Fusion 360はAutodesk社が開発・販売している高精度CADソフトの1つ。3Dモデリング機能や解析、レンダリングや2次元図面作成など、多彩な機能を搭載しています。
複数人でのデータ管理も可能でデータ共有効率が向上するうえに、同時作業も可能な点もメリットです。またデータ保存時に旧データが自動的にバックアップされる機能や、作業履歴の保存などお得な機能も多数搭載しています。
Autodesk Fusionセミナーでは、2日間でモデリングやアセンブリの基礎まで学習できるので、ハイスキルを目指す方はぜひご利用ください。
最適な種類のCADを有効活用しよう!
本記事ではCADの種類を紹介し、メリットや選び方、種類別CADソフト5選も紹介しました。高精度なCADを導入すれば設計・製図効率を高め、生産性を向上させることができます。
導入における十分な成果を得るためにも、自社の業務内容を十分に把握し、業務遂行に最適な機能を搭載している種類のCADを有効活用して生産性を高めてください。