AIの開発に用いられる言語は用途などによって様々ですが、特に多く使用されている言語として挙げられるのが「Python」です。
Pythonは言語の中でもクセがなく、使いやすいといった点からAIの開発に用いられることが多いのです。
しかし、AIの開発においてなぜPythonがここまで使用されるのか知らない方も多いのではないでしょうか?
本記事では、Pythonの概要・使用される理由・使用するメリットなど詳しく解説していきます。これからAIプログラミングを習得していきたいと考えている方はぜひ最後までご覧ください。
Pythonとは?
Pythonとは、AIの開発に用いられ、機械学習やデータ分析に強いことで注目されているプログラミング言語です。
シンプルで読みやすい構文を持っており、幅広い用途で利用できる点が特徴です。
Pythonを使用して開発された事例としては「Google」や「Instagram」など世界で有名なサイトやアプリもPythonによって作られています。
また、TOIBE Indexのプログラミングの人気を示す指標では、2024年3月時点で1位を獲得しています。
引用:TOIBE Index
AI開発で使用されるPythonライブラリ集
ここでは、AI開発で使用されるPythonのライブラリと特徴を紹介します。
ライブラリ | 特徴 |
NumPy(ナムパイ) | 数値計算(関数計算・多次元計算)を高速・効率的に行うための科学技術計算用 |
Pandas(パンダス) | データの検索や結合などデータ解析に用いる |
Matplotlib(マットプロットリブ) | 折れ線グラフや円グラフ、3Dグラフなどを作成できる |
TensorFlow(テンソルフロー) | ディープラーニングに特化、比較的上級者向け |
sckit-learn(サイキットラーン) | 入力値を与えるだけで、機械学習を簡単に実装できる |
AI開発でPythonが使用される理由
AI開発においてPythonが多く使用される理由は、凡用性の高さと用途がとにかく広いことが理由として挙げられます。
AI開発で用いられる言語は「アプリ開発に強い」「データ分析に長けている」など何かの分野に特化していることがほとんどです。
例えば、アプリ開発に特化している言語を使用した方がより高度な開発ができますが、そもそもプログラミング言語の習得自体が難しく時間がかかることからPythonを使用しているというケースも多いでしょう。
また、他言語と違いコードが非常にシンプルで初心者でも扱いやすい言語であることから、Pythonを扱える人も多くAIの開発に用いられることが多いのです。そして、AIで使用される言語の中でも機械学習に強くPythonの需要は今後も高まっていくと予想されます。
Pythonを使用するメリット
ここからは実際にPythonを使用するメリット下記4点を解説していきます。
- コードの読み書きが比較的簡単
- ライブラリが充実している
- アプリ開発のフレームワークが多い
- 利用者が多い
コードの読み書きが比較的簡単
Pythonは書式と文法がわかりやすく、コードの読み書きが比較的簡単です。別の人が書いたコードを簡単に書き換えられるという点から、AIプログラミングにおける属人化といった懸念もないでしょう。
また、Pythonはオフサイドルールの適用がされており、コードの書き方がルール化されています。オフサイドルールとは、1つの処理を行うコードのブロックごとにインデントを使って、字下げすることです。本来、プログラミング言語の書き方に明確なルールはありませんが、Pythonはルール化されているため読み書きが簡単になっています。
ライブラリが充実している
ライブラリとは、世界中の開発者が作ったコードがまとめてある箱のようなものを指します。
Pythonにはこのライブラリが豊富にあることから、目的・用途に合わせて最適なコードを選べば1からコードを書く必要がないため、開発時間の短縮につながります。無料で利用できるライブラリも多く、コストの面でも安心して利用できます。
アプリ開発のフレームワークが多い
フレームワークとは、アプリケーション開発に利用するテンプレート・コードの集合体です。
フレームワークを利用すればライブラリ同様に自身でコードを1から書くことなくアプリ開発を行うことができます。そのため、アプリ開発の効率化・質の向上につながります。
利用者が多い
Pythonは習得難易度も比較的簡単なため、利用者が多い点も挙げられます。
現代では、少子高齢化による人材確保の難しさもあり、プログラミング言語を扱える人材も少ないことから指定の言語を扱える人材の確保は非常にハードルが高いと言えます。
しかし、Pythonは扱える人材も多く、WebサイトやYoutubeなどの動画でも学習できる数は多いため、1番初めに学習する言語としてもおすすめです。
Pythonができること
Pythonは使用用途が広いと先述しましたが、具体的にどのようなことが可能なのでしょうか?主にできることは下記4点です。
- 機械学習を使用したAI開発
- データの処理や分析
- ブロックチェーン開発
- Webサービスやアプリの開発
機械学習を使用したAI開発
PythonはAI開発(機械学習・ディープランニング・自然言語処理)などに使用されています。
そのため、Pythonで作成したAIの機械学習により、コードなどを書き換え人間では難しい領域の高度なAIの開発も可能です。また、機械学習のライブラリは豊富に存在するため、効率的に機械学習を使用したAI開発が可能になります。
データの収集や分析
Pythonはデータ処理・分析のライブラリも豊富に存在しております。データ分析やデータ収集に長けているAIを開発することが可能です。
例えば、製造業における作業の1つに「品質記録」がありますが、データ分析に強いAIが導入できれば分析結果を基に高品質化へと繋げることもできるでしょう。また、他の業種でもデータ収集・分析は非常に重要な業務であるため、Pythonで作成したAIは非常に有効だと言えます。
ブロックチェーン開発
ブロックチェーンとは、取引履歴を暗号技術によって最も古い履歴から1本の鎖のようにつなげて正確な取引履歴を維持する技術です。
金融や医療の分野で使用されることが多く、Pythonの豊富なライブラリがブロックチェーン開発につながっています。
Webサービスやアプリの開発
先述した通り、PythonはWebサービスやアプリケーションのフレームワークが充実しています。Webアプリ開発の素早い処理や機能追加・変更も対応可能です。
また、PythonはWindowsやMacなどOSの種類関係なく使用できます。デバイスが異なっても同じ動きが可能なため、デバイスごとに仕様を変更する必要がないため。開発に時間を取られることもありません。
Pythonの知識が活かせる仕事とは?
Pythonを習得することでどのような仕事に活かせるのでしょうか?ここでは下記4つの仕事を紹介します。
- AIエンジニア
- Webエンジニア
- マーケター
- データサイエンティスト
AIエンジニア
IT人材不足により、多くの企業でAIプログラミングを扱える人材の獲得が課題となっています。AIやIoTなどはPythonが得意とする分野であり、様々なAIの開発にPythonの習得は必須と言えます。
AIがAIを開発していけば人材不足の解消になるのでは?と考える方もいるかもしれませんがAIの保守・運用は人間がいなければいけません。
AI開発を行えるAIエンジニアは日本だけでなく世界的に需要が高いため、Python習得によりAIエンジニアで活かせるでしょう。
Webエンジニア
Webアプロケーションの開発にも用いられるPythonを使用することができれば、Webエンジニアとして活躍できるでしょう。
従来、Webアプロケーションの開発は別の言語であったためPythonを使用できるからと言ってWebエンジニアで活かすことは難しいと言われていました。しかし、Pythonのフレームワークの豊富さから効率よく開発ができるため、Pythonに移行しつつあります。
マーケター
マーケターは市場の動向や商品・サービスの需要をデータをもとに予測し売れる仕組みを作ることが主な仕事です。
Pythonはデータの収集・分析も得意であり、人間より需要の予測を高精度で行うことができます。
業務の効率化だけでなく、市場の競争でも優位性を維持することが可能です。
データサイエンティスト
データサイエンティストとは、さまざまなデータから必要な情報を収集・分析を行う仕事です。マーケターとデータサイエンティストはデータ収集・分析という点で似ている職種ではありますが、
- マーケター:データ収集・分析を行い商品が売れる仕組みを作る
- データサイエンティスト:データの分析・解析
となり、よりデータ分析に優れている仕事です。とはいえ、膨大なデータから必要なデータだけを抽出し分析を行うのは時間と労力が伴ううえに経験や能力によって予測結果が異なります。
Pythonが得意とするデータ処理・分析では、高い結果でありながら波がない分析結果を導き出すことが可能です。
Pythonに関する知識は今後も需要が高まる
本記事ではPythonの概要や使用されている理由について詳しく解説しました。
扱える人材が多いPythonですが、IT人材不足は以前として深刻化しています。また、AIはこれからもビジネスや私生活で使用されることが増えると考えると、Pythonを扱えることは大きな武器と言えるでしょう。
将来性の高いプログラミング言語であるため、習得しておくべき言語と言えます。「習得方法がわからない」「これからPythonを習得していきたい」と考えている方は下記セミナーの受講を検討してみてはいかがでしょうか。
