近年はIT技術の高度化に伴い、IT技術の導入を行う企業が多くなっています。
その中で事務を中心とした作業を自動化する「RPA」の導入企業も増えてきており、RPAの開発や運用に携わる「RPAエンジニア」の需要も高まっています。
需要が高まっていることもあり、RPAエンジニアを目指す方も多いのではないでしょうか?
ですが、実際には多くの役割やスキルが求められるのが現状です。
そこで本記事では、RPAエンジニアの仕事内容や求められるスキルを紹介していきます。
また、年収相場や将来性についても解説していきますので、最後までご覧いただいた上で本記事を参考にRPAエンジニアを検討してみてはいかがでしょうか。
RPAエンジニアとは?
RPAエンジニアとは、RPA(ソフトウェアによる業務自動化)を開発・保守・運用を行う職種です。
所属する企業によって、エンジニアの役割は異なりますが、主に2種類のエンジニアが存在します。
- 開発エンジニア
- 保守・運用エンジニア
それぞれについて紹介していきます。
RPA開発エンジニア
RPA開発エンジニアは、RPAのツールを使用しながら企業の業務に合わせたロボットを構築します。
特に重要となるのが、RPAの動作シナリオを作成することです。
動作シナリオとは動作手順であり、ロボットは設定された動作手順で作業を行います。
どのレベルまで作業を自動化するのかを決める上では企業の業務効率化を担う重要な役割だと言えます。
RPA保守・運用エンジニア
RPAは開発をして終わりではありません。
開発はあくまでもプロセスで開発したRPAツールで実際に運用を行い、エラーなど不具合が出た場合にはロボットの修正などを行う必要があります。
その役割を担うのがRPA保守・運用エンジニアです。
また、問題なく運用をできたとしてもより効率化・高品質化を目指しRPA業務を定着化させる必要があるためRPAの保守・運用エンジニアも重要な役割だと言えます。
RPAエンジニアの仕事内容
ここからはRPAエンジニアの仕事内容について紹介していきます。
主な仕事内容については下記4つが挙げられます。
- RPAコンサルタント
- 導入・開発
- 業務設計
- 保守・運用
それぞれについて詳しく解説していきます。
RPAコンサルタント
RPAコンサルタントとは、RPA業務の具体的な提案から導入・開発・運用・保守までのサポートや導入後のレポーティングなど様々な役割を担います。
また、クライアントの会社においてもRPA導入を必要としている業務を選定する必要があります。業務内容を総合的にみてどの業務がRPAに適しているかを見極める必要があります。
導入企業の業務プロセスをヒアリングする必要もあるため、コミュニケーション能力も求められます。
RPAコンサルタントはプログラムの知識からRPA導入時の動作シナリオの選定など幅広くスキルが必要になってきます。
導入・開発
RPAの導入・開発ではクライアントの業務フローや業務ツールなどの分析を行い、企業の業務に合わせた動作シナリオを構築します。
導入時では、方向性を練るために業務プロセスの洗い出しを行います。
どの部分を重点的にRPAで適用するのかなど見極める力が必要になってきます。
方向性が決まると、実際に動作シナリオの構築を行い企業にあったRPAの開発を行います。
この際には業務プロセスをしっかり把握できているかが重要となります。
業務設計
業務設計では、自動化する業務を選定しRPAで自動化できるかを判断する役割を果たします。
一見、導入時と業務が似ているのではと思うかもしれませんが業務設計では、RPAで業務を自動化した際に本当に効率化がいいのかを見極める必要があります。
RPAはすべての業務に適しているわけではありません。業務によっては人間が作業を行う方が正確かつ効率がいい場合もあります。
そういった選定は業務設計で重要な役割と言えます。
ただし、業務設計はプログラミング知識が不要のため、RPAエンジニアの業務において未経験でも入りやすい職種です。
保守・運用
RPAは導入して終わりではなく、導入後どれだけ上手く活用していくかが重要になります。
より上手く活用し業務を効率化するために、マニュアルの作成を行うこともあります。
RPAを使い続けると不便に感じることやエラーが出る場合もあります。
そんな時には機能の拡張や修正対応を行わなければいけません。
プログラミングの知識も必須になってきますので、RPAエンジニア未経験者には少しハードルが高いといえます。
RPAエンジニアに求められるスキル
RPAエンジニアになるには必要なスキルや持っておくべき知識もあります。
ここで紹介するスキルは持っておくことで転職など有利に働きますので、ぜひ参考にしてください。
システム開発の経験
RPAツールはプログラミングスキルを持っていることを前提として作られているため、プログラミング知識がないと開発・保守・運用を行うことが難しい可能性があります。
プログラミングスキルを持っていればシステム開発の経験がなくとも、RPAエンジニアになることは可能です。
しかし、RPAエンジニアの需要増加により即戦力を必要としている企業も増えています。
システム開発経験があれば、転職など有利に働く場面が多くあると言えるでしょう。
RPAツールの経験
RPAツールの開発や運用に携わったことがあれば、即戦力として活躍できます。
近年では様々なツールが出てきています。特に有名な「WinActor」や「UiPath」など導入企業も多く採用にも有利に働く場面もあります。
また、RPAツールの経験があればクライアントの要望の意図なども汲み取りやすくなるため、業務が円滑に進みやすくなります。
あくまでも経験があれば有利ということなので、プログラミング知識があればRPAエンジニアになることは可能です。
RPAツールについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
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Access、Excel VBAなどの経験
Accessとはデータベースを扱うための定番ツールの1つで、データの収集や保存をする際に便利な機能を備えています。
多くのビジネス現場で使用されているため、使用経験があるとRPAエンジニアで活躍しやすいでしょう。
Excel VBAとはExcel上でデータを組み合わせて一連の処理を行うマクロを記述するためのプログラムです。
具体的には、Excelで使用できる言語であり、独自のフォームを作成しExcelをアプリのように見せることができます。
また、Excel VBAを使用できればRPAツールの動作シナリオの設計や業務プロセスの理解に応用も可能になります。
AccessやExcel VBAの知識や実務経験などあればRPAエンジニアの仕事に役立つことができます。
RPAエンジニアの年収相場
RPAエンジニアの平均年収は約549万円となっています。
また、月収に換算すると約46万円となっており年収、月収を見ても日本の平均と比較すると高い傾向にあります。
ただし、勤務先や経験、持っている資格やスキルによっても変動します。
下記表にRPAエンジニアの「正社員」「派遣社員」「アルバイト・パート」それぞれの年収を紹介します。
雇用形態によっても年収は変わりますので、ぜひ参考にしてみてください。
雇用形態 | 平均年収(契約社員、パートは時給記載) |
正社員 | 549万円 |
契約社員 | 2,098円 |
パート・アルバイト | 1,195円 |
引用:求人ボックス
RPAエンジニアに将来性はあるのか?
在宅ワークの増加や人手不足により、業務の効率化が迅速に求められています。
業務の効率化のためにRPAを導入する企業は増えてきており、RPAエンジニアの需要はこれからも高まっていくとされています。
また、近年では大企業だけでなく中小企業のRPA導入も増えています。
中小企業も導入を始めると業務効率化の競争が激化するため地方企業の導入も始まると思われます。
様々な場所や場面で必要になってくるRPAエンジニアの将来性は明るいと言えるでしょう。
RPAエンジニアは未経験でもなれる?
RPAエンジニアの将来性があるとわかれば、本格的にRPAエンジニアへの転職を検討する方も多いのではないでしょうか?
結論からお伝えすると未経験でもRPAエンジニアになることは可能です。
ただし、職種によっては未経験では難しい場合もあります。
例えば、RPAツールの保守・運用はプログラミング知識が必要になるため、未経験では難しいでしょう。
未経験からRPAエンジニアを目指したい場合は、業務設計などプログラミングの知識を必要としない職種であれば可能です。
また、最近では人材不足により未経験でもRPAエンジニアの募集をしている企業もあり、入社後にスキルや資格の取得を支援している企業もあります。
RPAエンジニアに向いている人
RPAの導入で業務の効率化や自動化を図り、生産性を高め業務改善を繰り返せる人がRPAエンジニアに向いていると言えます。
RPAエンジニアはよくロボットの制作を好きな人が向いていると言われますが、あくまでも一部であり導入を行い業務効率化を図ることが目的です。
また、企業の業務のヒアリングを行うことも重要になるため、コミュニケーションが得意な人も向いていると言えます。
しっかりと業務のプロセスを聞き、理解ができればRPAツールも運用しやすくなります。
RPAエンジニアは人材不足になっている
RPAエンジニアと聞くと、一見難しく感じますが、未経験でも目指せる職業です。
今はIT業界も人材不足で未経験でも求人を募集している企業も増えています。
もちろん、入社できたとしても活躍は簡単ではありません。
スキルや資格を身につける必要がある上に、RPAツールの性能も変わってきますので新しい技術も習得する必要があります。
まずは自分に向いているのか、やりたい仕事なのかを分析し検討して上でRPAエンジニアを目指しましょう。
