RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション:ソフトウェアによる業務自動化)とは、パソコン上での定期的な作業を自動実行する技術です。
RPAを導入するにあたって最も重要視するのが価格という方も多いのではないでしょうか。
種類によって価格は異なりますが、お金を支払ったのに自社では全く使えないといった事があれば損をしてしまいます。
そこで本記事では、RPAの種類別導入価格や価格の内訳について解説していきます。
また、導入する際のポイントや費用負担を軽減する補助金制度なども紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
RPAの導入にかかる価格の相場
RPAの導入・運用には様々な費用がかかります。
主にかかる費用は6つです。
- RPAツールのライセンス費用(サブスク型)
- RPAツールの初期費用
- 保守費用
- 開発委託費用
- 導入支援費用
- その他
RPAの導入に際して、ライセンス費用はもちろんですが最小規模から使い始めるとしても費用の合計を出すと、相場は以下表の通りです。
RPAの開発運用、スキル習得を全て自身で行う | 1ヶ月当たり:5,000~10万円ほど |
RPAの開発運用 | 1ヶ月当たり:10万円〜20万円ほど |
RPAを全て外部委託で開発運用 | 1ヶ月当たり:100万円〜200万円ほど |
上記の各ケースに加えて別途かかる費用 | 0円〜70万円ほど |
6つの費用についてそれぞれ解説していきます。
①RPAツールのライセンス費用(サブスク型)
RPAのツールを導入する前には必ずRPAのライセンスツールが必要になります。
国内で出回っている主要なRPAツールは買い切り型プランはなく、月額制か年額制のサブスクリプション型が一般的になります。
また、RPAツールには「クライアント型」「サーバー型」「クラウド型」の3タイプがあります。それぞれライセンス費用も異なります。
各タイプのライセンス費用はそれぞれ異なりますが、最小限の構成で使い始める場合には、
- クライアント型:1ヶ月あたり5,000円~12万円
- サーバー型:1ヶ月あたり8万円〜20万円
- クラウド型:1ヶ月あたり10万円〜20万円
が目安となっています。
②RPAツールの初期費用
ライセンス費用とは別に初期費用を設定しているRPAツールもあります。
これは導入に際しての事務手続きや操作方法の説明などをサポートするサービスの対価となります。
初期費用が発生する場合の相場は、おおよそ10万円〜50万円となっています。
③保守費用
RPAの稼働時に故障やエラーが出てしまい、自力で復旧が難しい場合は外部への依頼が必要になります。
具体的な故障内容や体制にもよりますが、故障やエラーに備えエンジニアに常駐してもらう場合には月額60万円〜130万円ほどが必要となります。
④開発委託費用
RPAツールを導入後、使いたいロボットウェアを社内開発できない場合は、ロボット開発を外注する選択肢もあります。
外部のエンジニアにRPA開発を委託する場合には、ソフトウエア1体あたりおよそ10万円〜30万円が相場になります。
⑤導入支援費用
RPAツール導入の際に、エラー発生時の問い合わせ対応や社内開発者へのアドバイスなどRPAの導入サポートが標準でなくオプションになるRPAツールもあります。
そうした製品では、チャットでのサポートやアドバイスといったサービスを受ける場合に、月額およそ5万円〜10万円の費用がかかります。
⑥その他
RPAツール導入には上記5つの項目以外に、バージョンアップ費用や自社で運用する場合には人件費等も必要になってきます。
また、自動化する業務の範囲を広げるのであればサーバーを構築して対応できる費用も必要になります。
その他の費用もプラスで考えておきましょう。
導入価格を軽減する補助金制度
RPAの導入に関する費用は決して安くはありません。
むしろ想像より高いといった方も多いのではないでしょうか?
RPAの導入費用を軽減する際に役立つのが、国や自治体の各種補助金制度です。
2023年時点で使用できる補助金制度は主に3つです。
- ものづくり補助金
- IT導入補助金
- 小規模事業者持続化補助金
それぞれについて詳しく解説していきます。
ものづくり補助金
ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者を支援対象として補助金制度です。
具体的には、工場の設備投資や企業の生産性を向上させるためのITツールの導入・開発に使用されるケースがみられます。
2023年の第15次ものづくり補助金の金額は「下限100万円」「上限4000万円」となっています。
また、申請枠は
- 通常枠
- 回復型賃上げ、雇用拡大枠
- デジタル枠
- グリーン枠
- グリーン市場開拓枠
こちらの5つが設けられています。
IT導入補助金
IT導入補助金とは、ITツールの導入を検討している中小企業・小規模事業者を支援する補助金です。
申請枠は3つあります。
- 通常枠(A類型、B類型)
- セキュリティ対策推進枠
- デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入型・複数社連携IT導入型)
補助金額は申請枠や各類型によって異なりますが、上限額は最大で450万円です。
下限額は2023年度で撤廃されています。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は社員数が5名以下〜20名以下の小規模事業者を対象とした補助金です。
申請枠は5つあります。
- 通常枠
- 賃金引き上げ枠
- 卒業枠
- 後継者支援枠
- 創業枠
補助金額の上限は通常枠で50万円、残りの4枠はそれぞれ200万円と設定されています。
他の補助金より低く上限が設定されていますが、クラウド型など比較的低コストなRPAツールであれば十分に導入可能な補助額だと言えます。
RPAを導入する際のポイント
RPA導入の大まかな価格についてわかっていただけたかと思います。
ここからはRPAの導入に失敗しないためのポイントについて解説します。
自社の用途に合っているか
RPAツールを導入する際に導入の目的や活用すべき業務の選定などを明確にしておきましょう。明確にせず導入してしまうと高いお金を払って導入したのに使えないといったケースもあります。
例えば、終業後も稼働するのであれば、スケジュール実行のライセンスが安いものを選ぶなど明確にリストアップしておきましょう。
サポートが充実しているか
RPA導入の際には、サポートが充実しているか確認しましょう。
オンラインでの対応は可能なのか、費用はいくらかかるのか、RPAツールごとにサポート体制は様々です。
RPA導入時には必ず各ツールの評判を調べるようにチェックしておきましょう。
無料で試すことができるか
自社の用途にあっているかをどれだけピックアップしていても、いざ使用してみると使用できないといった可能性も0ではありません。
実際に無料で試してみることで、費用をかけてまで導入するツールかどうか見極めましょう。
RPAツールの価格一覧
ここからはRPAツールの価格を紹介していきますが、RPAツールは「要問い合わせ」など価格が表示されていないケースが多いです。
なぜなら、RPAツールはそれぞれの企業に合わせてカスタマイズしながら開発する必要があるため明確な価格は表示できないのです。
上記を踏まえ、主要なRPA提供会社の価格を紹介していきます。
提供会社 | 価格 | |
WinActor | NTTアドバンステクノロジ株式会社 | フル機能版:998,800円/PC1台(1年間)
実行版:272,800円/PC1台(1年間)
|
BizRobo! | RPAテクノロジーズ株式会社 | 要問い合わせ 【参考価格】 BizRobo! Basic(サーバー型 ロボット実行無制限)720万円(1年間)BizRobo! Basic(サーバー型 ロボット同時実行台数1台)120万円(1年間)BizRobo! mini(デスクトップ特化型 ロボット同時実行数1台)90万円(1年間) |
RoboTANGO | スターティアレイズ株式会社 | 【最低価格】 初期費用10万円 ※最低利用期間1ヶ月 |
UiPath | UiPath株式会社 | 要問い合わせ 無料版と有料版の2通りのツール展開 |
SynchRoid | ソフトバンク株式会社 | 要問い合わせ 【参考価格】 ライトパック(1ライセンスで1つの実行)900,000円(1年間)ベーシックパック(1ライセンスで10人同時アクセスが可能)600,000円(1ヶ月) |
Blue Prism | Blue Prism社 | 要問い合わせ 【参考価格】 1,380,000円(1年間)(サポート込み) |
BizteX cobit | BizteX | 要問い合わせ トライアルプラン(1週間)無料 |
引用:https://exidea.co.jp/blog/work-efficiency/rpa/rpa-price/#RPA202311
以上が主要なRPAツールの導入価格表です。
あくまでも目安として考え、導入時にかかる費用だけでなく、開発・導入・運用の全てで考えましょう。
年間価格が安い!おすすめRPAツール
RPAの導入価格や導入のポイントなどを紹介しましたが、結局どのツールがいいの?と迷いますよね。
数あるRPAツールから、導入には使い勝手が良く、価格を抑えられるツールを紹介します。
また、他のおすすめツールに関してはこちらからご覧ください。
RoboTANGO
RoboTANGOは複数人で利用ができ、初心者のために開発されたRPAツールです。
導入価格も他のRPAツールに比べて安く導入できるだけでなく、ロボットの操作や作成が簡単であるため安心して使用することができます。
また、デスクトップ型RPAですが複数人で使用できることも特徴で様々な業務を1台で自動化できるRPAツールです。
RPA導入時は価格をチェックしておこう
RPAツールの導入価格は決して安いものではありません。
導入にあたって、ライセンス費用だけでなく運用費用やサポート費用などその他費用も発生する場合があります。
しかし、価格だけを比べて最安値で選ぶのでなく自社の導入目的にあったものを見極め、価格以上の効果を得ることが重要です。
まずは無料で試してみて、その後に価格で比較し検討してみましょう。