製造DXの初歩に導入すべきPLMソフトウェア。
その中でも、PLMソフトウェアシェア率No.1を誇るシーメンスのPLMソフトウェアが気になっている方もいるのではないでしょうか?
- 「シーメンスのPLMソフトウェアとは何ができるのだろうか?」
- 「他のPLMソフトウェアとは何が違うのだろうか?」
- 「シーメンスのPLMソフトウェアを導入すると、どのような効果が見込めるのか?」
今回は、シーメンスのPLMソフトウェアについて解説します。
この記事を読めば、シーメンスのPLMソフトウェアを導入すべきか判断できるようになるため、ぜひ参考にしてみてください。
PLMソフトウェアとは
PLMソフトウェアとは、製造業の製品ライフサイクル(企画・開発・調達・製造・販売・梱包・使用・再生・廃棄)データを一元管理するためのものです。
製品ライフサイクルデータを一元管理することで、以下のようなモノづくり体制の強化ができます。PLMソフトウェアの効果は以下の通りです。
- 製品設計図の変更履歴やBOM情報を瞬時に取り出せるようになる
- 他部門のリアルタイムの情報が共有されて情報伝達ミスを防げる
- 在宅勤務者でも設計業務が行えるようになる
- 3DCADデータをタブレットやスマホで開けて営業活動が効率化できる
- 企類似の過去データを取り出して製品設計に流用ができる
そのため、製造DXを実現するために欠かせないものとして導入する企業が増えてきました。
PLMソフトウェアの機能、導入効果などについて知りたい方は、下記の記事を読んでみてください。
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シーメンスのPLMソフトウェアとは
シーメンスのPLMソフトウェアには、以下のような特徴があります。
販売実績が豊富で世界No.1のシェア率を誇る
株式会社シーメンスは、PLMソフトウェアの分野では世界をリードする企業です。
PLMシステムを開発・販売・導入・運用サポートして、数多くの企業を支援しています。
世界でPLMソフトウェアを販売しており、140,000以上のお客様にサービスを提供しています。
導入事例も900件以上と多くの海外企業に導入されていることがわかる製品です。
多くの企業に導入されている理由は機能性が高いことと、お客様の要望をヒアリングしてシステムを構築してくれるためです。
機能性が高いPLMソフトウェアを提供
シーメンスPLMソフトウェアが選ばれる理由は、機能性が高いPLMソフトウェアを提供しているためです。
例えば、設計BOMと製造BOMを連携する機能だけでなく、熱や音、揺れを3Dで可視化できる「Simcenter STAR-CCM+」や独自のアルゴリズムで最適解を導く「HEEDS」などの機能が搭載されています。また、PLM Componentsが提供されており、お客様が機能する機能を追加、拡張することも可能です。
SaaS型サービスを提供
シーメンスのPLMソフトウェアのTeamcenterは、オンプレミス・クラウド・SaaSと好みの導入方法を選択できます。一般的に他の企業が提供しているのはオンプレミスまたはクラウドです。
その一方、シーメンスはSaaS型を提供しているため、必要な分を必要なだけ契約することができます。とても便利なため、ベンチャー企業などがSaaS型サービスを導入しています。
シーメンスのPLMソフトウェアの製品一覧
シーメンスのPLMソフトウェアは
- Teamcenter
- NXCAD
- Tecnomatix
- PLM Components
の4つの製品があります。
シーメンスのPLMソフトウェア①Teamcenter
Teamcenterは製品ライフサイクルのデータを収集するだけでなく、あらゆる人を結びつける役割を持つPLMソフトウェアです。
Teamcenter内で設計図を変更すると同期され、プロジェクトメンバーが全員、最新版を見れるようになります。それだけでなく、要望などがある場合はコメントを追加することも可能です。
つまり、社内・社外のメンバーの製品設計を円滑に進められるようになります。
したがって、リバースエンジニアのため外部企業と打ち合わせがある方などにおすすめです。
同製品は、オンプレミス・クラウド・SaaSと好みの方法で導入できます。
シーメンスのPLMソフトウェア②NXCAD
NXCADは製品設計を効率化するための役割に長けたPLMソフトウェアです。
NXCADを導入すると以下の機能が活用でき、50%ほど設計業務が効率化でき、20%程度、納期が短縮できます。
NXCADには、以下の機能が搭載されています。
- MCAD:モデリング設計やモデルベース定義を効率化する
- ECAD:産業用電気設計やワイヤーハーネス設計など電気設計を効率化する
- CADワークフロー:設計のプロセスを可視化する
- 自動化設計:メカトロニクスや工場設計を効率化する
- CADの相互運用:異なるCADを使用してもデータの互換性を確保する
このような機能を活用することで、製品設計業務を効率化していけます。
シーメンスのPLMソフトウェア③Tecnomatix
Tecnomatixとは、製品ライフサイクルのデータを管理して製造を効率化していくためのPLMソフトウェアです。製造プロセスをシミュレーションしたり、現場データと擦り合わせて最適化することで、より良い製造現場づくりを実現します。
製造現場のロボットの動作パスとプロセスを作成、検査、検証したり、オペレーターが快適に作業できる環境を検査、検証したりすることが可能です。
製造ラインを設計したり、製造工程計画を効率化していくために活用します。
シーメンスのPLMソフトウェア④PLM Components
PLM Componentsとは、シーメンスのPLMソフトウェアと連携できるツールキットです。
例えば、D-Cubedを活用すればCADに機能(パラメトリックスケッチ、アセンブリ拘束、モーションシミュレーション、衝突検出)などが付与でき、設計業務を効率化できます。
また、Visualizationを活用すれば、CADデータで起こしたデータのデザインが選べるようになります。このように、ツールキットが提供されていることもシーメンスPLMの魅力です。
シーメンスのPLMソフトウェアの活用事例
Hall Designsはアメリカ合衆国でモータースポーツ業界向けにパーツや治具を製造している会社です。
リバースエンジニアリングのサービスを提供しているため、3Dデータ化して、新たな車両デザインを考案しています。
車両デザインをするにあたり、顧客とやり取りをしながら最適なデザイン、性能を見つけなければいけません。このやり取りを円滑に行うため、シーメンスのPLMソフトウェア「Teamcenter」を導入しました。
Teamcenter内で設計図を変更すると同期され、プロジェクトメンバーが全員、最新版を見れるようになります。それだけでなく、要望などがある場合はコメントを追加することも可能です。
つまり、離れた場所にいる顧客と設計図についてやり取りするときの効率化ができて、75 ~ 80%の時間を削減することに成功しました。
シーメンスのPLMソフトウェアに関するよくある質問
最後にシーメンスのPLMソフトウェアに関するよくある質問をご紹介します。
世界では圧倒的なシェア率を誇るシーメンスのPLMソフトウェアですが、国内シェアは3%にしか過ぎません。日本企業の大半は国内メーカーのPLMシステムを導入しています。
その理由は、シーメンスの機器は海外で製造されており、取り寄せに時間がかかったり、PLMの操作マニュアルも英語のため使いづらさを感じたりする方が多いためです。
そのため、操作がしやすいPLMソフトウェアをお探しの方は、別のPLMソフトウェアをおすすめします。
シーメンス以外のPLMソフトウェアをお探しの方は、下記の記事を読んでみてください。
製造DXを実現するために情報を繋ぐ基盤となる「PLMシステム」が注目されており導入する企業が増えています。しかし、さまざまな製品が販売されており仕様書に記載されている内容も複雑なため「PLMシステムの違いがわからない…」悩んでしまうかもしれ[…]
PLM Componentsの拡張キットを活用すれば、数百のアプリを追加することができます。
そのため、自社に見合った製造DXを推進していけます。
とくに、SaaS型のPLMソフトウェアを提供していることが、他の製品との違いになるためベンチャー企業から選ばれている製品です。
日本法人もお問い合わせをすれば、導入支援してもらえます。
商号 | シーメンス株式会社 |
創立 | 2001年12月20日 |
代表者氏名 | 堀田 邦彦 |
住所 | 〒141-8641 東京都品川区大崎1丁目11番1号 ゲートシティ大崎ウエストタワー |
電話番号 | 03-6259-1175 |
シーメンスのPLMソフトについてまとめ
シーメンスのPLMソフトウェアは、販売実績が豊富で世界No.1のシェア率を誇ります。
機能性・拡張性が高いことやオンプレミス・クラウド・Saasと導入形態が選べることが大きな魅力です。
しかし、英語のマニュアルが用意されていないため操作しにくく、国内のシェア率は低いです。
このようにメリット・デメリットがあるため、シーメンスPLMソフトウェアの特徴を踏まえた上で、自社に見合ったシステムかどうかを判断して導入するようにしましょう。