PLMソフトウェアを導入したいけれど、自社に見合うものを開発してもらえるか不安だと悩みを抱えていませんか?このような悩みを抱えたときは、PLMソフトウェア開発を得意とするベンダーに相談してみましょう。
今回は高いシェアを占める人気ベンダーをご紹介します。
この記事を読めば、ベンダー別のPLMソフトウェア開発方法の違いが分かるようになるため参考にしてみてください。
PLMソフトウェアとは
PLM(Product Lifecycle Management)ソフトウェアとは、製品ライフサイクル(企画・開発・調達・製造・販売・梱包・使用・再生・廃棄)のデータを一元管理するためのシステムです。
2000年代に登場し、モノづくり体制を強化できるとして、さまざまな企業で導入され始めました。PLMソフトウェアの主な機能には、以下のようなものがあります。
データ管理 | 図面やドキュメント、BOMなどあらゆるデータを一元管理する |
データ共有 | クラウド上でデータ共有をして共同作業を行う |
データ検索 | キーワード検索を使用して欲しい情報を瞬時に取り出す |
ワークフロー管理 | 設計のワークフローの申請・承認を行う |
セキュリティ | データにアクセスできる人に制限を設ける |
ポートフォリオ | 開発現場のデータを収集して商品開発に役立てる |
要件管理 | 商品開発の要件を管理して満たしているかを確認する |
開発スケジュール管理 | 製品の製造コストを集計する |
取引先情報管理 | 取引先の情報を管理して調達コストの比較などを行う |
技術文書の管理 | お客様に提案する技術文書を瞬時に取り出す |
PLMシステムについて詳しく知りたい方は、下記の記事をお読みください。
PLMソフトウェアのメーカー企業のシェア率
産業用製品メーカー比較サイト「Metoree」の独自調査では、メーカーのPLMソフトウェアのシェア率が発表されています。
- 株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズ:18.2%
- キヤノンITソリューションズ株式会社:15.7%
- 株式会社図研:12.4%
- 株式会社日立システムズ:10.7%
- コベルコシステム株式会社:7.4%
引用:『Metoree 2023年09月の注目ランキングベスト10』
シェア率を参考にすると依頼先が決めやすくなりますが、各ベンダーで開発方法が異なるため、自社に見合う会社を選ぶようにしましょう。
おすすめのPLMソフトウェアベンダー5選
高いシェアを占めるメーカーのPLMソフトウェアはなぜ人気なのでしょうか?
ここでは、人気ベンダーのPLMソフトウェア開発の特徴について解説します。
NTTデータエンジニアリングシステムズ
NTTデータエンジニアリングシステムズは、ダッソーシステムズを活用したPLM導入支援をしています。2023年1月に、PLM関連サービスを提供しているTECHINAとパートナーシップを締結を発表しました。
車両設計のコンプライアンスやアーキテクチャの検証が行えるソフトウェアや、3Dモデルの修正前後を比較するソフトウェアなどが高度なPLMソフトウェアを提供しています。
キャノンITソリューションズ
キャノンITソリューションズは、5種類のPDM/PLMソリューションを取り扱っています。
- 文章や図面管理に特化したソフトウェア「FullWEB」
- PDM機能が搭載されているソフトウェア「PDM」
- 設計・生産の双方向連携ができるソフトウェア「mcdramePLM」
- 製品ライフサイクル全般のデータを一元管理するソフトウェア「Windchill」
- 高度な管理機能でチームワークを強化するソフトウェア「Teamcenter」
お客様の要望に合うパッケージ製品を選びカスタマイズすることで、希望する予算内や期間内で理想のソフトウェアを開発できることが強みです。
図研
図研は、ラティス・テクノロジー社が開発した3Dデータ軽量化技術であるXVLテクノロジーを活用し、BOMのビジュアライゼーションが行えるPLMソフトウェアを提供しています。
BOMと3Dモデルのハイライト表示や類似部品の検索などが行えます。
また、構成行数が多いBOMデータの展開する際に遅延が起きないように、素早くシステム応答できるように開発されているため、業務が停滞することもありません。
そのため、設計図の再利用や原価計算、企画開発、購買の強化ができます。
日立システムズ
日立システムズは、ライセンスフリーのAras InnovatorをカスタマイズしてPLMソフトウェアを構築します。ライセンスフリーの製品を活用することで、その分のシステム構築費用を開発に充当することが可能です。
また、日立システムズは業務基幹システムの開発実績が豊富にあるため、その他のシステムとの連携なども相談できます。
コベルコシステム
コベルコシステムはライセンスフリーのAras Innovatorで作ったテンプレートを用いて開発していることが大きな特徴です。多くのPLMソフトウェアを構築してきて、お客様からの要望が多い機能がテンプレートに盛り込まれています。
テンプレートを使用してPLMソフトウェアを開発することで、短納期のシステム導入を実現します。そのため、簡易的にPLMソフトウェアを作りたいとお考えの人におすすめです。
おすすめのベンダーを紹介しましたが、PLMソフトウェア導入はパッケージを選んでカスタイズすることが大切です。そのため、どのようなパッケージ製品があるか知りたい方は下記の記事を読んでみてください。
PLMソフトウェアの導入方法
ベンダーが販売・提供するPLMソフトウェアの導入方法は以下の通りです。
ベンダーにお問い合わせをする
まずは、ベンダーにPLMソフトウェアを導入したい旨を伝えます。お問い合わせした後、ベンダーのヒアリングされるため、下記内容を伝えるようにしましょう。
- 業務上で抱えている課題
- 現在取り扱っているデータ
- PLMソフトウェアに関する希望
詳細に内容を伝えることで、自社に見合ったシステム開発の提案が受けられるようになります。
ソフトウェアの仕様と見積金額の提案を受ける
ベンダーがヒアリングした結果を参考にしながら、ソフトウェアの仕様書と見積書を作成してくれます。各書類を見て「課題を解決できそうか?」「要望を反映してくれているか?」をチェックしましょう。
さらに要望がある前には修正を依頼して契約するようにしましょう。
契約前にソフトウェアの開発だけでなく、マニュアルを作成してもらえるかを確認しておくとスムーズに導入できます。
ソフトウェアの導入試験をする
ソフトウェアを開発したらテストを実施します。
テスト時でも自社データを使うと、どのように活用していくツールなのかイメージしやすくなります。そのため、システム開発最中に自社データを使ってテストしたい旨を伝えておきましょう。
ソフトウェアにデータを登録して運用する
ソフトウェアのテストで問題がなければ、社内データを入れてもらい納品してもらいます。
必要に応じてPLMソフトウェアの操作方法に関する講座を開いてもらいましょう。
レクチャーを受けることで、従業員がPLMソフトウェアを上手く活用していけるようになります。
PLMソフトウェアのメリット
PLMソフトウェアを導入すると、欲しい情報に瞬時にアクセスできるようになります。
クラウド上にデータを保管しておけば、会社のPC以外(スマホや自宅PC)からデータにアクセスすることも可能です。
また、アクセス権限を付与してサプライヤーと情報を共有することも可能です。
また、製造現場のデータをIoTで収集して分析し商品企画に役立てる、サプライヤーの調達コストを比較検討するなどDX推進に取り組めます。
PLMソフトウェアのデメリット
PLMソフトウェアの導入に失敗してしまうことがあります。
なぜなら、ソフトウェアのパッケージを導入しても、自社の業務にピッタリ合うものはなくカスタマイズしなければいけないためです。
ITに詳しい人がいなければ、どのようなカスタマイズをして欲しいか要望が言えません。
また、ITを不得意とする人が多いと、PLMソフトウェアを導入したのに上手く活用できないという事態に陥ります。
つまり、社内の従業員にPLMの操作方法を教えなければいけず労力がかかります。
PLMソフトウェアの活用事例
株式会社yutoriは「9090」「genzai」「PAMM」などの複数のファッションブランドを運営している会社です。複数のブランドを展開しており、繊維商社を中心としたサプライヤーと共同で商品開発をしており、企画書や見積書、発注書、納品書を送るときにメールやチャットなどさまざまなツールを利用していました。
その結果、コミュニケーションの負担が大きくなっていたのです。
また、商品に関するデータをエクセルで管理した結果、情報共有が上手く行えていませんでした。このような問題を解決するためにPLMソフトウェアを導入した結果、サプライヤーとの認識ミズが起きにくくなり、コミュニケーションコストが削減できました。
おすすめのPLMソフトウェアについて まとめ
PLMとは、製品ライフサイクルのデータを一元管理するためのシステムです。
PLMソフトウェアを導入すると、欲しい情報に瞬時にアクセスできたり、サプライヤーとの情報共有を効率化できたりします。
IoTで取得したデータを集めて分析するなどDX推進に欠かせない情報基盤です。
この記事では、PLMソフトウェア開発のシェアを占めているベンダーの特徴をご紹介しました。
気になるベンダーを見つけた方は、これを機会にお問い合わせをしてみてください。