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【2024】金属3Dプリンターおすすめ6選!価格や種類別の特徴も解説

金属加工業界や製造業界で近年注目されているのが金属3Dプリンターです。
方式や特徴が異なるさまざまな種類の金属3Dプリンターが登場しており、すでに導入する業界や企業も出てきています。

ここでは、金属3Dプリンターのおすすめ機種や価格、メリット・デメリット、使用する際の注意点などを含め、金属3Dプリンターの概要をお伝えします。

金属3Dプリンターとは?

金属3Dプリンターとは金属材料を使用できる3Dプリンターです。一般的な3Dプリンターは樹脂を使用しますが、金属3Dプリンターは金属材料を粉末化し、積層する方法を取ります。
機種によってはステンレス鋼・工具鋼・銅やチタン合金などを使えるものもあり、強度や耐久性の高い部品や製品を作ることが可能です。

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金属3Dプリンターの種類

金属3Dプリンターの種類

一口に金属3Dプリンターといっても、さまざまな方式のものが販売されています。
ここでは代表的な2種の金属3Dプリンターの特徴をご紹介します。

パウダーベッド融解法

10から60マイクロメートルの金属粉末を敷き詰め、熱源のレーザーあるいは電子ビームをあてて溶かし固めていく方式で、金属3Dプリンターの中で主流の方式です。
なお、パウダーベッド融解法の金属3Dプリンターは、ビームの種類により操作性に差が出ます。

レーザービームの金属3Dプリンターの場合は、窒素などの不活性ガスを使用し、ビームの位置決めはミラーで機械的に行ないますが、電子ビームは真空状態で、位置決めは磁界を使った電子的な方法がとられます。そのため、電子ビームの金属3Dプリンターの方がレーザービームに比べて高速での位置決めが可能です。

ディレクトエネルギー堆積法

金属粉末を噴射したのと同時にビームをあて、溶かした金属材料を造形部分に積層・凝固させる金属3Dプリンターです。ディレクトエネルギー堆積法は、指向性エネルギー堆積法(DED)またはディポジション方式と呼ばれることもあります。

ノズルから金属パウダーを集積するように噴射するため、いわゆる「肉盛り」が可能な金属3Dプリンターです。そのため、欠損部分の補修や、金型・部品の補修にも活用されています。

金属3Dプリンターの方式には下記のようなものもあります。

金属3Dプリンターの方式 特徴
熱溶解積層方式(FDM) 金属の粉末を含んだ熱可塑性樹脂を押し出して積層する
バインダージェット方式(BJ) 敷き詰めた金属粉末に液体の接着剤を噴射して造形する

おすすめ金属3Dプリンター6選

金属3Dプリンターは上述に挙げた方式により、さまざまな製品が販売されています。
特徴や価格帯も多種多様です。
ここでは、おすすめの金属3Dプリンターを価格の低い順にピックアップしてご紹介します。

メーカー 製品名 価格
1 FLASHFORGE Adventurer3X 89,000円
2 Airwolf 3D EVO R 約50万円
3 Markforged METAL X 2,000万円台
4 三菱重工工作機械 LAMDA200 5,000万円台~
5 EOS M290 7,000万円~8,000万円
6 GE Additive Concept-Laser X Line 2000R 約1.7億円

おすすめの金属3Dプリンター1.FLASHFORGE「Adventurer3X」

FLASHFORGE Adventurer3X

引用:3DP id.arts

FDM方式の金属3Dプリンターで本体が9kgと軽量です。素材はABSやPLAがメインになりますが、ステンレス316Lも使えます。

こちらのプリンターの魅力は価格です。89,000円とリーズナブルで、価格の安さも手伝い、2020年末の時点ですでに1万台以上が売れています。作成した造形物は脱脂・焼結が必要になりますが、FLASHFORGEの代理店がそれらの作業を請け負います。

おすすめの金属3Dプリンター2.Airwolf 3D「EVO R」

Airwolf 3D「EVO R」

引用:セカプリ

小型の金属3Dプリンターになりますが、バランスが取れたスペックで、小規模工場で試作品を作るのに適しているほか、家庭用としても購入可能です。熱溶解積層方式を採用しており、40種類以上のフィラメントを使用して300x220x229mmまでの製品を作ることができます。
金属3Dプリンターの重量は25kgで、価格も約50万円と低く抑えられています

おすすめの金属3Dプリンター3.Markforged「METAL X」

Markforged「METAL X」

引用:イプロスものづくり

FDM方式の金属3Dプリンターです。造形サイズは300×220×180mmとなっており、使用できる金属素材が多く、今後はアルミニウムもリリースされることになっています。

造形後のサポート除去などが必要ですが、作業自体は比較的簡単であるため、使いやすい金属3Dプリンターと言えるでしょう。ランニングコストが安く、従来の金属3Dプリンターと比較して10分の1ほどで運用できます。プリンターの価格は2,000万円台です。

おすすめの金属3Dプリンター4.三菱重工工作機械「LAMDA200」

三菱重工工作機械「LAMDA200」

引用:3DP id.arts

ディレクトエネルギー堆積法の金属3Dプリンターです。
2019年3月に発売された際、世界初の新機能を搭載したことで話題を呼びました。

新機能の一つであるモニタリングフィードバック機能は、レーザー光と同軸上にカメラを設置し、造形中の変化をいち早く検出できるというものです。検出した変化量に基づき、造形位置やレーザー出力の制御が可能になっています。

もう一つの新機能であるローカルシールドは、溶解・凝固の過程で不活性ガスを噴射して空気の流入を防ぐことができます。造形中の金属の酸化を防止できる点がメリットです。
こちらの金属3Dプリンターの価格は5,000万円台からとなっています。

おすすめの金属3Dプリンター5.EOS「M290」

EOS「M290」

引用:ShareLab

金属3DプリンターのリーディングカンパニーであるドイツのEOS社の製品です。
パウダーヘッド方式の金属3Dプリンターで、多様な金属素材を使用し試作品から最終製品までの造形が可能です。造形サイズは250×250×325mmで、航空・宇宙分野の構造材となるマルエージング鋼も使用でき、金型作成も問題なく行えます。

こちらの金属3Dプリンターの優位性の一つが、金型に3次元水管を組み込めることです。
金型の冷却期間を短縮できるとともに、金型自体の品質向上につながる点がメリットです。
価格帯は7,000万円から8,000万円です。

おすすめの金属3Dプリンター6.GE Additive 「Concept-Laser X Line 2000R」

Concept-Laser X Line 2000R

引用:JAMPT

パウダーヘッド方式の金属3Dプリンターで、造形サイズは800×400×500mmです。
そのため最終製品の造形が可能で、航空業界や自動車業界などで使用実績があります。
価格は約1.7億円と上述で取り上げた金属3Dプリンターよりも高額です。

金属3Dプリンターのメリットとデメリット

大きな期待が寄せられる金属3Dプリンターですが、メリットだけでなくデメリットもあります。
従来の金属部品や製品の制作方法と比較して記載します。

金属3Dプリンターのメリット

金属3Dプリンターで作成する造形物は、形状を問わず加工時間はほとんど変わりません。
複雑な形状の造形物の場合、従来の工法ではいくつかのパーツに分けて作成し、継ぎ合わせる必要がありましたが、金属3Dプリンターではその必要がありません。
継ぎ目なく造形物を作ることで強度を上げられるのが良い点です。

高硬度の材質を加工する際、従来の工法では切削に時間がかかりますが、金属3Dプリンターでは材質による造形時間の変動がない点もメリットです。金型が必要ない分、金属3Dプリンターなら計変更が容易にでき、顧客の要望に沿った迅速な対応が可能になります。

金属3Dプリンターのデメリット

金属3Dプリンターは金型を使用する従来の工法に比べ、造形物一つ当たりのコストパフォーマンスは下がります。今のところ金属3Dプリンターの加工精度は低く、従来工法の公差の許容水準には達していません。金属3Dプリンターは比較的新しい機器であり、品質評価の基準が定まっておらず、時間をかけて扱い方を学ぶ必要がある点もデメリットです。

金属3Dプリンターを使用するときの注意点

金属3Dプリンターを使用するときの注意点

金属3Dプリンターを使う際は、できるだけサポートがつかない形状で造形すると良いでしょう。
サポートとは、造形物が崩れないよう、造形中に一緒に作成される支柱のことをいいます。

金属3Dプリンターで造形物を作成する場合は、熱応力で造形が崩れないよう、もしくは熱を逃がす目的で支柱であるサポートが作成されます。サポートはニッパーやペンチ、紙やすりなどを使って丁寧に除去しなければならず工数がかかるため、サポートがつかない形状で造形するのがポイントです。

金属3Dプリンターではレーザーなどで熱を使うため、熱応力による反りを考慮する必要もあるでしょう。金属粉末材料は、湿度により造形品質を左右する場合があります。
材料の保管や造形中の湿度管理が必要です。

おすすめ金属3Dプリンターについてまとめ

金属3Dプリンターは金属材料をどのように加工するかにより、さまざまな種類があります。
おすすめの機器を紹介しましたが、実際に購入する際はそれぞれの特徴やメリット・デメリットを理解し、予算に合った価格帯のものを選ぶ必要があるでしょう。
金属3Dプリンター特有の仕様や注意点を理解して使用するとうまく有効活用できるはずです。

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