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【2024】3Dプリンターの素材とは?おすすめ素材や3Dプリンターの機種を紹介!

自分がデザインしたものをすぐに造形できる便利な機械が3Dプリンターで、現在は多様な業種への導入が進んでいます。しかし3Dプリンターを使う際には使い方だけでなく、適切な材料を使用しなければ優れた製品は作れません。

そこで記事では3Dプリンターの素材を詳しく解説し、おすすめ素材や3Dプリンターの機種も紹介します。

3Dプリンターの素材とは?

3Dプリンターでは、機械内に投入された素材がプログラミングされたデータをもとに機械外部に押し出され、素材が積層されることで製品が造形される工法です。3Dプリンターでは作りたい製品や作り方次第で使用する素材も異なります。

下記に代表的な3つの製造方式と、それぞれに適合する材料を表記します。

  • 光造形方式やインクジェット方式:液体のアクリレート系樹脂
  • 熱溶解積層方式:フィラメントや樹脂と異なる素材を混ぜた合成フィラメント
  • 粉末焼結方式やバインダージェッティング方式:金属粉や石膏などの粉末素材

3Dプリンターに欠かせないサポート材

3Dプリンターに欠かせないサポート材

3Dプリンターでは加工法に適した素材も重要ですが、素材と同様に重要なのがサポート材です。サポート材とは、3Dプリンターで製品を造形する際に浮いている部分などの土台となる材料を指します。サポート材を使用すれば造形時の製品の歪みや歪みを防ぎ、より高い精度の加工が可能です。

上記の画像では白い部分がサポート材として使用され、加工完了後にサポート材を除去すれば製品が完成します。

強度の高い3Dプリンターの材料を紹介!

趣味的な造形であれば特別な強度も不要なので、3Dプリンターで強度の高い材料を使用する必要はありません。一方製造業などで使用する製品加工においては、高い強度が必要なので強度の高い材料を使用します。

では高い強度を持つ3Dプリンターの材料を紹介します。

エンプラ・スーパーエンプラ

エンプラとはエンジニアプラスチックの略称で、流通している汎用プラスチックと比較して強度や耐久性に優れています。エンプラは一般的に下記の指標で区分されている素材です。

  • 強度:49~50Mpa以上
  • 耐熱性:100度以上
  • 曲げ弾性率:2.4Gpa以上

一方のスーパーエンプラとはスーパーエンジニアリングプラスチックの略称です。この素材は前述のエンジニアプラスチックをさらに強化したプラスチックを指します。

スーパーエンジニアプラスチックはエンジニアプラスチックの耐熱性をさらに高め、150度以上の熱に耐えられる強度の高い素材です。

金属材料

近年は少しずつ金属プリンターの精度が向上し、SUS316LやSUS630などのステンレス素材の使用頻度が増えています。金属プリンターの本体価格は樹脂素材の3Dプリンターよりも高く、製造業などの産業への導入時は入念な事前準備が必要です。

一方で製造業では強度・耐熱性の高い製品の造形が求められ、導入を検討する企業も増えています。そこで自社に3Dプリンターへの導入を検討する際には、自社生産に適した3Dプリンターの選定から導入まで徹底支援する、産業用3Dプリンターの販売・導入支援の利用を検討してください。

また現在は3DプリンターとAIを組み合わせ、生産自動化を図るスマートファクトリーも増加しています。下記にスマートファクトリーを解説した記事を添付するので参考にして下さい。

【2024】スマートファクトリーとは?自動化のメリットと注意点

CFPR(炭素繊維強化プラスチック)

航空分野や宇宙分野などでも利用されている、強化繊維で成形された金属並みの強度を持つプラスチックがCFPR(炭素繊維強化プラスチック)です。Onyxと呼ばれるナイロン樹脂にカーボンを合成して完成した素材にガラス繊維を折り込み、金属同様の強度を実現したプラスチック素材です。

3Dプリンターのおすすめ素材を紹介!

3Dプリンターのおすすめ素材を紹介!

3Dプリンターで使用では多様な加工を実現するため、製品の加工法に適したさまざまな素材が製造・販売されています。ここからは3Dプリンターの素材の中でも、特におすすめの素材とその特徴を下記に表記してそれぞれを詳しく解説します。

素材 特徴
ASA樹脂 機械的特性に優れ、耐衝撃性や加工性、高い剛性や硬度など、全体的に強度の高い素材
ABS樹脂 衝撃や熱にも強いうえに薬品にも強いが、湿気や紫外線に弱い
PLA樹脂 トウモロコシやジャガイモを主な原料とした自然に優しい素材
PP樹脂 おもちゃなどの日用品やプラスチック製コップなどの日用品の加工に使用
ナイロン樹脂 衝撃に強い特徴を持ち、さまざまな分野に導入
PEI樹脂 スーパーエンジニアリングプラスチックの1種で高い強度を誇る素材
ワックス 樹脂では造形ができない複雑な造形が可能
エポキシ系樹脂 基本的にABS樹脂やPP樹脂と同様の性質を有していますが、ABS樹脂などと比較すると強度が劣る
ポリカーボネート樹脂 透明度が高い素材としても注目され、メガネレンズなどの有効な素材として利用

ASA樹脂

ABS樹脂を構成する素材の1つであるB(ブタジエンゴム)の代用として、A(アクリルゴム)を使用して弾性を高めた素材がASA樹脂です。機械的特性に優れ、耐衝撃性や加工性、高い剛性や硬度など、全体的に強度の高い素材として認識されています。

ABS樹脂

アクリルニトリルとブタジレン、スチレンの3つの有機化合物を合成させ、頭文字を取って表記されている素材がABS樹脂です。3Dプリンターの素材の中で最も使いやすく、さまざまな製品加工で使用されています。

この素材は衝撃や熱にも強いうえに薬品にも強いですが、湿気や紫外線に弱いので外での保管には注意が必要です。

PLA樹脂

原料に石油や化学薬品を使用せず、環境に配慮した製品として愛用されている3Dプリンターの素材がPLA樹脂です。トウモロコシやジャガイモを主な原料とし、自然に優しい素材として注目を集めています。

特に現在は石油価格が高騰しており、その動向に伴ってPLA樹脂の需要が高まっているのが現状です。

PP樹脂

ほかの素材に比べて比較的価格が安く、耐熱効果を有している素材がPP樹脂です。価格が安い素材なので大量生産に適しており、おもちゃなどの日用品やプラスチック製コップなどの日用品の加工にも使用されています。

ナイロン樹脂

主に自動車のパーツや電子部品などに使用されている素材がナイロン樹脂です。この素材は衝撃に強い特徴を持つので、さまざまな分野に導入されています。

PEI樹脂

米国のゼネラル・エレクトリック社が開発を手掛けた、3Dプリンターの新素材がPEI樹脂です。造形物をそのまま素材として使うことができる特徴を有し、主に3Dプリンターの中でもランクの高い機種にて使用されています。

この樹脂は前述のスーパーエンジニアリングプラスチックの1種で、高い強度を誇る素材です。その高い強度から、自動車産業や航空機開発、船舶などの製造業で頻繁に使用されています。

ワックス

一般的な化学合成樹脂ではなく、インクジェット方式を使用する素材がワックスです。樹脂では造形ができない複雑な造形が可能ですが、現在は開発途中のため一部企業のみ使用しています。

エポキシ系樹脂

加熱することにより硬化し、強度が増す液体樹脂がエポキシ系樹脂です。基本的にABS樹脂やPP樹脂と同様の性質を有していますが、ABS樹脂などと比較すると強度が劣ります。ちなみにエポキシ系樹脂はPPライクとABSライクを原料として作られている素材です。

ポリカーボネート樹脂

ポリカーボネート樹脂は前述のエンジニアプラスチック(エンプラ)の1種で、その高い強度から主に工業製品に使用されている素材です。透明度が高い素材としても注目され、メガネレンズなどの有効な素材としても注目されています。

純正品以外の素材は使用できる?

3Dプリンターを使用する際には、純正品以外の素材も使用できるのか気になりますが、基本的にはメーカーの純正品を使用しましょう。その理由として3Dプリンターのヘッドの移動速度や温度設定は、純正素材に適応するように設計されている点が挙げられます。

一方で純正品以外の素材を絶対に使用してはいけないわけではありませんが注意が必要です。3Dプリンターの造形法の中でも熱溶解積層方式のフィラメントはバリエーションに富み、多くのメーカーが販売を手掛けています。

しかしメーカーが指定している純正素材以外を使用しての故障やトラブルに関しては、メーカーの補償外で完全自己責任になる点を把握しましょう。

おすすめの3Dプリンターを紹介!

おすすめの3Dプリンターを紹介!

ここまでは3Dプリンターの素材について詳しく解説しましたが、その素材を利用して造形を行う3Dプリンターにはどんな機種があるのでしょうか。ここからはおすすめの3Dプリンターを紹介します。

また下記に3Dプリンターの価格に関して解説した記事も添付するので、導入時の参考にして下さい。

【2024】3Dプリンターの値段はいくら?相場や安価に抑えるコツも解説

XYZプリンティングダヴィンチ nano w

XYZプリンティングダヴィンチ nano w

5万円未満での購入が可能でコスパが良い観点から、初心者向けの人気3Dプリンターとして有名な機種がXYZプリンティングダヴィンチ nano wです。コンパクトなサイズなので持ち運びしやすく、Wi-Fiにも対応しているので遠隔操作できるのもメリットといえます。

しかし機械本体が小さいので、120×120×120㎜までの造形しか対応していないので事前に確認しましょう。

Raise3D E2(デュアルヘッド)

デュアルヘッド型の3プリンターで、2つの素材を同時に使用できる高い機能を有している機種がRaise3D E2(デュアルヘッド)です。主に下記のような素材を使用できます。

  • ABS
  • ASA
  • PLA
  • PP

これらの素材以外にも多様な素材を使用したさまざまな造形が可能なので、本格的に3プリンターを使用した造形に取り組みたい方におすすめの機種です。

Markforged X7

造形における母材となるOnyxにHSHTファイバーやファイバーグラス、ケプラーやカーボンファイバーなど、長繊維の素材の織り込みを可能にして金属と同じ強度の造形を実現できる3DプリンターがMarkforged X7です。高精密な加工が可能で、最少0.05㎜からの積層ピッチを実現しています。

FX20

Markforged社が研究・開発を手掛け、同社の3Dプリンターの中で最も造形エリアが広い機種がFX20です。高い強度の造形を可能にする素材である、スーパーエンプラのULTEM™9085も使用できるので工業製品など造形もできます。

Markforged社独自の造形プロセスの導入と、スーパーエンプラ・長繊維ファイバー素材の活用により大型製品の造形も可能です。

適切な材料と機械を使って3Dプリンターを有効活用しよう

本記事では3Dプリンターの素材を詳しく解説し、おすすめ素材や3Dプリンターの機種も紹介しました。3Dプリンターで使用する素材の種類は多く、造形したい製品に適応した素材の選択も大変です。

3Dプリンターの機種もさまざまで最適な機種選びも大変ですが、迷った時には本記事を参考にして最適な機種や素材を選んで有効活用してください。また3Dプリンターの機種や素材選びでお困りであれば、安心の正規販売店であるFab martをぜひご利用ください。

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