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【2025】AutoCADのテキスト機能を解説!表示されない・文字が大きい・改行できない時の対処法

AutoCADで図面を作成したいけれど、テキスト機能の使い方がわからないと悩んでいないでしょうか。また、複数あるテキスト関連のコマンドの違いやうまく操作できないトラブルに悩まされている方もいるはずです。

そこでこの記事では、AutoCADのテキスト機能の基礎知識や種類、使い方、トラブルの解決策までわかりやすくまとめました。効率的に使うコツも解説しているので、テキスト機能を使いこなす参考にしてみてください。

AutoCADのテキスト機能とは?

AutoCADに搭載されているテキスト機能とは、図面内に文字情報を挿入し、編集を加えられる情報系のコマンドです。図形だけでは伝わりにくい次のような情報を、テキストとして記載します。

  • 図面の名称やページ情報
  • 図形の細部に関する情報
  • 図形で表す製品の名称や規格情報
  • 表をベースにした数値や部品の情報

図形と同様に頻繁に利用するのがテキスト機能の特徴です。
AutoCADを操作するうえで必ず使い方を覚えておきたい頻出機能のひとつですので、ぜひ本記事の情報を参考に、テキスト機能の使い方やトラブルの対処法をマスターしましょう。

  • テキスト機能の場所・起動方法
  • テキスト機能の活用シーン

テキスト機能はどこにある?リボン・コマンド別の紹介

テキスト機能はどこにある?

AutoCADのテキスト機能は、リボンやコマンドから簡単に起動できます。
以下に、テキスト機能の起動方法を整理しました。

テキスト機能 リボンの位置 コマンド
文字記入 ・ホーム>注釈>テキスト>文字記入
・注釈>文字>文字記入
TEXT(入力)
TEDIT(編集)
マルチテキスト ・ホーム>注釈>テキスト>マルチテキスト
・注釈>文字>マルチテキスト
MTEXT(入力)
MTEDIT(編集)
引出線 ・ホーム>注釈>引出線
・注釈>引出線
LEADER
・ホーム>注釈>表
・注釈>表
TABLE

テキスト関連の機能は、ホームもしくは注釈リボンに格納されています。
また、コマンド機能も短い文章で記述できるため、すばやく起動できるのが魅力です。

AutoCADのテキスト機能の活用シーン

AutoCADのテキスト機能は、以下のような場面で活用されます。

  • 図面タイトル・作成者情報・図番などを記入
  • 寸法・注記・施工指示の補足を追加
  • 設備図面で配管・電気系統の識別を明記
  • プレゼン図面やレイアウト図で注釈説明を挿入

さらには、過年度データとして貸与された図面に、修正等の再編集をするケースもあります。
特に施工図面を作成する際には、「マルチテキスト」機能を使用し、段落やリスト表示を整えるなど、読みやすい資料を作成できるのが魅力です。

なお、AutoCADのテキスト機能のほかにも頻出機能をまとめて学習したい方は、セミナー講習で一連の基本機能を学ぶのがおすすめです。以下のセミナーでは実務で利用する実践的な機能の使い方や業務効率化のコツを学べます。

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価格(税込)27,500円〜
開催期間2日間
受講形式対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング

AutoCADのテキスト機能の種類一覧

テキスト機能の種類

AutoCADのテキスト関連の機能は、以下の4つに分けられます。

テキスト機能 特徴
文字記入 単語や短い注記を設ける(または編集する)
マルチテキスト 数行にわたる長文の注記を設ける(または編集する)
引出線 特定の位置を線分で示しつつテキストで注記を設ける
行列で構成された表およびテキストの注記を設ける

単純に文章での説明を入れたい場合は「文字記入」「マルチテキスト」、特定の場所と関連付けて説明をしたい場合は「引出線」、数値情報や部品情報を整理したい場合は「表」を用いると良いでしょう。

1行テキスト(文字記入)とマルチテキストの違い

AutoCADのテキスト機能のなかでも、混同されやすいのが「文字記入」と「マルチテキスト」です。2つの違いを比較表として整理しました。

文字記入 マルチテキスト
用途 単語・短い注記向け 長文・段落向け
編集方法 コマンドラインまたはダブルクリック リッチテキストエディタ
改行 できない(1行のみ) 可能(段落設定もOK)
書式設定 フォント固定 太字・下線・段落設定など可

以上より、図番や寸法記号、図面タイトルなどを記載する際には「文字記入」、注意書きや仕様書、判例などを細かく書きたい場合は「マルチテキスト」を活用するのがおすすめです。

AutoCADでテキストを入力する手順・使い方

AutoCADでテキストを入力する手順・使い方

AutoCADで文字を入力する基本手順は、以下の通りです(マルチテキストの場合)。

  1. リボン「注釈」にある 「マルチテキスト」をクリックする
  2. 文字を入力したい範囲をドラッグで指定する
  3. テキストエディタが開くので内容を入力する
  4. フォントやサイズを調整して確定する(EnterまたはEsc)

なおマルチテキストでは、上の画像のように「テキストエディタ」という項目が追加されます。文字サイズはもちろん、フォントの変更や位置合わせなど、細かな調整を行えます。「文字の一部を太字にしたい」「色を変えたい」といった際には、マルチテキストを利用しましょう。

  • 特殊文字を入力する方法
  • 文字の大きさ・フォント・改行を調整する方法

特殊文字を入力する方法(φ・±・°など)

AutoCADでは、径を表す「φ」や数値の「±」、角度を表す「°」などの特殊文字を利用するケースもあります。このとき、AutoCADでは以下に示す文字コードを使って記号を入力します。

特殊記号 入力コード
φ(直径) %%c
±(プラスマイナス) %%p
°(度) %%d

上記の入力コードは、テキスト機能すべてで利用できます。
ただし、利用しているフォントによっては正しく表示されない場合があるため、標準フォントを用いてテキストを挿入しましょう。

AutoCADで文字の大きさ・フォント・改行を調整する方法

文字スタイルの変更

AutoCADのテキストに関して、大きさやフォントといった初期設定を変更したい場合は、「文字スタイル管理」を利用します。上の画像のように、注釈リボンの文字という項目の右下にある矢印をクリックすることで、起動可能です。

フォントの種類はもちろん、サイズや効果の調整もできるため、自分用のスタイルを新規作成してみてはいかがでしょうか。なお、設定したスタイルは、注釈リボンの文字の項目にある右上のStandardという文字を切り替えて設定できるようになります。

また、AutoCADのテキスト機能をマスターしたら、次のステップとして自動化に関する知識を身につけるのもおすすめです。以下の記事では、ソフトに搭載されている自動化機能について解説しています。

【2025】AutoCADを自動化する5つの方法!アクションマクロ・LISP・VBA連携まで解説

AutoCADのテキスト機能でよくあるトラブルと対処法

AutoCADでは、環境設定やバージョン差によってテキストに関するトラブルが起こる場合もあります。ここでは、よくある代表的な問題とその解決策を紹介します。

  • テキストエディタが表示されない・消えた・開かない
  • 文字編集ができない
  • 文字が印刷時にズレる・消える
  • 文字テキストが重い・動作が遅い
  • 文字テキストを改行できない

テキストエディタが表示されない・消えた・開かない時の対処法

テキストエディタが消えた

テキストエディタが開かない場合は、環境変数「MTEXTED」が変更されている可能性があります。

コマンドラインで「MTEXTED」と入力し、「internal」に設定すると解決します。
エディタが画面外に出ている場合は「REGEN」や再起動も試しましょう。

AutoCADで文字編集ができない時の対処法

AutoCADで文字編集ができない

文字を編集できない場合には、レイヤーロックや外部参照(Xref)の編集制限がかかっているのかもしれません。

まずレイヤーのロック解除を行い、「REFEDIT」で外部参照を編集モードに切り替えます。
旧バージョンの図面は「SAVEAS」で最新版に変換しましょう。

AutoCADで文字が印刷時にズレる・消える時の対処法

印刷スタイルの変更

印刷時に文字がズレる・消える場合は、注釈スケールやフォントの不一致が原因です。
まず、印刷スタイル(CBT・STB)を確認して注釈スケールを1:1に設定することで、テキストのズレが解消されるかもしれません。

また、TrueTypeフォントを使用している場合には、フォント埋め込みオプションを有効にして解消しましょう。

AutoCADで文字テキストが重い・動作が遅い時の対処法

大量のテキストがあると処理が重くなる場合があります。

ひとつの図面データで複数のページを準備している場合には、データを分けて容量を減らすか、「QTEXTMODE」をオンにして簡易表示に切り替えると軽くなります。

また、不要なスタイルがある際には「STYLE」で削除し、「PURGE」で未使用データを整理することで動作が改善するかもしれません。

AutoCADで文字テキストを改行できない時の対処法

文字記入のコマンドを使ってテキストを挿入している場合には、改行ができません。

「TXT2MTXT」というコマンドを入力してマルチテキストに変換すれば、段落編集や改行が可能になります。

AutoCADのテキスト機能を効率的に使うコツ

AutoCADのテキスト機能を、より高速に利用したいなら、以下に示す効率化のコツを抑えておくと便利です。

  • エイリアスを活用する
  • クイックプロパティで一括編集する

エイリアスを活用する

AutoCADでは、文字入力や編集の操作をマウスで行ったり、コマンドを入力したりするよりも、エイリアスを使う方が圧倒的に早くなります。

エイリアスとは、ショートカットコマンドをより短く設定している別名のコマンドのようなものであり、AutoCADのテキスト機能にも特定のエイリアスが設定されています。

機能 従来のコマンド エイリアス
文字記入 TEXT DT
マルチテキスト MTEXT MT
編集 TEDIT ED
スタイル変更 STYLE ST

コマンドよりも短く入力できるため、ぜひ使い方を覚えておきましょう。

クイックプロパティで一括編集する

マルチテキストの同時編集

クイックプロパティは、選択したオブジェクトの主要設定をまとめて確認・変更できる機能です。テキスト編集でよく使う「高さ(文字サイズ)」「フォント」「文字スタイル」をまとめて編集できます。

コマンドラインに「QUICKPROPERTIES」と入力し、ONにするだけですぐに利用できます。
数十個のテキストをワンクリックで設定変更できるため、古い図面データのフォントを最新の設定に変えたい場合などに便利です。

なお、文字記入とマルチテキストなどをまとめて編集することはできません。
必ず同じタイプのテキスト(マルチテキストならマルチテキストだけ)しか一括編集できない点にご注意ください。

また、AutoCADのセミナー講習を受講したい方は、以下の記事で各社の講習サービスをチェックするのがおすすめです。評判や料金、サービス内容について比較しています。

【2025】各社AutoCAD講習を比較!評判や選び方も紹介

AutoCADのテキスト機能についてよくある質問

ここまで紹介した内容を踏まえ、最後にAutoCADのテキスト機能に関して多く寄せられる質問をまとめました。

AutoCADでテキストを入力する方法は?
AutoCADでテキストを入力するためには、リボンの「注釈」タブから「文字記入(TEXT)」または「マルチテキスト(MTEXT)」を選択します。短い注記は文字記入、複数行はマルチテキストが便利です。挿入位置をクリックして文字を入力すれば完了です。
AutoCADでテキストを編集する方法は?
既存の文字を編集するには、対象テキストをダブルクリックします。1行テキストは「TEXTEDIT」、マルチテキストは「MTEDIT」で起動できます。文字を修正してEnterまたは「テキストエディタを閉じる」をクリックすると変更が反映されます。
AutoCADでφなどの特殊文字を入力する方法は?
AutoCADでは、文字エディタ内で「%%c」と入力することでφ(直径)、「%%d」で°(度)、「%%p」で±(プラスマイナス)を入力できます。マルチテキストなら「Alt+0176」などのAltコード入力も可能です。図面記号を統一する際に便利です。

AutoCADのテキスト機能についてまとめ

AutoCADのテキスト機能は、図面の注記や寸法説明に欠かせない基本操作です。

文字記入(TEXT)とマルチテキスト(MTEXT)のほか、引出線や表のコマンドを使い分け、文字スタイルやフォントを統一することで、見やすく正確な図面を作成できます。ショートカットやエイリアスなどを活用すれば作業効率UPも目指せるため、ぜひ使い方を覚えてみてください。

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