Jw_cadを導入したけれど、使い方がわからないとお悩みではないでしょうか。
また、インストール手順から不安な方も多いはずです。
そこでこの記事では、Jw_cadの超初心者向けにインストール手順や初期設定の方法、機能（コマンド）ごとの使い方をわかりやすくまとめました。練習に役立つ図面のスクショも掲載しているので、Jw_cadをマスターする参考にしてみてください。
Jw_cadとは？超初心者向けに解説
Jw_cadとは、日本で開発されたオープンソースの2DCADソフトです。
海外製のCADと比べて操作画面が日本語メニューであり、デザインがシンプルかつ軽量であることから、初めてCADに触れる人などから人気を集めています。
参考として以下に、超初心者が使い方を覚える前に理解しておきたい「Jw_cadでできること」をまとめました。
- 2D図面の作図・編集
- 建築・設備図面の作成（平面図・立面図・断面図）
- データ入出力・互換機能（JWW・JWC・DXFなど）
- 寸法・測定・検図
CADとして欠かせない一般機能がすべてそろっており、建築や製造などの分野を中心に、ビジネスシーンでも広く活用されているのが特徴です。
| 開発元 | 日本の有志エンジニア |
|---|---|
| 対応OS | Windows（Macは要エミュレーター） |
| 費用 | 完全無料／商用利用も可能 |
| 対応データ形式 | JWW、JWC、DXF、SFC、P21 |
Jw_cadは無料で使える？
Jw_cadは永続的に完全無料で使えます。商用利用も認められているため、実務でも活用可能です。またJw_cadは、個人開発者が長年にわたって無償公開してきたソフトであるため、公式サイトへの登録やライセンス契約も不要です。
ただし注意点として、MacOSには非対応（Windows専用）です。
MacOSで使いたい場合には「Parallels Desktop」「Boot Camp」といった仮想環境で動かす必要があります。
Jw_cadの概要を詳しく知りたい方は、以下の記事から読み進めるのがおすすめです。
Jw_cadのインストール手順と初期設定
Jw_cadのインストーラーは、公式サイトから数分でダウンロードできます。
まず、公式サイトである上の画像で、赤囲みされている「ダウンロード」をクリックしましょう。すると、以下のページが表示されました。
あとは、赤囲みしている「jwcad.net」というボタンをクリックすれば、インストーラーをダウンロードできます。
ダウンロード後は、インストーラーを起動して数回選択ボタンをクリックするだけで導入が完了します。
超初心者が初期設定すべき項目
Jw_cadの使い方を学ぶ前に準備しておきたいのが、基本設定です。
上の画像のように「設定＞基本設定」から必要な項目を初期設定しておきましょう。
| 項目 | 設定内容 | 設定しておくべき理由 |
|---|---|---|
| 一般（1） | 「読み取り点に仮点を表示」をチェック | 端点などの位置がわかりやすくなる |
| 「消去部分を再表示する」をチェック | 交点（重なっている）が勝手に切断されなくなる | |
| 「用紙枠を表示する」をチェック | 作業時の印刷範囲がわかりやすくなる | |
| 一般（2） | 「マウスホイール」の拡大縮小を設定する | +なら前回転でズームアウト、－なら前回転でズームインとなる |
| 色・画面 | 使いたい線種ごとに色や線幅を設定する | 主線や副線などがわかりやすくなる |
バージョンによっては初期からチェックが入っている場合もあるため、使い方を覚える前に、1項目ずつ確認しながら初期設定を進めていきましょう。
また効率よくJw_cadの使い方を学習したい初心者は、セミナー講習を受講するのがおすすめです。以下のセミナーでは、初心者からJw_cadの基礎・応用を学ぶことができ、短期間で業務活用が可能となります。
セミナー名 Jw_cad基礎セミナー 運営元 GETT Proskill（ゲット プロスキル） 価格(税込) 27,500円〜 開催期間 2日間 受講形式 対面（東京・名古屋・大阪）・ライブウェビナー・eラーニング
Jw_cadの使い方・基本操作を超初心者向けに解説
Jw_cadの使い方がわからないという方向けに、基本操作や使い方の手順をわかりやすくまとめました。
超初心者の方でも理解しやすいように、スクショ付きでかみ砕いて解説しているので、基礎を学ぶ参考にしてみてください。
- 図面上に図形（線・円）を描く
- 線種・色・線幅を切り替える
- 線を移動・コピー・複写する
- 寸法線を記入する
- 距離を計測する
図面上に図形（線）を描く
Jw_cadの初心者が最初に覚えたいのが、線分や円の使い方です。
線分は、画面左側にあるツールバーの斜線のコマンドであり、以下の使い方の手順で利用できます。
- 斜線マークの「線分コマンド」をクリックする
- 画面上側の項目を設定する
- ワークスペースに線分を描く
Jw_cadは通常のCADソフトと違い、画面上側の設定項目で条件などを決めなければなりません。今回の場合、「水平・垂直」にチェックを入れているため、自動で90度角での線を引けます。
また、寸法の項目を1,000に設定しているので、ワークスペースで選んだ起点に対し、自動で1,000mmの線が引かれます。一方で、「水平・垂直」をチェックしないで作図した場合には、以下のように自由な角度の線を引けます。
なお、ワークスペースに作図をする場合には、左クリックは任意の位置の選択であることに対し、右クリックは端点に合わせた選択が可能です。
円や矩形なども同様の手順で作図をするため、初心者が最初に覚えるべき使い方だと言えます。
線種・色・線幅を切り替える
Jw_cadでは、作図をする構造物や部品ごとに色や線の太さを変えながら設計する必要があります。その際に利用するのが、線属性の変更に関する使い方です。
線属性は画面左側のツールバーにコマンドがあり、さまざまな色の線を選択できます。今回は、紫色の線を選択して「OK」をクリックし、ワークスペースに作図しました。前項で作図した線分と色が変化したことがわかります。
線属性の設定は、初心者がひんぱんに操作する項目のひとつです。
Jw_cadの初心者は初期設定の線属性の使い方を学び、使い方に慣れてきたら、自身で色や線の太さなどをカスタマイズするのがおすすめです。
線を移動・複写する
Jw_cadの使い方を効率化するのが、移動や複写です。
図面作成時には同じ条件の線を繰り返し書くことが多いため、1つずつ図形を描くよりも複写などを使うほうがスピーディーです。参考として以下に、複写の使い方の手順をまとめました。
- ツールバーの「複写」をクリックする
- コピーしたい図形を右クリックで選択して囲み、Enterを押す
- 任意の場所に図形をコピーする
ちなみに、複写だけでなく移動も同じ手順で操作します。
初心者が覚えておきたい使い方のひとつですので、ぜひチャレンジしてみてください。
寸法線を記入する
Jw_cadで図面を作成する際には、図形の大きさ・規模がわかりやすいように、寸法を記入します。以下に寸法コマンドの使い方をまとめました。
- 寸法コマンドをクリックする
- 基準線および引出線の位置を決める（図形を右クリック）
- 寸法の起点を選ぶ（右クリック）
- 寸法の終点を選ぶ（右クリック）
今回は1,000mmの線分に対して寸法を表示しています。
なお、細かく寸法の設定をしたい場合には、画面上側の設定項目を調整する必要があります。
超初心者の方は、寸法を追加する使い方や、右クリック・左クリックで寸法の設定がどう変わるのかを確認することから始めましょう。
距離を計測する
Jw_cadを操作する際には、作業中に現在の図形のサイズ感や、任意の位置の距離などを計測したい場合があります。その際に役立つのが、画面右側にあるツールバーの「測定」です。
以下に、測定コマンドの使い方をまとめました。
- 寸法コマンドをクリックする
- 画面上側の「距離測定」をクリックする
- 測りたい図形の始点を右クリックする
- 終点を右クリックする
- 画面下側に寸法が表示される
使い方はとてもシンプルです。
距離のほかにも、面積や座標、角度などを測定できるので、初心者の方は図形を書いたら、ひとつずつ使い方を試してみてください。
Jw_cadの使い方を学ぶ際によくあるトラブルと対処法
Jw_cadの使い方を学びはじめた初心者は、最初に「操作が反応しない」「印刷がうまくいかない」といった基本的なトラブルにつまずきます。以下に、使い方を覚える際によく起こるトラブルと、その対処法をまとめました。
| よくあるトラブル | 主な原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| コマンドが動かない | 範囲選択・スナップ設定を間違っている | 「基本設定＞一般（1）＞スナップ設定」を確認する |
| 印刷プレビューが真っ白になる | 用紙サイズ・縮尺設定が合っていない | 「設定＞用紙サイズ」を選択し尺を調整する |
| 線が見えない・消える | 線色・レイヤが非表示になっている | 「レイヤグループ」設定を確認して、全層ONにする |
| 寸法線がズレる | 単位や小数点設定を間違っている | 「寸法設定」で単位と精度を合わせる |
最初のうちは線が引けない、選択できないなどといったトラブルが多いですが、設定を見直せば大抵はすぐに解決します。特にスナップや縮尺の使い方は初心者が見落としやすいポイントですので、意識して基本操作を覚えていきましょう。
Jw_cadの学習方法（本・動画・情報交換室）
Jw_cadを独学で学んでみたいという方向けに、おすすめの学習方法をまとめました。
- 学習書籍を購入して基本操作を学ぶ
- 動画コンテンツを利用して苦手分野を学ぶ
- Jw_cadの情報交換室で悩みを相談する
たとえば、学習書籍でJw_cadの基本的な使い方を学び、わからない部分を動画コンテンツで補足していくというやり方が効率的です。また、それでも使い方がわからない場合には、Jw_cadの公式サイトにある「情報交換室」で質問をすることで、ひとつずつ問題をクリアしていけます。
また、Jw_cadの使い方を学べる学習書籍をお探しの方は、以下の記事がおすすめです。
Jw_cadの初心者向けの使い方についてよくある質問
Jw_cadの初心者向けに、使い方に関する質問をまとめました。
Jw_cadの初心者向けの使い方についてまとめ
Jw_cadは、無料で使える国産のCADソフトです。
また複数あるCADソフトのなかでも、建築・設備・製造など幅広い分野の実用的なツールとして活用されています。
超初心者でも「線を引く」「複写する」といった基本操作からスタートすれば、着実に使い方をマスターできます。無料から使い方を学べるため、ぜひ本記事で紹介した使い方を何度も繰り返しチャレンジしてみてください。
