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【2024】工作機械メーカー大手8社を紹介!業界動向や種類、加工方法も解説!

工作機械の市場は、新型コロナウィルスの影響により一時的に縮小したものの、現在は市場全体が活性化して顕著な回復傾向が見受けられます。その動向に伴って各主要メーカー共に積極的な製造・販売を展開しているのが現状です。

本記事では国産機械メーカー大手8社を紹介し、業界動向や種類、工作機械の加工法も解説します。

工作機械とは?

IT製品や家電、自動車や航空機など、あらゆる製品の部品製造に使用される機会を工作機械といいます。金属部品を筆頭にプラスチック部品や金型、半導体や樹脂部品など多様な素材の加工を可能にし、あらゆる機械部品を作る観点から「マザーマシン(母なる機械)」とも呼ばれている機械です。

製造する部品によってフライス加工機や旋削加工機、研削加工機や穴あけ加工機、放電加工機やレーザー加工機など幅広い種類に分類されます。また上記の工作機械をNC装置により自動制御する、NC工作機械も多くの企業で導入されているのが現状です。

工作機械メーカー大手8社を紹介

現在は工作機械の市場が回復し、さまざまなメーカーが積極的な運営を展開していますが、どのような有名な工作機械メーカーがあるのでしょうか。では工作機械メーカー大手8社の特徴を表記し、各メーカーの詳細を解説します。

工作機械メーカー 特徴
DMG森精機 洗練されたフォルムが特徴的で、5軸マシニングセンタや加工機、NC旋盤などの切削機械のシェアは世界最大級
牧野フライス 航空機の部品製造に欠かせない、高精度なマシニングセンタの製造・販売を強化
株式会社安川電機 各種モーターの開発やオートメーション事業の他に高機能な工作機械を製造・販売
株式会社マキタ 卓上ボール盤や充電式トリマをはじめ多機能な工作機械を製造・販売
ファナック株式会社 ロボット技術と、AIやIoTなどをはじめとした先進技術との連携に注力
THK株式会社 工作機械の部品だけでなく、重要な自動車部品であるリングボールやロッドエンドなどの部品も製造・販売
オークマ株式会社 門型マシニングセンタの製造・販売に注力し、累計販売実績は10,000件以上を超える
株式会社アマダ レーザー加工機やプレス加工機、パンチング加工機などの工作機械を製造・販売

DMG森精機

DMG森精機

引用:DMG森精機

ドイツのDMG社と資本・業務提携を結び、国内のみならず世界中に販売シェアを持つ世界最大規模の工作機械メーカーがDMG森精機です。洗練されたフォルムが特徴的で、5軸マシニングセンタや加工機、NC旋盤などの切削機械のシェアは世界最大級を誇っています。

またドラマ「下町ロケット」の公式スポンサーで、撮影現場に実在する工場や工作機械が使用されました。

牧野フライス

牧野フライス

引用:牧野フライス

牧野フライスはその名前の由来の通り、フライス盤の製造・販売に特化した工作機械メーカーです。近年は航空機の部品製造に欠かせない、高精度なマシニングセンタの製造・販売を強化しています。

牧野スライスは早い時期から海外進出を検討しており、現在はアメリカやドイツ、中国やシンガポールなど幅広い事業シェアを確保して事業展開しているのも特徴的です。

株式会社安川電機

株式会社安川電機

引用:安川電機株式会社

1915年に創業を開始した老舗で、各種モーターの開発やオートメーション事業の他に高機能な工作機械を製造・販売している大手機械メーカーが株式会社安川電機です。現在提唱している理念である「i3-Mechatronics(アイキューブメカトロニクス)」の推進により、工作機械のほかにコントローラやインバータ、産業用ロボットなどの事業を強化しています。

株式会社マキタ

株式会社マキタ

引用:株式会社マキタ

株式会社マキタは工作機械のほかに電動工具や木工機械、エア工具などさまざまな機械工具を製造・販売している工作機械メーカーです。大型工作機械の取り扱いはありませんが、卓上ボール盤や充電式トリマをはじめ多機能な工作機械を製造・販売し、国内最大規模の売上高を誇っています。

ファナック株式会社

NC工作機械の製造・販売に特化し、多機能な工作機械を国内外に製造・販売し続けている工作機械メーカーがファナック株式会社です。自社の専門技術であるサーボとNC、レーザから構成されるFA事業やロボット事業、ロボマシン事業など幅広い事業を展開しています。近年は特にロボット技術と、AIやIoTなどをはじめとした先進技術との連携に注力し、製造業のさらなる発展のために尽力している点が特徴的です。

THK株式会社

THK株式会社

引用:THK株式会社

THK株式会社は工作機械の要素であるLMガイドアクチュエータやボールスプライン、LMガイドやボールねじなどの製造・販売を手掛けている大手工作機械メーカーです。工作機械の部品だけでなく、重要な自動車部品であるリングボールやロッドエンドなどの部品も製造・販売しています。

また独自のノウハウを活用し、高層住宅から戸建て住宅までさまざまな様式の住宅の免震システムの構築、販売を手掛けているのも特徴的です。

オークマ株式会社

オークマ株式会社

引用:オークマ株式会社

航空機や船舶をはじめとした、大型の構造物の部品製造を可能にした工作機械の製造に特化した工作機械メーカーが、オークマ株式会社です。主に5軸マシニングセンタや、複合加工機などの工作機械の製造・販売を手掛けています。

その中でも特に門型マシニングセンタの製造・販売に注力し、累計販売実績は10,000件以上を超えているのも特徴的です。2020年度は新型コロナウィルスの影響により収益が減少しましたが、現在は大幅に収益が回復しています。

株式会社アマダ

株式会社アマダ

引用:株式会社アマダ

株式会社アマダは、主に板金加工が可能な工作機械の製造・販売を手掛ける大手工作機械メーカーです。国内だけでなくアジアやアメリカ、ヨーロッパやアフリカなど幅広い地域に事業シェアを拡大しています。

主にレーザー加工機やプレス加工機、パンチング加工機などの工作機械を製造・販売しており、板金加工機の国内シェアは70%以上を超える大手メーカーです。

工作機械業界の特徴

工作機械業界はその業種柄、製造メーカーの景気や設備投資需要などの動向に影響されやすく、景気を先読み・反映する指標として認識されています。工作機械業界の最大の得意先は自動車メーカーで、自動車の製造に使用される部品のほとんどが工作機械によって製造されているのが現状です。

このような観点からも、自動車業界の動向により工作機械業界の需要も変動する点が業界の最大の特徴ともいえます。また近年は生産性向上や人員不足解消のために大型の工作機械を導入する中小企業も増えており、今後も工作機械業界の需要が高まる動向が強いです。

さらに今後のスマートフォンなどの需要の高まりに伴い、それらの部品を製造する工作機械業界の需要増加が予測されます。

工作機械業界の動向

工作機械業界の市場は、2020年に発生した新型コロナウィルスの影響により、一時期は大幅に縮小しました。それ以降は順調な回復を遂げ、コロナ禍以前よりも市場が拡大しているのが現状です。

また従来の工作機械業界は日本とドイツが技術面で他国を上回っていました。しかし2008年に発生したリーマンショックを皮切りに、中国や台湾、韓国などの新興国が積極的に参入しました。

その結果として中品質・低品質の製品の流通が市場の中心になり、高品質を求める日本の工作機械業界は世界的なニーズに対応できていないのが現状です。生産性向上を図ってこのような状態を乗り切るため、現在日本の多くの企業が生産性向上を図るために工作機械とAIやIoTを連結させた製造業DXやスマートファクトリ―に注力しています。

下記に工作機械とAIやIoTを効率的に連結させた、製造業DXやスマートファクトリ―を詳しく解説した記事を添付しますので参考にして下さい。

【2023】製造業DXとは?実現できることとよくある課題

【2023】スマートファクトリーとは?自動化のメリットと注意点

工作機械の種類や加工法を紹介

現在は国内外を問はず、さまざまなメーカーが多機能な工作機械を生産していますが、実際の現場ではどのような機械が使用されているのでしょうか。主な工作機械の種類や加工法には

  • ボール盤
  • 旋盤
  • フライス盤
  • 中ぐり盤
  • 歯切り盤
  • 研削盤
  • ターニングセンタ(複合加工機)
  • マシニングセンタ
  • 放電加工機

などが挙げられます。ではそれぞれの工作機械の種類や加工法を紹介するので、自社導入時の参考にして下さい。

ボール盤

ボール盤はドリル工具が設置された工作機械で、主に金属材料に穴を開ける際に使用します。穴あけ以外にもリーマ仕上げやねじ立てなどの加工にも利用可能で、使用頻度や汎用性の高い工作機械です。

旋盤

工作機械の中でも代表的な機械として、多くの生産現場で使用されているのが旋盤です。旋盤では円筒や円盤状の加工物を機械に設置し、回転させながら少しずつ切削加工を施します。

旋盤では面削りや外丸削り、中ぐりやテーパ削り、穴あけや突切り、ねじ切りなど幅広い加工が可能です。旋盤はその汎用性の広さから、多くの生産現場で使用されています。

フライス盤

フライス盤はフライスと呼ばれる切削工具を回転させ、溝や局面、平面加工などができる工作機械です。フライスにはエンドミルや正面スライス、溝フライスなどに分類され、用途に応じて使い分けを行います。

中ぐり盤

ボール盤などを使用して開けた穴を、さらに精密な寸法で仕上げる工具を中ぐり盤といいます。穴加工のほかにフライス加工やドリル加工なども可能です。

歯切り盤

歯切り盤はピニオンカッタやホブカッタ、ラックカッタなどの工具を活用し、歯切り加工を行う工作機械です。主にギアシェーバやホブ盤、傘歯車歯切り盤や歯車研削盤、歯車シェービング盤などに分類されます。

研削盤

砥石車をバイトやフライス工具の代わりに使用し、加工物を少しずつ研削して加工する工作機械を研削盤といいます。切削工具に比べて仕上げ精度が高く、仕上げ面をキレイにするためにはおすすめです。

ターニングセンタ(複合加工機)

ターニングセンタは旋盤を複合化したNC工作機械のことを指します。機械内に多種多様な工具を備えているので、さまざまな加工に対応可能です。

回転工具主軸を備えることで旋削加工のほかにも多様な加工が可能で、穴あけやフライス削りなどの加工も手掛けることができます。また近年は複合加工機と呼ばれる回転工具主軸を備え、旋回しながらの加工を実現した工作機械の普及も進んでいます。

マシニングセンタ

穴開けやフライス削り、中ぐりやねじ立て、リーマ仕上げなど、多様な加工を可能にしたNC工作機械がマシニングセンタです。加工物に対して必要な工具を自動交換する機能を備え、効率的な製品加工を実現しています。

近年は5軸制御マシニングセンタと呼ばれる、直交3軸と旋回2軸の同時制御が可能な工作機械が急速的に普及しています。

放電加工機

放電加工機は放電エネルギーを利用した工作機械です。放電の際の電極の形状によってワイヤ放電加工機と形彫放電加工機とに分類されます。

また放電により発生するレーザーを利用して穴開けや切断を行うレーザー加工機や、超音波加工機と呼ばれる加工物と工具の間に加工液を流し込み、工作物と工具を接触させて加工を行う超音波加工機などの工作機械も広く導入されているのが現状です。

自社の製品開発に適した工作機械メーカーを選ぼう

自社の製品開発に適した工作機械メーカーを選ぼう

今回は国産機械メーカー大手8社を紹介し、業界動向や種類、工作機械の加工法も解説しました。生産性を高めるためにも自社製品の特徴や生産状況を考慮し、確かなメーカーを選んで最適な工作機械を導入しなければいけません。

また最適な工作機械を導入するためには、自社製品に適した加工法を導入した工作機械の選択が必要です。今後自社の生産現場に工作機械の導入を検討中であれば、本記事を参考にして自社製品開発に最適なメーカー・機種の工作機械を選択して生産性を高めて下さい。

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