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CAD CADとCAMの違いとは?それぞれの導入メリット・デメリットも解説

【2024】CADとCAMの違いとは?それぞれの導入メリット・デメリットも解説

製造業や建設業で使用される設計加工に関連するソフトウェアには「CAD・CAM」があります。近年はコンピューターが普及・進歩により高精度化や製造スピードが飛躍的に向上し、それに伴いCADやCAMの需要も高まっています。

そして、2つソフトウェアはよく混同されることがありますが、用途や機能は大きく異なります。
本記事では、CADとCAMの特徴やメリット・デメリットなど詳しく解説します。基礎的な知識が身につく記事となっていますので最後までご覧ください。

CADとCAMの違いとは?

まずはCADとCAMの違いについて解説します。結論、CADとCAMの大きな違いは使用する目的です。

CADは「設計業務」で使用されることが多く、CAMは「製造業務」で使用されることがほとんどです。つまり、CADとCAMは1つの製品を作り出すプロセスにおいて同時に使用されることが多いソフトウェアです。

まずはCADを用いて設計図面を作成します。完成した設計図を用いてCAMで工作機械に指示を出し、工作機械が製品が作り上げます。ちなみに2つのソフトウェアと同じく「CAE」というソフトウェアがありますが、CAEは図面や製品を解析するソフトウェアです。

CADとは?

そもそもCADとは、どのような目的・用途で使用されるのか具体的に解説します。

CADは「コンピューター支援設計」と言われ、手作業で作成した設計図をより細かく調整・修正をパソコン上でを行えるようにするためにするソフトです。
従来のCADは平面図・正面図・側面図など2次元図面をモデリングする「2D CAD」が使用されていましたが、現代では立体的かつ複雑な形状でもモデリングが行える「3D CAD」が用いられることが多くなりました。

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CADについて「さらに詳しく知りたい」「おすすめのソフトは?」という方は下記記事も合わせてご覧ください。

【2024】2DCADとは?3D CADとの違いや メリットやデメリットを解説し、おすすめソフトも紹介!

CAMとは?

CAMは「コンピュター支援製造」と言われ、CADで設計した図面からマニシングセンタなどのNC工作機械を動かすプログラムを作成するソフトウェアです。
NC工作機械は基本的に直接機械にプログラミングを入力し動かすこと可能です。ですが、操作者に高い技術が求められ時間と労力がかかります。

CAMを学ぶのであれば下記セミナーがおすすめです。

CAMはその手間や時間を省き、正確な加工プログラムの作成が可能になります。

【2024】NCプログラムとは? マシニングセンタにないCNCプログラムとの違いや構成要素、コードの種類を解説!

CADやCAMはどんな業界で使用される?

CADやCAMはどんな業界で使用される?

CADやCAMはどんな業界で使用されるのか、下記表をご覧ください。

ソフトウェア 業界
CAD 製造業、建設業、土木業、アパレル業、インテリア、医療機器
CAM 製造業、自動車、航空宇宙、医療機器、産業機器、建設業

CADとCAMは多くの業種で使用されますが、そのほとんどは製造業や建設業です。

また、CADやCAMが扱えるからといって、すべての業界でその知識や技術を活かすことは難しいでしょう。例えば、一言でCADソフトといっても何種類ものソフトが存在し、CADによって得意・不得意が存在します。
あらゆるものづくり現場において使用されるCADですが、製造業で使用するソフトとアパレル業で使用するソフトには違いがあるのです。

そのため、業界で使用されるCADに関する知識が必要です。

CADやCAMを導入するメリット

CADやCAMを導入するメリット

CADやCAMを導入するメリットは以下の3点です。

  • 開発期間の短縮
  • 生産性の向上
  • コストの削減

開発期間の短縮

CADやCAMを使用することで開発期間の大幅な短縮が期待できます。

これまではCADであれば設計図は手作業で細かい点まで修正を行い、CAMであれば工作機械に手動で入力を行いますがどちらも多くの時間を要します。
仮にどちらかの作業に不備があったとしても製品が開発されるまではわからないため、不備があれば1から修正・調整が行われます。

CADやCAMを使用すれば、開発途中で不備があれば気づくことができるためその場で修正を行えるため、開発期間を大幅に短縮できるでしょう。

生産性の向上

CADやCAMを使用すれば業務の効率化が実現し、生産性の向上が実現します。

また、CADやCAMは単体で使用するよりCAD/CAM1つにまとめられたソフトを使用すれば、より生産性の向上が実現できます。というのも、CADとCAMは別のソフトウェアでも十分な作業効率向上が見込めますが、ソフト同士の出力形式や互換性に問題があれば、変換に手間がかかります。

しかし、CAD/CAM1つのソフトであれば図面の設計からNCデータを作成するまでの一連の流れをまとめて行えるでしょう。

コストの削減

CADやCAMはコストの削減に大きく寄与します。導入にコストがかかるものの、その後のコストは削減されるため長期的に見れば大きくコストが削減できるでしょう。

例えば、従来の手作業による作業であれば業務に時間がかかり納期の期限ギリギリになれば残業による人件費が発生します。また、製品が開発された段階でミスやトラブルが見つかれば製品開発にかかったコストは水の泡となります。

どの企業においてもコストが削減できれば企業の競争力強化にもつながります。

CADやCAMを導入するデメリット

CADやCAMを導入するデメリット

CADやCAMを導入するメリットがあれば、デメリットも存在します。ここではデメリットを3つ紹介します。

  • 知識や経験が必要
  • 導入初期はコストがかかる
  • 導入や定着に時間がかかる

知識や経験が必要

CADやCAMは知識や経験が必要になります。当然、素人が扱えるものではありません。

また、先述した通りCADやCAMには数多くのソフトウェアの種類があります。そのため、1つのソフトウェアが使いこなせたとしても作成する製品によっては役に立たないこともあるでしょう。また、CADに関する知識や経験が豊富でも、扱う業界の知見は必要です。

そのため、取引先からデータを渡されたとしても得意先や協力会社と使っているソフトウェアが異なると共同作業は難しいでしょう。

導入初期はコストがかかる

コスト削減ができると先述しましたが、投資も必要になります。特にCADやCAMを導入する初期費用、パソコンやプリンター費用、長期的に使用するならメンテナンス費用も必要になります。無料で使用できるソフトもありますが、更新が中止されたり、機能に制限がかかているなど業務で本格的に使用することは難しいと言えます。

ソフトウェアのバージョンアップされれば、数年ごとに費用も必要となるでしょう。CADやCAMを導入する際のコストはある程度かかることを知っておきましょう。

導入や定着に時間がかかる

これまで手作業で行っていた設計図の作成やNC工作機械を動かすプログラムの手動入力を急にCADやCAMを導入しても、定着に時間がかかるでしょう。
突然、導入をしても現場の混乱を招きパフォーマンスの低下、生産性を低下する事態になりかねません。

まずは導入する意図やメリットを現場の社員に明確に伝え、協力体制の導入を進めましょう。「導入や定着にリソースを割きたくない」と言う場合は、専門家やソフトを提供している企業に依頼するのも1つの手段です。

CADやCAMを導入する際に注意する点

CADやCAMを導入する際に注意する点

CADやCAMを導入する際に注意する点は以下の3点です。

  • 自社業務の用途に適しているか
  • サポート体制はあるか
  • 費用対効果は高いか

自社業務の用途に適しているか

CADやCAMはソフトウェアの種類によって用途や使用できる分野は異なります。よくある失敗例として「実績があるから」「費用が安いから」などの理由で導入し、実際に使用して見ると自社の用途に合わないと言うこともあります。

必ず自社業務の用途に適しているかを確認し、不安であれば無料トライアルなどあるソフトウェアを使用し、自社の業務に適しているか、使用感や操作感など比較して導入しましょう。

サポート体制はあるか

先ほど導入や定着に時間がかかると先述しましたが、定着をスムーズに行うならサポート体制が充実しているか調べましょう。

また、トラブルや故障が起きた際には人材を派遣してくれるかも重要なポイントです。CADやCAMに詳しくてもトラブルに対処できるかは別です。すぐに対応できる人材がいない場合はサポート体制は必要不可欠でしょう。

また、サポート体制にはオプション費用か初めから費用に組み込まれているかも確認しておきましょう。

費用対効果は高いか

CADやCAMを導入する際に費用対効果の精査は大きなポイントです。

例えば、いくら導入費用が安くても効果は出なければ意味がありません。一方で効果は十分であるが費用が高すぎても費用対効果が高いとは言えません。
費用と導入することで出る効果を天秤にかけ十分に検討しましょう。

目標を設定しているか

CADやCAMを導入する前に必ず「なぜ導入するのか」を明確にしておきましょう。これは導入自体が目的にならないようにするためです。

例えば、業務時間を月に50時間削減すると目標を立てた場合は中間目標(KPI)を立てるとより導入の成功確率が上がるでしょう。また、定期的な効果測定も必要です。CADやCAMを導入したことで「業務は効率化されているのか」「コストは削減できているのか」など確認し、現場の声もヒアリングするようにしましょう。

CADやCAMの特徴を理解して導入しよう

CADやCAMの特徴を理解して導入しよう

CADやCAMは用途や目的に大きな違いがあります。それぞれの違いを理解し、導入を行いましょう。また、メリットやデメリットを理解しそれぞれのソフトを精査すれば業務効率を大きく向上し、大幅な生産性向上を見込めます。

デジタル化に伴い、企業間競争が激化している現代においてCADおよびCAMの導入を検討してみてはいかがでしょうか?
「導入に失敗したくない」「CADやCAMを扱える人材を育成したい」と言う方は、下記サービスを検討してみてはいかがでしょうか?

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