製造業や建築業などの「ものづくり現場」において年々需要が高まっているCADオペレーターは、資格の取得が必須ではないものの自身のスキルや知識を証明するために「資格を取得するべきなのか?」を疑問に思う方も多いのではないでしょうか?
雇用する企業としても資格を保有しているCADオペレーターの人材の方がいいのかと疑問になるでしょう。
本記事では、CADオペレーターが資格を取得するべきなのか?取るべき資格などについて詳しく解説していきます。
CADオペレーターとは?
CADオペレーターとは、CADソフトを操作して図面の修正・調整などを行う仕事です。ものづくり現場においてCADオペレーターの需要は幅広くありますが、その多くは建築・製造・土木などの職種で活躍しています。
また、よく混同される職種として「設計士」や「デザイナー」が挙げられますが、設計士やデザイナーは製品の仕様を設計し、CADオペレーターはその設計図を修正・調整する役割が一般的です。
しかし、CADオペレーターの中には設計士やデザイナーに対して図面の指示や改善などを担う人もいれば、CADオペレーターから設計士やデザイナーにキャリアアップする人も一定数存在します。
そもそもCADオペレーターは資格を取得するべき?
CADオペレーターになるには、資格が必須なの?と疑問に思う方もいるのではないでしょうか?
しかし、先述した通りCADオペレーターの仕事に資格は必須ではありません。CADを操作できるスキルと設計士などの意図を汲み取るコミュニケーション能力があれば、仕事をすることは可能です。
では、資格を取らなくてもいいのでは?と思うかもしれませんが、資格を取得できるのであれば取得するべきです。中には「資格を取得しても無駄」という声もありますが、資格を取得しておけば自身の知識やスキルを簡単に証明できます。
もちろん、CADに関する資格は数多くあり全てを取得するとなると、相当な時間と労力がかかるため現場で特に求められている資格に絞って勉強することをおすすめします。
CAD資格を取るメリット
ここからはCAD資格を取るメリットに関して、「個人」と「企業」それぞれの視点で解説します。
個人
個人がCAD資格を取るメリットは就職活動において有利になることが挙げられます。
CADに関する知識や操作スキルが身についていても就職活動において面接官に口頭で伝えることはハードルが高いと言えます。しかし、資格を持っておけば履歴書等に記載できるため、企業側からすれば一目見てある程度の知識やスキルがあることがわかります。
また、取得している資格の難易度が高ければ高いほど就職活動では有利になるでしょう。
企業
CAD資格を持っている人材を確保しておくことは企業にとっても大きなメリットと言えます。
HPに資格所有者が在籍すると分かれば、クライアントからしても信頼が高まるため依頼しやすいと言えます。また、企業側が積極的に資格取得の支援を行なっていることが分かれば求職者の目に留まりやすく、人材の確保もしやすくなります。
また、業務効率や生産性が向上するというメリットも挙げられます。資格保有者が多ければ業務の正確性やスピードも向上します。ただし、現代では労働者を確保することさえ難しいため、資格手当など用意し既存の従業員への資格取得を促す企業も増えています。
「受講者のスキルのばらつきがでてくる」「業務に見合ったセミナーがない」などのお悩みの企業は下記サービスを検討してみてはいかがでしょうか。
CADオペレーターが取るべき資格5選
CADオペレーターが取るべき資格5選は以下の表をご覧ください。
資格名 | 難易度 | 概要 |
3次元CAD利用技術者試験 | 2級:易しい 準1級、1級:普通 |
3次元CADに関する基礎知識から実務レベルまでの知識やスキルが必要 |
2次元CAD利用技術者試験 | 基礎試験、2級:易しい 1級:普通 |
平面図に関する知識を基礎から実務レベルまで必要。難易度が低く、基礎試験に関して初心者にもおすすめの資格。 |
オートデスク認定資格プログラム | オートデスク認定ユーザー:普通 オートデスク認定プロフェッショナル:難しい |
世界で20万人以上が取得している世界共通の認定資格。AutoCADを中心としたCADの操作・知識が求められる。 |
3次元設計能力検定 | 3次元CADコース:易しい 図面作成コース:普通 プロ設計者コース:普通 |
次元CADに関するオペレーション能力や機械設計に関する知識が求められる。 |
建築CAD検定試験3級 | 4級:普通 3級:普通 2級:難しい 準1級:かなり難しい |
CADを操作し与えられた完成図と同じ図面を作図する試験。準1級の合格率はここ数年で10%未満。 |
3次元CAD利用技術者試験
3次元CAD利用技術者試験は、3次元CADに関する知識を基礎から実務レベルまで身につけることが可能で2級、準1級、1級が用意されています。近年では、3次元CADを扱う企業も増えており、CADオペレーターとして活躍するためには取得優先度はかなり高いと言えます。
ただし、1級・準1級の受験資格に関しては2級を合格していることが必須となりますので、段階を踏む必要があります。
2次元CAD利用技術者試験
2次元CAD利用技術者試験は、前述した3次元CADと同じ一般社団法人コンピュータ教育振興協会が主催する資格試験であり、平面図に関する知識を基礎から実務レベルまで必要とします。
2次元CAD利用技術者試験は今回紹介する資格の中でも最も難易度が低く、比較的初心者でも取りやすい資格でありながら多くの企業で必要とされる資格でもあります。試験レベルは「基礎試験」「2級」「1級」に分かれており、初心者であればまずは「基礎試験」を目指しましょう。
オートデスク認定資格プログラム
オートデスク認定資格プログラムは、オートデスク社が主催する資格であり世界共通の資格でもあります。日本だけでなく、海外の事業展開や海外の企業に就職したいという場合は有利に働くでしょう。
オートデスク認定資格プログラムは、AutoCADを中心としたCADの操作やスキルを必要とし、初級者向けの「オートデスク認定ユーザー」、中・上級者向けの「オートデスク認定プロフェッショナル」があります。
オートデスク認定資格プログラムの資格取得を検討している方は「AutoCAD基礎セミナー講習」「Autodesk Fusionセミナー」「BIM・建築3DCAD Revitセミナー講習」などの受講を検討してみてください。
3次元設計能力検定
3次元設計能力検定は特定非営利活動法人3次元設計能力検定協会が実施する試験で、3次元CADに関するオペレーション能力や機械設計に関する知識が求められます。試験のコースは「3次元CADコース」「図面作成コース」「プロ設計者コース」があり、CADオペレーターがはじめに取得するべき資格は「3次元CADコース」がおすすめです。
建築CAD検定試験3級
建築CAD検定試験3級は、CADを操作し与えられた完成図と同じ図面を作図する試験です。主に、CADを扱うスキルが試される試験で試験レベルは4級、3級、2級、準1級となっています。
資格を取得するのであればまずは3級の取得をおすすめします。準1級に関しては非常に難易度が高く、ここ数年の合格率は10%未満となっています。準1級を取得できればCADに関する実務スキルを保有した貴重な人材となるでしょう。
CAD資格取得のための勉強方法
CAD資格を取得するためにはどのような勉強方法があるのでしょうか?ここでは下記3つの方法を紹介します。
- CADソフトを実際に操作する
- 通信講座やスクールで学ぶ
- テキストや動画で学ぶ
CADソフトを実際に操作する
CADに関する資格を取得するのであればCADソフトを実際に操作できるスキルは必須と言えます。最近では、無料ソフトがWeb上にあるためお金をかけずに操作することが可能です。
勉強方法は様々ですが、初心者であれば
- CADソフトになれる
- 実際に他の図面の真似をしてみる
- 参考図面を見ないで自力で図面を作成
の順番で勉強することがおすすめです。おおよそ3ヶ月ほどでCADで実践的な作図ができるようになると言われています。より早くCADの操作スキルを身につけたいという方は、セミナーの受講がおすすめです。
通信講座やセミナーで学ぶ
CADのスキルや知識を学ぶ方法で最もおすすめなのが、通信講座やセミナーで学ぶ方法です。
CADは経験者であっても専門用語などが多いため習得に時間がかかるうえに、モチベーションを保つことが難しいと言えます。セミナーなどで学べば、スキルや知識を独学よりも早く身につけることができます。
わからない箇所は専門家に詳しく聞くことができるため、モチベーションも維持しやすく資格の習得も難しくありません。ただし、通信講座やセミナーは自身に最適なものを選ぶ必要があります。
「どんなセミナーがいいかわからない」「高いお金をかけて失敗したくない」という方はセミナーを受講しましょう。
テキストや動画で学ぶ
CADに関する資格の取得にお金をかけたくない場合は、テキストやYoutubeなどの動画で学ぶ方法もあります。
最近ではテキストであれば、何種類ものテキストが発売されているため自身のレベルに合ったものを選ぶことが可能です。動画においても専門家が初心者にもわかりやすく解説しているため、昔と比較すると無料で質の高い学習をすることが可能です。
注意点としては、動画やWeb上の情報に誤りがあるものもあります。そのため、自身で見極めなければいけません。
CADオペレーターは技術やスキルが重要
本記事ではCADオペレーターは資格を取得するべきなのか?取得するべき資格や方法について詳しく解説しました。
先述した通り、資格を取得できるのであれば取得しておくべきです。ただし、CADオペレーターとして1番に求められるものは技術やスキルです。そのため、資格を持っているからといってもCAD操作ができなければ、就職は難しく企業においても社会的信頼の向上にはつながらないでしょう。
CADに関する技術やスキルを体系的に深く学びたいという方は本記事で紹介したセミナーの受講を検討してみてはいかがでしょうか。