「AutoCADを始めたが、何から練習すればいいかわからない」と悩む初心者は少なくありません。
AutoCADは初心者でも扱いやすいように設計されていますが、初めて見る画面にどこから手をつけていいかわからないでしょう。実は初心者でも確実にスキルを身につけられる練習方法があります。
そこで本記事では、AutoCAD初心者が効率よく基本操作を身につけられる3つの練習ステップを解説。費用をかけずに無料で取り組める方法も紹介していますので、最後までご覧ください。
初心者がAutoCADを無料で練習する方法
AutoCADの練習を始める方の中には、お金をかけずに練習したいと考える方もいるでしょう。実際に初心者の方がAutoCADを無料で練習する方法はあります。
方法は主に以下の2つです。
- Webサイト上の無料配布図面を使用する
- YoutubeやWebサイトのノウハウを見ながら練習する
前提として、個人で練習する際にAutoCADのソフトを永久的に無料で使用できません。そのため、ソフトにかかる費用は最低でも必要であることを理解しておきましょう。
参考までにAutoCADのライセンス費用は以下の通りです。
- 1ヶ月:8,800円
- 1年:71,500円
- 3年:214,500円
AutoCADのライセンス費用は、契約年数が増えるほどお得に利用できます。以下のリンクからAutoCADの費用や概要を確認できるため、チェックしてみてください。
AutoCAD初心者が練習する前にやるべきこと
初心者が独学でAutoCADを練習する場合、モチベーションを維持しづらい懸念があります。そのため、闇雲に練習を始めずに以下の2点を初めに行いましょう。
- 目標を設定する
- 必要な教材や備品を揃える
目標を設定する
練習を始める前に「何のためにAutoCADを学ぶのか」「どのレベルまでスキルを伸ばしたいのか」という具体的な目標を設定しておきましょう。漠然と学習を始めても挫折しやすく、モチベーションが維持できなくなるためです。
例えば、建築業界で実務レベルの図面を描けるようになる、就職活動で有利になる資格を取得するなど決めておけば、明確な目標があることから効率的に学習しやすくなります。
必要な教材や備品を揃える
AutoCADを練習する前にパソコンだけでなく、必要な教材や備品を揃えておきましょう。準備するべきものは以下を参考にしてください。
- 参考書
- プリンター
- 推奨されるスペックのパソコン
特に重要となるのがプリンターです。AutoCADで練習は作図が基本となりますが、作図が終わると図面にミスがないか必ず確認する必要があります。パソコンで理想的に描けていても、プリントしてみるとミスをしていることは珍しくありません。
初心者がAutoCADを練習する際は、「作図をする→プリントアウトしてチェックする」の作業を繰り返し行うため、プリンターを準備しておきましょう。
初心者におすすめのAutoCAD練習ステップ
ここからは画像を用いて、初心者がやるべきAutoCADの練習ステップを紹介します。いきなり、作図を行うのは難しいため以下の手順を踏みましょう。
- コマンドを覚える
- 図形を描いてみる
- 参考図面の模写を行う
ステップ①コマンドを覚える
まずは、AutoCADのコマンドを覚える作業です。コマンドとは、作図を行う際の描画や編集を効率化するために覚えるべき機能です。以下はAutoCADの作図を行う作業画面ですが、画面下部に「ここにコマンドを入力」と表示されています。この部分にコマンドを入力することで作図を行うことができます。
では、実際にコマンドを使用して円を作成してみます。ちなみに円を作成する際は「Circle」と入力します。
すると、中心点と半径や直径を指定して円を描くことができるようになります。コマンドは初めに全てを覚える必要はありませんが、最低限以下のコマンドは覚えておきましょう。
コマンド名 | 概要 |
Line | 直線:始点と終点を指定して、直線を描く |
Circle | 円:中心点と半径、直径を指定して円を描く |
Rectangle | 四角形:対角線上の2点を指定して、四角形を描く |
Arc | 弧:中心点、半径、始点と終点、もしくは中心点、始点、終点を指定して弧を描く |
Polyline | 複数の線分や曲線を連続して描くための図形 |
ステップ②図形を描いてみる
コマンドを覚えたところで図形を実際に描いていきましょう。ここで重要となるのは「とにかく色々な図形を使用してみること」です。図形を描く際は、先述したコマンド入力か画面左にあるツールバーから選択できます。
とにかく図形を描いて、どのような機能があるのかを確認しておきましょう。
ステップ③参考図面の模写を行う
次に図面の模写を行っていきます。図面の模写とは、実際にある図面を真似して描いていくことです。図面を描く際は、レイヤーの設定と構築線の作成を行っていきます。
レイヤーの設定
レイヤーとは、作成する図面を層状に分けて作成する考え方を指します。初期では白のレイヤーのみが設定されているため、追加していきましょう。
今回は赤のレイヤーを追加しました。
レイヤーを複数設定しておけば、図面を見やすく表示できるためレイヤーは設定しておきましょう。
構築線の作成
構築線とは、X・Y軸方向に伸びる基準線です。図面を描く際に、どの位置に図形を配置するか基準を決めるために設定しておきます。構築線は以下のコマンドから設定します。
実際に構築線を描いた画面が下記画面です。この線を基準に図面を描いていきます。
Webサイト上にある無料で配布されている図面の見ながら実際に模写していきましょう。また、以下の記事では、建築・土木向けにAutoCADの練習手順を解説していますので、参照ください。
AutoCAD初心者が練習する際の勉強方法
初心者がAutoCADを練習する際の勉強方法について解説します。効率よく勉強するためのポイントもあわせて紹介していますので、参考にしてみてください。
- 参考書を活用する
- チュートリアルを活用する
方法①参考書を活用する
参考書は基礎知識や操作手順が体系的かつ分かりやすくまとめられているため、独学でも着実にスキルを身につけられます。初心者向け入門書は「コマンドの使い方」から「簡単な図面作成」まで順序立てて丁寧に解説され、自分のペースで進められます。
効率よく勉強するためには、1冊の参考書を繰り返し練習し、理解が難しい部分には付箋を貼り、後で何度も見返せるように工夫しましょう。
AutoCADのおすすめ参考書について知りたい方は以下の記事をあわせてご覧ください。
方法②チュートリアルを活用する
AutoCADは公式サイトでチュートリアル動画が掲載されており、実際の操作手順を目で見て直感的に学習ができます。チュートリアルは無料で使用でき、5分〜15分ほどの動画に細かく分けられています。
自分のレベルに合わせた動画が選べるため、初心者でも理解が深まりやすいです。動画を見ながら同時にAutoCADを操作し、実践的に反復練習を行うのがオススメです。
AutoCADの練習に限界を感じたらセミナーを受講しよう
初心者の方がAutoCADを練習するとわからない点は出てくるかと思います。また、独学で練習する場合、中長期的に学習を継続する必要も。そこで、オススメするのがセミナーの受講です。
AutoCADはトップクラスのシェアを誇るCADソフトであるため、多くの企業でセミナーが実施されています。「AutoCAD基礎セミナー講習」についてみていきましょう。
AutoCAD基礎セミナー講習
AutoCAD基礎セミナー講習は初心者が短期間で効率的にAutoCADをマスターできる集中講習で、基本的な操作から実践的な作図スキルまで段階的に習得可能です。
受講形式は希望に合わせて選択でき、全国どこに住んでいても受講ができます。
また、講習では専門の講師による分かりやすい解説や丁寧なサポートが受けられるほか、実務で役立つヒントやテクニックも学べるため、短期間でプロレベルのスキルを身につけたい初心者やキャリアアップを目指す社会人にも最適なセミナーです。学べる内容については以下をご参照ください。
- AutoCADの画面操作と初期設定
- オブジェクトの作成(線分/円/円弧/ポリライン/長方形/中心線など)
- オブジェクトの選択(基本/クイック選択/類似選択)
- 作図補助機能の使い方(グリッドとスナップ、オブジェクトスナップトラッキングなど)
- オブジェクトの編集(移動/オフセット/回転/トリム/フィレット/ストレッチなど)
- 画層とプロパティ(画層の設定/オブジェクトのプロパティ)
- コンテンツ(図形)の再利用(ブロック定義/配置/編集/属性定義)
- 図面への注釈:文字(文字記入/マルチテキスト/編集/スタイル設定)
- 図面への注釈:寸法(寸法記入/マルチ引出線記入/編集/スタイル設定)
- 図面への注釈:ハッチング(作成/編集)
- レイアウトの使い方(ページ設定/ビューポートの作成/コントロール)
- 異尺度対応注釈(注釈尺度の設定)
- 図面比較機能
- テンプレート(図面テンプレートの作成)
- データ管理・活用(外部参照・DWGファイルのリンク)
セミナー名 | AutoCAD基礎セミナー講習 |
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運営元 | GETT Proskill(ゲット プロスキル) |
価格(税込) | 27,500円〜 |
開催期間 | 2日間 |
受講形式 | 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング |
AutoCAD初心者の練習方法についてのまとめ
AutoCAD初心者が練習をする際は、闇雲に練習するのではなく目標を立て段階的に実施していきましょう。コマンドを覚えることからはじめ、基礎的な図形の描画や図面の模写を通じて実践的に練習を積むことが重要です。
また、参考書やチュートリアル動画を使用しての勉強に限界を感じた場合は、本記事で紹介したセミナーの受講もオススメです。自分に最適な練習方法を選ぶために、ぜひ参考にしてみてください。
