AutoCADを導入したばかりで、操作方法がよくわからないとお悩みの方もいるでしょう。
また、図面の書き方がわからないとお困りの方もいるはずです。
そこでの記事では、AutoCADの基本操作についてわかりやすくまとめました。
初心者向けの使い方も解説しているので、基本操作をマスターするためにチェックしてみてください。
AutoCAD初心者に欠かせない基本操作
AutoCADを操作をするうえで欠かせない操作方法を2つ紹介します。
基本操作を理解して、次項かた説明する図面作成の準備をしましょう。
マウス操作
AutoCADでは、次のようなシーンでマウス操作が必要です。
- 機能・ツールの選択
- ワークスペース上の図面の選択
- 作図設定
- 保存・印刷
AutoCADはマウス操作が必須となります。
キーボードに内蔵されているタッチパネルでも操作は可能ですが、効率よく作図をするためにマウスを利用するのがおすすめです。
キーボード操作
AutoCADでは、次のようなシーンでキーボードによる操作が必要です。
- 作図するオブジェクトのサイズ入力
- コマンドウィンドウの入力
- フォントの入力
- 設定やプルダウンの選択
作図はもちろん、文字列の旗あげなどをする際にキーボード入力が欠かせません。
タブレットPCなどを利用してAutoCADを操作することも可能ですが、キーボードがなければ入力に手間がかかりやすいと覚えておきましょう。
もし経験豊富なプロ講師からAutoCADの基本操作を学びたいなら、次のような講習に参加するのがおすすめです。会場で直接講習を受けられるほか、ウェビナーやeラーニングを利用できます。
AutoCADにおける図面準備の基本操作
AutoCADは、最初からすぐに図面を作成するのではなく、事前にさまざまなテンプレートの設定やレイヤー設定といった準備が必要です。準備に関わる手順も含めて基本操作を紹介します。
図面テンプレートを用意する
AutoCADを業務に利用する際には、事前に図枠や業務名称、縮尺、工期などをまとめた図面テンプレートの用意が必要です。
図面テンプレートは、国土技術政策総合研究所などが公開している、図面作成全般のルールをもとに作成します。今回は参考として、AutoCADに初期から導入されているテンプレートの参照に関する基本操作をまとめました。
まずはAutoCADを起動して、上画像と同じ画面を開いてください。
画面が起動したら左側にある「新規作成」のプルダウンボタンを押して「テンプレートの参照」をクリックします。すると、AutoCADに用意してあるテンプレートが表示されます。
また「ほかのテンプレートをオンラインで取得」をクリックすれば、Autodeskで用意してあるさまざまなテンプレートをダウンロードできます。自分でテンプレートを作成することも可能ですので、ぜひ準備してみてください。
レイヤーを設定する
図面を起動できたら、次に国土交通省で定められているルールに合わせてレイヤーを設定しなければなりません。レイヤーのルールは「CAD 製図基準に関する運用ガイドライン(案) 」という資料にまとめられており、次のような条件でレイヤー名を設定します。
図面オブジェクト | レイヤーの内容 |
TTL | 外枠 |
BGD | 現況地物 |
BMK | 構造物基準線 |
STR | 主構造物外形線 |
BYP | 副構造物外形線 |
MTR | 材料表 |
DCT | ハッチング、記号 |
上記の基本操作は「ホーム>画層>画層プロパティ」から設定できます。
上画像と同じ画面が開いたら、太陽のマークがついたレイヤーボタンを押すことで「レイヤーの新規作成」、バツマークが追加レイヤーボタンを押すことで「レイヤーの削除」が可能です。
名前欄にレイヤーが追加されていくので、国土交通省のルールに従いレイヤー名を設定していきましょう。
AutoCADの図面の書き方に関する基本操作
前述したAutoCADの図面準備が完了したら、実際にAutoCADで図面の書き方にチャレンジしましょう。基本操作や手順も解説しているので、ぜひ基本操作をマスターしてください。
オブジェクトを挿入する
AutoCADでは、あらかじめ用意してある次の作図ツールを使うことで、任意寸法のオブジェクトを挿入できます。
- 線分
- ポリライン
- 四角形
- 円形
- 楕円形
例えば円形を挿入する場合には「ホーム>作成>円」をクリックします。
クリックと同時に円形ツールが起動すると、ワークスペースの下側にあるコマンドウィンドウに指示が表示されます。
指示通り円の中心位置をワークスペース上でクリックすると、次のように半径を指定する指示が表示されました。
半径はマウスで自由に調整できるほか、コマンドウィンドウに数値を入力することで、大きさを決めることも可能です。参考として半径50mmを作成するため、コマンドウィンドウに50と入力してみます。すると、次の円形が表示されました。(寸法は別途入力しています)
ほかの図形ツールについても、起動と同時にコマンドウィンドウに指示が表示されます。
初心者の方は、表示される指示を参考にしながら基本操作を覚えていきましょう。
寸法・フォントを旗揚げする
図面にオブジェクトを挿入できたら、形状や大きさがひと目でわかるようにするために、寸法やフォントを挿入していきます。
まず寸法の基本操作として「ホーム>注釈>寸法記入」で入力が可能です。
表示したい寸法の起点・終点をクリックして、最後に旗あげの高さを設定することで上画像と同じ寸法が表示されます。
次にフォントの基本操作として「ホーム>注釈>引出線」から矢印つきのフォントを挿入できます。矢印の先端、末端をクリックして、キーボードで文字列を入力することにより、上画像のようにフォントを表示できます。
寸法の挿入について詳しく知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。
より詳しい基本操作の手順を解説しています。
AutoCADのデータ出力に関する基本操作
AutoCADで作成した図面は、最終的にPDFといった電子データ、もしくは納品用の紙に出力するのが一般的です。参考として、データ出力の基本操作を以下にまとめました。
レイアウト空間にビューを設定する
AutoCADで特定の図形だけを印刷するためには、モデル空間で作成した図形をビューポートに追加し、レイアウト空間に反映するといった作業が必要です。
まず「表示>名前の付いたビュー>新しいビュー」を起動して「境界>窓で選択」をクリックしてください。するとビューに設定するモデル空間を枠で選択できるようになります。実際に表示させたい範囲を枠で囲んだら、名前を付けてOKをクリックしましょう。
続いて画面下側にある「レイアウト空間」をクリックしてください。
リボンパネルに「レイアウト」が追加されるので「レイアウト>レイアウトビューポート>ビューを挿入」をクリックして、先ほど新規作成したビューを選びレイアウト空間に挿入しましょう。
これで印刷するレイアウトが決定しました。
印刷やデータ出力をする際に必ず必要となる作業ですので、基本操作覚えておきましょう。
レイアウトを印刷する
AutoCADでレイアウト空間の準備が完了したら、上画像にある印刷ボタンをクリックして印刷画面を起動しましょう。前述したレイアウトを印刷するためには「ページ設定」で名前を挿入したレイアウトを選択してください。
また、印刷画面では次のような基本操作が必要です。
- 印刷する方法を選択する(紙orPDF)
- 用紙サイズ
- 印刷の縮尺
- 図面の方向
すべての設定が完了したら、印刷画面の右下に表示されている「OK」ボタンをクリックしましょう。印刷設定の基本操作は、Word・Excelといった業務でよく使うツールの印刷とほとんど同じです。
AutoCADを効率化するコマンドの基本操作
AutoCADには、作図作業を効率化する手段として、コマンド機能が搭載されています。
基本操作として、まずはコマンドウィンドウをクリックします。
コマンドウィンドウには文字列を自由に入力できるので、AutoCADに設定されている特定のコマンドを入れることで、コマンドを起動できるのが特徴です。
例えば、AutoCADの作図ツールである円ツールを起動したい場合には「CIRCLE(もしくはC)」と入力すれば、マウス操作を使わずに円ツールを起動できます。
ちなみにコマンドウィンドウは「Tab」をクリックするだけですぐに入力できるようになります。マウス操作をゼロにしてコマンドを起動できるので、ぜひ基本操作をマスターしてください。
またAutoCADのコマンドの基本操作を学びたい方は、以下の記事がおすすめです。
よく使うコマンドの種類を一覧にまとめています。
AutoCADの基本操作についてよくある質問
AutoCADの基本操作に関する質問をまとめました。
AutoCADの基本操作についてまとめ
AutoCAD初心者が効率よく作図をするためには、まず基本操作を覚えることが欠かせません。
ソフト全体で利用する基本操作さえマスターすれば、本記事で紹介できなかったほかの操作にも応用が可能です。AutoCADを導入したばかりで使い方がわからないとお悩みなら、ぜひ本記事で紹介した基本操作を繰り返し練習してみてください。