AutoCADを導入したばかりで、使い方がよくわからないとお悩みの方も多いでしょう。
また、どのような機能をよく使うのかイメージできない人も少なくないはずです。
そこでこの記事では、AutoCADの初心者向けチュートリアルを徹底ガイドします。
AutoCADの操作をマスターしたい人はぜひ参考にしてください。
AutoCADの画面構成チュートリアル
まずはAutoCADがどのような構成で操作できるのか把握するために、操作画面のチュートリアルをまとめました。
AutoCAD起動時の画面
AutoCADのアプリを起動すると、最初に上画像と同じ画面が表示されます。
画面は縦3分割に分かれており、左から「ファイル操作」「最近使用したファイル」「お知らせ」という順番に並んでいます。
まず左側の「ファイル操作」については、自身がAutoCAD上で操作したいデータを開いたり、新しいデータを作成したりする際に使う画面です。はじめてAutoCADを操作する人は、最初のチュートリアルとしてこの画面から図面を新規作成します。
次に中央にある「最近使用したファイル」は、以前操作したことがあるAutoCADのデータを直接起動する際に役立つ画面です。自分でファイルを探す必要がないため、直近のデータを触る際に使います。
最後に右側に表示されている「お知らせ」は、AutoCADがバージョンアップした際の最新情報などが掲載される画面です。更新されるたびに情報が追加されます。
AutoCADワークスペースの画面
前述した画面から「新規作成」「ファイルを開く」といったボタンを押して、AutoCADのデータを開くと、上画像と同じワークスペースが起動します。参考として、よく利用する項目のチュートリアルを色付け表示で下表にまとめました。
色 | 名称 | 主な用途 |
黄色 | クイックアクセスツールバー | よく使う機能がまとまった枠であり、自分でカスタマイズできる |
赤色 | リボンパネル | AutoCADの作図機能がまとまった枠であり、チュートリアルとしてもよく登場する |
青色 | コマンドライン (コマンドウィンドウ) |
リボンパネルにまとめられている機能を文字列の入力で起動したり、作図時に数値情報を入力する |
緑色 | 空間選択 | 作図画面をモデル空間・レイアウト空間で切り替えて、印刷の配置時に利用する |
ピンク色 | ステータスバー | AutoCAD操作の設定や、2D作図・3Dモデリングを切り替える際などに利用する |
各項目はチュートリアルで必ず操作するポイントです。
また、画面中央にある真っ暗な画面(ワークスペース)を使って作図します。
AutoCADの作図チュートリアル
AutoCADで頻繁に利用する作図について、初心者練習用のチュートリアルをまとめました。
よく使う機能を中心に紹介しているので、チュートリアルをマネしながら実際に操作してみてください。
一般的な作図チュートリアル
AutoCADで図面を作成する際には、リボンパネルにある「ホーム>作成」にまとめられた作図ツールを使うのが一般的です。例えば、線分を使って線を引く場合には次の手順を踏みます。
- 線分ツールをクリックする
- 線分を表示する起点をワークスペース上でクリックする
- 終点をクリックする
図形を挿入すると、ワークスペース上に図形の情報が保持されます。
同様にAutoCADの作図ツールを使って別の図形を挿入すると、最初に書いた線分の「端点」「中心点」「任意点」などを選択し、つなげて図形を残せるのが特徴です。
コマンドウィンドウを活用した作図チュートリアル
前述した作図ツールは、ワークスペースの下側に表示されているコマンドウィンドウを利用して起動することが可能です。例えば、線分ツールを起動する際には「L(LINE)」と入力します。
あとは、前述した手順のとおり、ワークスペース上で起点・終点を選択すれば作図完了です。
またAutoCADのコマンドウィンドウはほかにもさまざまな機能を呼び出せます。
以下の記事でチュートリアルも含めて解説しているので、あわせてチェックしてみてください。
AutoCADの編集チュートリアル
AutoCADで作図した図形などは、後から編集して調整したり、ビジュアルを変更したりする場合があります。参考として、よく使う編集機能をチュートリアルとしてまとめました。
レイヤー編集のチュートリアル
AutoCADで作図した図形をグループ分けして必要な図形だけを表示する際には、レイヤー編集が必要です。レイヤー編集は「ホーム>画層」にある上画像の赤枠の表示を変更することで、別のレイヤーへの作図が可能となります。
また「画僧プロパティ管理」をクリックすると設定されているレイヤー一覧が表示されます。
レイヤーの新規作成はもちろん、線種・線の色など画面表に関わる情報を自由に設定できるのが特徴です。
画面移動のチュートリアル
AutoCADでは、ワークスペース上の図面を効率よく編集するために画面移動の機能がワークスペースの右側に搭載されています。よく利用する画面移動の機能をチュートリアルとしてまとめました。
機能 | マウス操作 | 機能操作 |
画面のスライド | マウスホイールをクリックした状態でスライドする | 手のひらマークをクリックする |
ズーム | マウスホイールを回転させる | 虫眼鏡マークをクリックする |
回転 | なし | 回転マーク(オービット)をクリックする |
上記の機能は、作図をする際に必ず利用する機能です。
作図する図面の規模が大きくなるほど利用頻度が増えるほか、3Dモデリング機能を使うときは、回転機能を必ず活用します。
図形編集のチュートリアル
ワークスペース上に作図した図形を編集したい場合には、対称の図形をクリックしたのちに「右クリック>オブジェクト プロパティ管理」を選択することで編集画面が起動します。
チュートリアルとして、プロパティ画面で編集できる項目を以下にまとめました。
- 色
- 画層(レイヤー)
- 線種
- 線の太さ
- マテリアル
- 配置
AutoCADでは、ほかにも数多くの設定が可能です。
複数の図形をまとめてプロパティ編集できるので、一括で図形の情報を変えたい場合に活用してみてください。
寸法記入のチュートリアル
AutoCADで図面を作図する際によく利用するのが寸法記入ツールです。
寸法は図形の長さ・大きさなどをわかりやすくする機能であり、業務の図面作成に欠かせないツールだと言えます。
AutoCADのチュートリアルとして、次の手順で寸法情報を記入してみてください。
- 縦100mm・横50mmの四角形を作図する
- 「ホーム>注釈>寸法記入」をクリックして図形の縦横寸法を表示する
寸法記入を起動したら、寸法を表示したい起点・終点を選択するだけです。
チュートリアルと一緒に詳しい使い方を知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。
AutoCADの設定チュートリアル
AutoCADをより効率よく使いたい方向けに、機能設定に関わるチュートリアルを整理しました。前述したチュートリアルと合わせて、チャレンジしてみてください。
図面印刷のチュートリアル
図面が完成したら、最後に図面を紙やPDFに印刷します。
図面の印刷機能はAutoCADの左上に表示されているロゴマークをクリックするか、クイックアクセスツールバーにある印刷マークで起動が可能です。
印刷のチュートリアルとして、印刷画面の構成と役割をまとめました。
印刷画面の構成 | 役割 |
ページ設定 | 印刷するページを選択する |
プリンタ・プロッタ | 出力するための印刷機を選択する PDF出力の場合はPDFの項目を選択する |
用紙サイズ | 出力する用紙のサイズを設定する |
印刷領域 | ワークスペースのどの範囲まで印刷するか設定する |
印刷オフセット | 印刷可動領域からどれくらいオフセットするか決める |
印刷尺度 | 用紙サイズと縮尺の整合性を決める |
印刷スタイル | 用意してあるテンプレートのスタイルを選択する |
シューディング | 出力の品質を決める |
印刷オプション | 線の太さといった情報を設定する |
図面の方向 | 縦・横を選択する |
はじめてAutoCADの印刷機能を利用する際には、印刷ミスを防止するためにPDF出力に設定してからチュートリアルで紹介した項目に触れてみてください。
2D・3D作図変更のチュートリアル
AutoCADでは、2次元図面での作図だけでなく、3次元図面での3Dモデリングが可能です。
2つの作図タイプの調整は、ワークスペースの右下に表示されている歯車マークで対応できます。
2次元図面を作図する際には「製図と注釈」、3次元図面を作図する際には「3Dモデリング」を選択しましょう。2つのツールを切り替えると、リボンパネルに表示されている機能も2D・3Dの設定に自動で変更されます。
AutoCADを勉強できるチュートリアル一覧
AutoCADには豊富な機能が搭載されているため、本記事で紹介したチュートリアル以外にも、さまざまな役立つ機能や使い方が用意されています。そこで、チュートリアルを勉強する方法を以下にまとめました。
- Autodesk公式のチュートリアルを利用する
- 書籍として販売されているチュートリアル本を購入する
- セミナーを受講してチュートリアルを学ぶ
もしプロの講師からAutoCADのチュートリアルをレクチャーしてほしいなら、次のような講習に参加するのがおすすめです。会場での講習はもちろん、ウェビナーやeラーニングを利用できます。
AutoCADのチュートリアルについてまとめ
AutoCADの操作や使い方をマスターしたい初心者は、まずチュートリアルに触れてみることが重要です。画面構成や機能の配置、手順などがわからなければ業務で活用できないため、ぜひ紹介したチュートリアルにチャレンジしてみてください。
また、チュートリアルとして紹介した情報はAutoCADを操作するための基本的なものです。
同じ考えで操作できる機能も豊富にあるので、ぜひ本記事のチュートリアルを参考にしてみてください。